ジャン、全てを知る。4
ユウリ「や~い、や~い。やられてやんの。ププッ」
あ〜、ユウリ、ジャンにコテンパンにやられてたもんね。でも、性格悪!
ジャン「ん?新兵程度に何期待してんの?そんなもんでしょ。ハハッ。だって、相手SSSの指名手配犯だよ?」
ユウリ「あ〜、まぁ、ジョエルさん強いもんね。つーかスリーエス?!」
ジャン「大体、それいうなら、僕は冒険者じゃないから、ランク外だし?隊員順位ならあるけど。」
ユウリ「え?Sランクじゃないの?」
ジャン「あ〜、そっか。冒険者じゃ知らない人の方が多いのかな?Sランクつけられるっつー事は要注意人物ってことだよ。」
ユウリ「え?それは…どういう…?強さの象徴なんじゃ?」
ジャン「解説さ~ん?後よろしく。」
ホーイ?まぁ、単体で竜とか、倒せるって普通に考えたら、すごい力持ってるよね?それが何処に向くかわからないのは怖い。
んで、隣国とかに流れたりしないように、国は優遇してんの。その代わり、有事の際には働けよってね。国は、軍事費を削減できるし、危険人物に紐つけれるでしょ?
ユウリ「え?じゃあ、いいことじゃない?」
人物評価とか性格とか仕事内容で、把握されてると思うよ(笑)
まぁ、いいかどうかは本人の気持ちの持ちよう?
だって、持ちつ持たれつだし?
ユウリ「ええっと、でも、ジャンさんは…Sランクじゃないの?」
ジャン 「だって、自国の兵に紐つけてもしゃあないでしょ?強ささえわかってればいいんだから。まぁ、僕は危険人物じゃないって事だよねぇ。」
ユウリ「え?結構な…危険人物…」
ジャン「ヤダな~。王様に何度も会ってる僕に対して危険人物だなんてぇ?」
…ユウリ、気にしたら、負けだと思うよ……。ワタクシメも、これは、ないと思います……。
「くっグハァ!!…ハァ…ハァ。」
目覚めてから、かれこれ、何時くらいだろう。素直に答えては殴られ蹴られるを繰り返す。
「もう一度、きく。お前は何者だ?」
意識を刈り取った、金髪の女が頭を掴み、蓑虫状の俺を持ち上げる。こんな使い方してたら、魔力がすぐにつきそうだ。
「…ただの新兵で、ジャンだ。…」
頭に電撃を流される。
「なぜ、新兵風情が王の手紙を持っている?」
「子供が、…いや、小人族の男が、それをエンリ商会に持っていけと渡された。王の手紙が入っているとは知らなかった。…ハァ、…ハァ。」
「なぜ、ノラスキーの事を知りたい?」
「………」
ニッコリ笑って口を動かさなかった。。
それだけは、答えられなかった。表情を崩さずにいれる自信がなかったから。
兄には、相手の好きなようにさせて、死んだ眼をしていれば、命までは取られないって言っていた。
だから、全てを吐いてしまえば、問題はなかったのだろう。でも、兄の事を知りたい理由を話せば、泣いてしまうだろう。
相手は、手紙を突きつけた。
王都に居る元第3騎士団予定隊員の仲間を引き上げさせろ。そうすれば、ジャンという男が遠征中の5年間は、討伐を行わない。との旨が書かれていた。
「お前は、王の何だ?」
驚きを悟らせないよう笑って目を細める。
「ハハッ、こっちが知りたい。王になんかあったこともない。」
討伐?って事は、寄せ集めの隊?
子供の言葉が頭をよぎる。
ー君のお兄さんの想い人と会いたくない?ー
ーエンリ商会を訪ねるといい。君のお兄さんについて聴けるだろう。ー
ー入隊しなきゃ、君は後悔するだろう。止められるものも止められず、家族を危険にさらすのだからー
ハハッ、あの子供、いい趣味してやがる。こうなることは予想済みかよ。兄の隊の隊員だったのだから、弟の僕が止めろって?そうすりゃ、元隊員見逃してやるって事か?止めなきゃ、家族どうなっても知らないよって事か?
フグッ…肋骨何本かいってるなぁ…。
血をペッと吐き出す。
「…こいつらが引かずに、仇討すれば、バレてるから返り討ち。だから、見も知らずの僕が止めろって?…これ、止められなきゃ、僕の家族が無事では済まないって?ッハ、ドンずまりじゃねぇの……。」
意識を手放した。
ジョエル「つーか、女って名前ぐらい出したらどうだい?」
え~?だって、名前出したら、齢40過ぎのオバさんのイメージしがっ
プルギャァァァァ……
ジョエル「さてと、まぁ、馬鹿なことをしかけたし、納得しなかった数名には手も下しちまったけどさ…。」
うおッ!!ジョエルさん暗黒面ですぎですよ。ここで、それダメっす。(・×・)です。
ジョエル「で、なんで名前出さなかったんだい?」
だから、最初出てきたとき考えてくださいよ。
この時はまだ××だったけど、今のイメージとちょっと違うじゃないさぁ。
ほら、芸能人が若い時に引退して、現在とか、ね?
名前出したらこの時のイメージが幻滅っていうさぁ。
クルス「ソフトにくるんでるように長々と…言ってる事は最初と変わりないから、後知らねぇぞ……。」
え……いや、ダッテ、ダッテ……
ピギャャャャャァァァァ……ァ……ァ……。