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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ジャン、全てを知る。3

僕はその日のうちに動いた。遠征は一週間後。それまでに、調べないと、5年はここへ戻ってこれないだろう。

エンリ商会、寄せ集めの隊がよく利用してたという。調べると、そのくらいは直ぐにわかった。

なら、確かに、兄さんも利用していたのかもしれない。

エンリ商会長に面会を申し込み、手紙を渡す。すると、そんなに待たされることなく、その日のうちにすんなりと会えた。

「待たせたかな?済まないね。」

「あ、いえ、お忙しい所、お時間を取らせて申し訳ありません。」

明らかに、便宜を図られた。

「で、手紙を読ませてもらった。君は何者かな?

相手はにこやかに聞いてくる。

「僕は、ジャンという王国騎士団の新兵にすぎません。あの、ここに来れば、ノラスキーのことを聞ける、とある方から伺いまして。」

こちらも、笑顔で応える。

「まったく、いつまで、その噂を引きずらねばならんのかね?」

相手の顔が一気に冷たくなる。

確かに、寄せ集めの隊がよく、うちに来たさ。だが、第一王子のお墨付きの者達だったから。第一王子があの時、あんな命令をして隣国と戦争を起こすなんて、誰がわかるかね?

それによって、この商会が長らく冷遇された。寄せ集めの隊がよく利用してた店だとね!!

君が、王の手紙を持ってきたから、すぐに、通したというのに。まったく!!出ていってくれ!

そうやって、すぐに追い出された。

王の手紙?あの紙の包の中には王の手紙が?

ますます、あの子供が只者じゃないのはわかった。

帰る途中、何者かがついて来ていた。

あの子供は、僕を利用したのかもしれない。手紙を渡すと殺される可能性が高かったから、あんな情報をペラペラ喋ってたのかも。

警戒を強め、早足に角を曲がった途端、足から沈み込み、バランスを崩し、立て直している所から、電撃と、強烈な頭への衝撃、手を挟み蹴りの衝撃を弱めても、かろうじて、襲撃者の一人の顔がうっすらと拝めただけだった。ゆっくり、意識とともに、地面に吸い込まれていった。



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