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雪女と少年  作者: 干からびた芋
126/163

ユウリside

なんか、やっと戦い入ったよ。うん。

ユウリ「来なくていいのに…。オークなんて…。」

マック「まぁ、そこは同意だな。来てなきゃ今頃、童貞捨てれてたかもなのにさ。お店も閉まっちまうし…。」

ユウリ「いや、どっちにしろ、それはムリじゃ…? 」

マック「ああ?そりゃ、先に童貞捨てたやつの余裕かあ!!」

ユウリ「…いや、チャゥチャゥ…」

おお、両手上げて首めっちゃ横に振って焦ってますな。いらぬツッコミは身を滅ぼす?

ユウリ「解説、助けて…」

ムリ!わたくしめがそんな間に入るなど自殺行為ですわ。アハハ。

ユウリ「うわっ!な、何あれ…。」

最初に見た感想は、それだった。なにしろ、ゴブリン達とは思えない容姿になっていたから。魔力で筋力増強してるのか、身体全体が膨らんでいて全体に血管が浮き上がり尖ってピンとたっている筈の小さな耳が、膨張したせいか、途中で折れ曲がり、眼も血走っている。体色も黒ずみ…まあ、気持ち悪くなっていて、見るに耐えない姿になっていた。

それがゾンビみたいにゾロゾロと大群で迫っているのだから。

ディアス「あれが、オークだ。力もかなり強くなってるが、あの辺は近づかずに遠くから攻撃すりゃ、問題ねぇから後ろに通せ。問題は、アッチの少し身体がでけぇのと、時々混ざってるエルフモドキ共が、知能もねぇくせに魔法放ってくるからな先に潰しておくんだ。」

そう言って、上空で待機していたディアス師匠が一気に下降して、剣閃で屠って戻って来る。

ディアス師匠が切り離しの実演をして、簡易の結界を貼り結界が壊されないようその場に留まって説明を続ける。事前に聞いていた通りだから、問題はなさそうだ。グループの人達も何体か結界で分離させて各個体撃破していく。

ユウリ「これ、結構魔力使いますよね。」

ディアス「だから、魔力の少ねぇ奴らには事前にある程度、魔石を渡してる。小さいのを多くな。悪ぃがここにいるユウリとマックには、こっちの判断で必要ねぇって判断して、一応の数しか渡してねぇ。」

ああ、だから少なかったんだ…。

マック「はあ?そこは公平にじゃねぇの?!」

ユウリ「ほら、俺らは強いから、信用されてんだよ。」

マック「まあな!当然だな。俺ら、じゃなくて俺がだけど。」

ユウリ「ハハハ…。」

カトリーヌ「なら、ウチらも、そんな必要ないけど?」

エレナ「か、カトリーヌ、切り崩すとき、私たち魔力結構使うから、こ、この人達と張り合うのダメ…。」

ディアス「鳥コンビは、アッチの隊長からの指示だ。何でも、魔力の使い方が派手でムラがあるから持たせとけって。」

ディアス師匠は、それだけ言うと、今度は向こう側の方へ風飛びで向かって剣閃で、オークを蹴散らして、戻って来る。

カトリーヌ「フン、あの駄隊長の、ね。なおさら、要らないわよ!」

エレナ「カトリーヌ!お、怒るよ。」

ディアス「どうでもいいが、マックと鳥コンビは、向こう側、な。あと、時々交代要員で、ケインとラーク、あ〜、見張りしてくれてたから、後からだけど来るから、しんどくなる前に声かけて交代してもらえ。」

それだけ言うと、また、前線に戻る。

カトリーヌ「フン、行くよ。」

エレナって人はカトリーヌの後について、向こうの切り崩しをしに行った。

マック「まあ、ぼちぼち行くか。」

ユウリ「そうだね。」

そう言って、それぞれの持ち場につき、強そうなの、魔法を使う奴を中心に屠っていった。

1日目は何事もなく、無事に終えてディアス師匠に任せて休む。ササメに会いに、救護所に会いに行って額にキスをする。ササメはこういう時、まだ顔を赤くして可愛らしい反応をしてくれる。

ササメは、ひと段落したら、休むからって、まだ仕事をしに行った。

2日目も特にこれと言ってはなく、卒なくこなしていく。もう、これ数が多いだけだろ。時々、元々強かった魔物も居るが、知性が失われている分、そんなに厄介になる事も今のところはない。ブレスをアチコチに吐き散らかされた時は焦ったけど、師匠も居るしね。

剣閃でブレスごと龍を切り裂いていた。

龍を切り裂くって相当だと思う。まあ、若干?かなり?師匠きつそうだったけど。魔石めっちゃ砕いてた。

確かに、疲れが溜まってくるかな。

魔力は使いっぱなしだし、集中力もかけてくる。

冒険者の方も、兵士達も、怪我が増え始めている。

死人がまだ出てないだけマッシかな。

ディアス「魔鳥の群れだ、厄介だから初めに焼き払っといてくれ。」

空に、黒が広がっていく。その中で黒い小さいのがチラチラ動いているのが僅かに視認できる。あの数が、こっちに来ると思うとゾッとする。

ユウリ「うわっ!あれ、こっち来たら風飛びでの分断に支障きたしますよ。」

ディアス「だから、頼んでるんだ。お前の方が適任だろ。広範囲攻撃は。」

ユウリ「わかりました。」

結界で行動を規制させながら、なるべく纏めてポンッて爆発させよう。

纏めてる最中も、何羽かすり抜け攻撃してくる。それは、予想していたので、身体に焔を纏っておいた。俺の体の近くに通り過ぎる鳥は炎がつき、そのまま燃え尽き地上に降り注ぐ。ある程度、纏まると、小まめに爆発させる。

でないと、出力調整が難しいからさ…。

そうして、何十回、何千回と繰り返し、やっと終わったと思うころ、切り崩しを担っているエレナさんとカトリーヌさんが大鬼に苦戦しているのが見えた。多分、周りをちゃんと見れていなかったのか、オークに脚を止められ、窮地に陥っている。

慌てて、その大鬼の巨大刀から、エレナさんを抱きかかえて、避難する。直ぐ横を刀が掠っていく。

風圧で空中に飛ばされたが、なんとか立て直す。エレナさんを直ぐに離すと、相対しているカトリーヌさんの援護に入る。炎はあまり効かない。素早く動き、大鬼の懐に入り込み目にナイフを差し込むと、内部から一気に燃やした。

ユウリ「はぁ、はぁ、…」

魔力の使い過ぎで息が上がる。

大鬼の死骸の上から肩膝を立て直して立ち上がる。

魔鳥の処理だけでも、結構、魔力を使ってて、周り見る余裕なかったし、やっているうちに、だいぶディアス師匠のとこから離れてしまっていた。

まあ、だからエレナさん達の援護に入れたのだけど。

雑魚(ザコ)を屠りながら、息を整え、状況を確認する。

ディアス師匠は、天馬と相対していたし、マックはその近くで巨木と、エルフを抑えていた。とりあえず、

こっちは、問題なさそうだ。冒険者達の方を先に援護する。

切り崩しが乱れたせいで、冒険者達の方にかなりの数が流れてしまったから。

向こうは、知らない男2人、強そうなのが、援護に入ってくれている。たぶん、交代要員のケインさんとラークさんだろか。

エレナさんとカトリーヌさんは、また、切り崩しに戻ってくれている。

なんとか、立て直せそうだな。そうしているうちに、マックが戻ってきた。

マック「悪ぃ、持ち場離れちまった。」

ユウリ「いや、こちらこそ、ありがとな。魔鳥の処理に手間取ってたから、助かった。」

そう、一言交わして、お互い元の範囲に戻ると、ディアス師匠に、休憩して来るように言われた。

ユウリ「えっ、でも師匠の方が疲れてんじゃ?」

ディアス「誰かが、先に休憩しねぇと、交代出来ねぇだろ。こっちは、ケインとラークも来たし、向こうもどっちか休憩してもらうから。」

ユウリ「わかりました。じゃあ、頼みます。」

そう言って、魔力を残ってる分を師匠の肩に手を乗せて注ぐと、その場を離れた。

ササメの顔が見たくて、街へ急ぐ。

ああ、けど、こういう輩ってこういう時にも来るんだな。…暗殺者っての?気配バレてる時点でまだ、この状況でも、対処できる奴らだけど。

つーか、オーク屠ってくれよな…。

そう思いつつ、処理をしてその場から離れると、後ろから、声が掛かる。

「あの、…さっきは…ありがとうございます。」

ユウリ「ああ、エレナさん?いや、こっちも、こういうのはお互い様だし。」

正直、戦力が減るのは勘弁だしな、って考えていた。

なので、少し反応が遅れた。

顔がすぐ側にきていた。思わず手で防いだけど。

まぁ、ほっぺにしようとしてたみたいだけど、こんなところ見られて勘違いされるのは嫌だった。

ユウリ「ごめん、感謝のつもりだろうけど、大事な奴に勘違いされたくないから。」

ササメは何処に居るだろう?ってそう思って、感知した時、ここから、離れて行ってるのがわかった。慌てて後を追いかける。見られた?さっきの。それに、魔力が乱れてるのも気になる。気持ちばかりが焦る。魔力切れであまり、スピードも出なくて。



めっちゃ、シリアス?

ユウリ「こんな、シリアス場面いらない!!」

マック「よお!色男。ずいぶんおもてになるようで…。」

ユウリ「いや、これそそういうんじゃないから!感謝の気持ちってやつだから!」

それは、どうかな?本人さん?

エレナ「…告ろうと、思ってたけど、その前に振られた…。」

ユウリ「えっ!いや、その(くだり)、今いる?」

マック「ほお!女1人泣かせといて、ごまかす気だな?」

おお、拳が握られてますな。ゴキゴキと、準備ばんたん?

ユウリ「へ?いや、あの、ま、マック?俺ら、友達だよな?」

おっと、ジリジリ下がらせませんよ。

マック「さぁな?女泣かせるような奴が友達だったかなあ?」

ユウリ「か、解説、裏切ったな?」

いやいや、元々、味方じゃないからね(笑)。

ユウリ「い、いやいや、マック!ストップ!ストォーっプ!!待ってぇぇぇ………。」

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