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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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昔話

ある世界に、2人の女神様がおりました。

その女神様たちは、小さな箱庭を作ろうとしました。2人は協力して朝と夜を、空と海を、山や平地を、風、雨、雷等と様々なものを付け加え、それを眺めておりました。

やがて、そこに、変化が起きました。初めは目につかない小さな変化でした。その箱庭に2人の女神様が創った覚えのない生き物が少しずつ増えていったのです。最初は、小さな植物でした。その内、数が増えてくると、自分達の体内にあるエネルギーを奪い合う様になりました。やがて、その生き物を観察していた女神様たちは、その生き物達を気に入り、眺めておりました。

生き物達は、寿命を迎えるとエネルギーが全て霧散して無くなってしまいます。

それを悲しく思った女神様達は、このエネルギーを別の器に移し替え、休ませて、また、巡れるようにしようと考えました。

一人の女神様が自分の姿に似た器と入れ物を作り出しました。そして、そこにエネルギーを綴じ込める魔核を据えました。そして、その生き物まがいの器を管理する事にしました。

もう一人の女神様が、生き物達を管理し、エネルギーを運ぶ事をする事にしました。生き物達は、やがて、器と同じような姿好んで真似ていき、器の方は生き物達の姿に真似ていく様になりました。

やがて、生き物達は、当初の器とそっくりな生き物ばかりになると、器、以前の自分達の姿に真似た器達を排除し始めました。

女神様達は、協力して止めさせようとしましたが、とまりません。やがて、女神様達まで喧嘩を始めました。

一人の女神様は、自然発生した生き物達が大好きでした。その生き物達が、紛い物を恐るのは仕方がないのかもしれない、と考えたのです。

もう一人の女神様が、怒りました。器たちの中身は彼らなのに、彼らのエネルギーが再び巡って、ここまで生き物が溢れたのに、それを否定するのか、と。

魔核を創り出した女神様は、その器たちをとても大切に思っていました。エネルギーがすり減らないよう、優しく休ませている間、色んな姿を楽しませてくれたからです。だから、その器たちが、排除されるのは許せませんでした。その怒りの、悲しみの、憎しみのエネルギーは、魔核に絡みつきました。そのエネルギーは女神の作り出した魔核にとても馴染みやすかったのです。そのエネルギーが絡みついた器たちは、とても強くなりましたが、女神様の強い思念により、元のエネルギーの意思は塗りつぶされてしまいました。

悲しくなった、もう一人の女神様は、生き物達を護るために、そして、器たちの意思を護るためにもう一人の女神様を生き物達と力をあわせて封印することにしました。

生き物達は、自分達を人と呼び、封印した女神様を邪神と呼び、そして器たちを魔物と呼び出しました。

そして、女神様がいくら人に呼びかけて、間違いを正そうとしても、人は聞く耳を持ちませんでした。

そうして、封印された女神様の怒りは収まらず、その負のエネルギーは自分を信仰する器たちを度々狂わせる事になったのです。

原初の器の姿に近いエルフは、この女神様を信仰する事を辞めました。他の器たちも。しかし、義理堅いゴブリン達は、信仰し続けているのです。






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