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雪女と少年  作者: 干からびた芋
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ユウリside

ユウリが怖がりな件について。

ササメ「うん?なんで?ユウリは怖がりじゃないよ。」

まぁ、ササメちゃんは、置いといて。

ユウリ「俺は、怖がりじゃないよ。その証拠に、他の冒険者達見てみろよ。」

ササメ「ああ…ゲロと下からのと魔法で処理出来たから良かったけど。」

ん?描写ないですやん!

ユウリ「俺がそんだけ周り見る余裕が無かったな。」コソッ

あ〜、ですよね、片手だけ身体強化少し使ってましたもんね。

ユウリ「!それは、しー。」

ちょっと、ユウリ耳引っ張らんの!痛いっつーの!

ササメ「ん?ユウリは余裕で座って外見てたよ?」

首傾げて、この子はもう。

ああ、うん、もう、それでいいや。どうせ、ササメフィルターかかってるしね…。

朝から、馬車に揺られる?自然に出る欠伸も引っ込んだ。

結局、ササメを連れてきてしまった。馬の世話を他の人にお願いする時にも、ササメに何度も確認した。どうしても、ついて来るのか。でも、答えは変わらなかった。現地で、後ろの方で大人しくしてもらっておくしかないか。今は危機感もなく、ササメはちょっと怠そうにしながらも、まだ、周りの景色を見る余裕があるようだった。ある意味、すごい。何がって?

この馬車は、魔巨走鳥と言う強靭な脚を持った灰色の大きな図体と大きな頭の、とても賢い鳥が2頭で引いている。そこまではいい。

馬よりかなり速い。

俺やササメが本気で風飛びするのと同じか、それより速いくらい。

だから、景色は、前から後ろへすぐに消えていく。馬車本体に描かれた魔法陣により、衝撃や揺れ、風は吸収されているはずなのに、それでも すごく跳ねて?いや、飛んで?とりあえず、わずかに浮いている状態で上下に揺られていた。多分、今の状態なら、車輪要らないよね。中でシェイクされてないのが不思議なくらい。

もしかしたら、それを防ぐ効果も魔法陣に有るのかもしれない。

御者は驚いていないが、集められた冒険者は無言で、座って顔が青ざめている者が多い。

俺も、正直自分が魔力を纏っている状態ならともかく、この状態で投げ出される事を考えると怖いぐらい。

だから、必死に馬車の1部 にしがみついていた。

もちろん、余裕ぶって。片手に力を入れて必死になっているのを悟られないようにしながら。

ササメが楽しんでいるのに、俺がしがみついてたら、かっこ悪すぎだろ。

何?これ!こんなのあったんだね。さすが国境付近ってところだろうか…?

緊急時特別輸送馬車だとさ。

ササメ「すごい、こんなに速く走れる魔物が居るのも、それを御して利用してるのも。ねぇ!ユウリ!この魔法陣で、馬車本体が上下逆になったりせずに済むよう工夫もされてるの!」

ユウリ「うん。じゃないと、危ないだろなって考えてたよ!ハハハ…」

ササメ「ユウリ?もしかして、乗り物酔い?しんどい?」

ユウリ「!いやぁ?ただ、この速さに驚いているだけさ。別に、大丈夫だよ。ハ、ハハ。」

ササメ「そう?なら良いんだけど…。」

魔力を使おうとするササメを押し止め、手に逆に流し込む事で、大丈夫アピールをしながら。

ササメは、また、景色を楽しんでいた。

夜は…この上下に揺れる馬車は夜通し走る。携帯食を食しながら、他の冒険者を見ると、食べる余裕もないのか、ずっと、同じ姿勢で馬車の掴めるところにしがみつき、手を離そうともしない。携帯食も食べずに手がずっと痙攣している。

無理もない。俺が、もし、自分がこのスピードで移動できないなら、こんな乗り物に乗ってたら、 気が気じゃねぇからな。

投げ出されても何とかなるだろ?って思ってても、怖いからな。

ササメ「大丈夫ですか?」

ササメは、馬車の中の冒険者達に声をかけ、強ばってゆうことの効かなくなっているであろう腕に魔力を流して、回復させたり、水や、食料を口に運んだりしている。

それから、魔法陣の効果も言い聞かせ、いかに安全かアピールもして安心させていた。余り効果はなかったけど。何しろ、現在進行形で上下に揺られているのだから。この妙な浮遊感。慣れるもんじゃない。

いや、悟りを開いている人も数名。両手を馬車から離し、もそもそと、携帯食を食しながら、もうにでもなれ、って感じで目が死んでいる。

多分、俺もこっち側だろうか。

これ、寝れる奴居るのかね?ササメは普通に寝れそうだけど。って、御者!お前が寝るなー!!!

えっ?魔物に任せときゃ後は着く?!大丈夫だよ!?

いや、そうかもしれんが、納得いかんだろ!!これ!!

そこの、気絶している奴、ある意味幸せだな。ハハッ

ササメ「ユウリ、寝よう。昼頃には着くって。お休み。」

そう言って、額にキスしてきてサッサと寝てしまう。

俺の気持ちも、馬車と同じようにフヨフヨと浮遊して、馬車の浮遊感など気にならなくなってしまったのだった。


ササメ「楽しーィィィィィ!!これも、あとチョットで終わるのね。」

楽しかったんだ。

ササメ「うん。だって、こんな乗り物多分乗れないよね?あとで、大きな灰色鳥さんも触ってみたい。」

子供って、速いもんとか、生き物が大好きだよね。

ササメ「べ、別に、生き物とか、速いからとかで楽しかったんじゃないもん。」

目が泳いでるよ。それに、大人ブルには無理ありすぎだし、諦めなよ。

ササメ「か、か、解説のバカぁぁぁぁぁあ!!!」

おお、何もせずに走って言った。珍しい。

ユウリ「うん?なんで解説がササメちゃんいじめてるかなぁ?」

ウオォォォォォ!!アイアンクロー!やめて、頭われるぅぅゥう!!

ユウリのあほぉ!ばがぁぁぁぁああ!!(泣)

ユウリ「チッ、解説が幼児化したよ…。うっとおしい…。」


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