ユウリside
えっ、何か、また暗くなってないっすか?
ササメ「ユウリが怒りっぱなしだから…。」
そこはかとなく、嬉しそうだな、おい!
ササメ「わ、悪いなぁって思ってる、ユウリに。でも、今のユウリの頭の中は私の事でいっぱいでしょ?」
わぁー、心配させといて、喜ぶとか…ナイワ〜。
ササメ「う''ぅ…。ごめんなさぁぁぁぁい!!」
いってらっしゃ〜い!(笑)
ユウリ「うわぁ…。解説、ないわぁ。マジで。」
ん~?普段、酷い目に遭ってるから偶にはねー。役得?
ユウリ「いや、俺に聞くなよ。知らねぇよ…。」
ノライトス地方に入って最初の町で、宿をとり、部屋でササメを休ませていた。
俺は、少し苛ついていた。町に入るとき、ササメは、聖印のブレスレットを強制的につけさせられた。A級以上の魔物は、たとえ使い魔でも、これを着けないと入れない決まりだって言われたのだ。
国境付近の強い魔物がたまに、町に単独で来る事もあり、無駄な争いごとを避けるため、町に入ってもいい事になっているらしい。ただし、入るには、これを着けるように取り決めされているのだとか。
強さに応じて、ブレスレットが魔力を封印するのだとか。
それはいい。でも、ササメはブレスレットを付けられた途端に、倒れた。倒れたんだ!もちろん、すぐ傍に居たから、倒れ込まないように支えて、椅子に座らせた。俺は、門番に詰め寄ったさ!威力が強すぎんじゃないのか?!壊れてんじゃねぇの?!って。でも、壊れてないって。
ササメはすぐに意識が戻ったようで、俺に落ち着くように宥めた。色が悪いまま無理に笑って、少し魔力を封印されて驚いただけだから、だから大丈夫って。
弱々しく服を掴まれ、それ以上は言えずに、その場を離れた。
俺はササメを抱き抱え、町を早歩きした。
ササメは、マシになったから歩くと言ったけど、俺は宿についてベッドに着くまでササメを降ろさなかった。ベッドに降ろして深くキスをすると同時に、魔力を多く流し込む。
部屋に強い結界を重ねて張り、しっかり寝てるように言いつけ、すぐに冒険者ギルドに向かう。
さっさと、ディアス師匠が何処にいるか掴んで、この町を離れないと。
そうして、ギルドに着いたら着いたで、強制依頼が発令されていたのだった。
国境での魔物の相変異とそれによる暴走。隣の国の要塞都市が潰れた。どちらに来るか判らないため、強制待機。
この町から、要塞都市に一番近い国境付近の街に行くことになった。そこで警戒体制を敷くために、冒険者を集めているのだとか。
それは、まだいい!だけど、ササメのブレスレットを取れないってどういう事だよ!?手続きが停止されているため、そのままその街まで移動するとか!せめて、その街に着くまで外させろよ!
そういう思いを飲み込み、手を強く握り込んでいた。街に居合わせたA級以上の魔物にも、ブレスレットで強制依頼になっているとか。
ブレスレットを外すには、国境付近の警戒体制が解かれることが条件になっている。
警戒体制を敷いている理由の解決の為に手伝う誓約書にサインをすれば、一時的に、ブレスレットの効果を緩和する処置が取られるらしい。
つまり、知能の高い強い魔物も、国境を守るための駒として、初めから組み込まれている、ということだ。
納得づくで、遊びに来ているA級以上の知的魔物など、どーでもいい。でも、ササメが巻き込まれた事に腹が立つ。
誓約書だって、ササメに負担のかかるものだ。一時的に、ブレスレットの効果が薄まるから、といって、今の状態からまた、ササメに負荷をかけるなんて到底許容できない。
それに、あんな状態で戦わせるだって?冗談じゃない!!
俺はSランカーだし、こういうのがあるのは仕方ないさ。でも、ササメを巻き込んでしまったこと、こういう仕組みになっていることに気付けなかった自分が許せなかった。
つーか、ディアスさん出てくる気あるのか?
ディアス「案外あっさり出てくるもんよ。」
ふーん。そんなもん?
ディアス「ああ、そんなもん。そんなもん。」
って、なんであんさん、出てんのさ。
ディアス「いやぁ、名前がちょくちょく出てんのに中々出されんから、ちょいとな。」
本編出てから出てこいよ。
ディアス「いいじゃねえか、ちょっとぐらい。硬いことゆーなよ。生娘じゃあるまいし。」
…発言がオッサン過ぎんだけど…、確かそこそこ若くなかったか?
ユウリ「中身オッサンなのは前からだから…。師匠に幻想抱いちゃダメ!」コソッ
ディアス「ほほぉ?言うようになったじゃねぇか。解説の後ろに隠れてコソコソと。」
ユウリ「ひぃ…。あ、あ、あの師匠?お久しぶりですぅぅ…………。」ズルズル
おお、連行。修行頑張って(笑)
なんで見つからんと思ったんだか…。
いってらっしゃい~(笑)。