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雪女と少年  作者: 干からびた芋
107/163

リチアside

ユウリ「リチアさん、よく急所の近くの鱗なんて剥ぎ取りましたね。痛かったんじゃないですか?」

おや、リチアさん、首を横に振ってるよ?

リチア「剥ぎ取ってない。乳歯みたいなものなの。早く抜けると、早く生えてくる。」

ユウリ「ええっ?じゃあ、勝手に時期がきたら、抜け落ちる?」

リチア「うん。後から、生えてくる鱗の方が強いから、物語の中ではリスクを犯して抜いてたけど、普通の龍は生え変わるのを待つ。」

ユウリ「…ササメちゃん、それ知らないんじゃ…?」

っぽいね。でも、ユウリ、ササメちゃんの思い込み壊せる?

ユウリ「う''、そう言われると…。」

リチア「勝手に抜け落ちた鱗は、生え変わった鱗が落ないように、願掛けして、地面に埋めることが多い。」

ユウリ「人間の乳歯みたいな風習まで…。乳歯は屋根の上だけど…。」

リチアさんは埋めなかったんだね?

リチア「埋めるの忘れて、そのままだったから。リリックの魔除け作るときに思い出して、ちょうど、いいやって思ったの。(…それに、信用できる人物だと思えたから…。)」

おや、(小声)が聴こえなかったけど。

ユウリ「頬染めて、ノロケっぽいよ?解説さん。」

ワタクシには春はコナイノデショウカ…?

ユウリ「…知らないよ…。…泣くなよ…。」






お湯を沸かして、待ってた。

リリックに会えたから、またのんびりお話したかったのに…。雪女さんの変なスイッチが入っちゃったみたいで、長引きそうだな…。

まぁ、来ることがわかってるから安心して待つ事ができる。小屋の前に椅子をだし、座って日向ぼっこをしながら、本を読む。

そうして、時間を潰していると、リリックがヨタヨタと怪我と汚れでひどい見た目で現れる。けれど、ちゃんと、雪女さんが、魔法で怪我を治して汚れも落としてくれた。私はリリックに近づく。

リリック「すまない。リチアが龍だと知らなかったとはいえ、攻撃をしてしまった。ましてや、龍玉(こんなタイセツなもの)を渡してもらっていながら、本当に。どうか、許してくれ。」

そう言って、頭を地面に擦りつけて、土下座をして謝るリリック。

困惑した。私は、ただ、またリリックとお話して過ごしたいと思っただけで、リリックに対して怒ってなかったから。むしろ、せっかく綺麗になったのに、また、服や顔を汚してしまう。そっちの方が気になって。

リチア「私は、怒ってない。どうか、顔をあげて。」

そう言って、手をだし立ち上がらせる。

リチア「私は、困惑したのと、会ってもらえなくなるんじゃないかって淋しく思っただけなの。だから、これからも、会って、お話してくれる?」

リリック「いいのか?俺は、お前を攻撃したのに…。」

リリックの問いかけに、頷くと、リリックは再び謝った。むしろ、来なくなる方が嫌だった。お話出来なくなるのも。リリックは泣きながら、私を抱きしめた。

雪女(ササメ)さんと冒険者(ユウリ)さんは、そっと寄り添いながら、見守ってくれていた。



ササメ「良かった。仲直りできたみたいで。」

ユウリ「ほんとにそうだね。」

くぅ!目の前でいちゃつくんじゃねぇ!

ササメ「…いちゃついてるの、私達だけじゃないし…。」

リチア「ん?リリックと、一緒に居るといちゃついてることになる?」

ユウリ「恋人同士、一緒に居るなら、一般的にそうだね。」

リチア「ん?恋人?」

リチアさんはポカーンとしている。

えっ?違うの?

ササメ・ユウリ「「うん?」恋人でしょ?」

リチアさん?

リチア「ええっ!?」




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