ユウリside
ところで、リリックさんの誤解はとけた?
ササメ「これから、じっくり、ね?ちゃんと理解させますので、大丈夫ですよ。」
あはは、怖っ!!
ユウリ「まぁまぁ、おてやわらかに。ね?ササメちゃん。リリックさんすごく引いてるから。」
ユウリも、内心すごく引いてるでしょ?あはは…。
ササメ「ん?なに?人ごとみたいに言ってるけど、あれがわからないなら、ユウリも同じ穴のムジナだからね?」
リリックさんの首からかけられた丸い玉?たぶんユウリわかってないねー!ニッコリ笑ってブリザード!!後ろ背負ってるササメちゃん。
ユウリ「え?…さ、ササメちゃん?」
怖怖。今のうちに、退散、たいさん。
何故か、俺まで正座させられている。
かれこれ、1時間はたったのではなかろうか。
思いっきり、龍玉のお話、ササメちゃん曰く、童話らしいが、ガッツリ聴かされている。この長さから言っても、恋愛譚とか小説であって、童話ではない気がする。さすがに、足は痺れてくるのだが、崩すことは許されない。
元はと言えば俺たちが、龍玉を知らないってことから、連帯で説教されるハメに…。泣くぞ?男が泣いて誰得だよ!って突っ込み入りそうだけどさぁ。
リリックさんが刀を添えられ固まった後、その後の2人揃った「え?」がまずかったらしい。
ササメちゃんは、「二人とも、知らないの?」すごく、ニッコリしてるのに、刀は持ったまま。手のひらを刀の峰でトントンしだし、「2人とも、ちょっと、そこになおろうか。」と、地面に正座させられ、「リリックさん、リチアさんは龍なのですよ?そして、あなたがどれだけ酷いことしたのか、ユウリも、よく理解してなかったみたいだし、一緒にちゃんと、理解してくださいね?」
と、始まり、今にいたる。リチアさんは、というと、説教が始まる前に、止めようとしてくれたのだが、「大丈夫ですよ。しっかり、理解させますので、終わった時に、彼らがあったかい飲み物が飲めるように、さっきの小屋で待っててください。」と、飲み物の手配をさせて追い払われた。
と、いうか、たぶん止めることが不可能だと悟り、逃げたっぽい。「あ〜、リリックも、そっちの冒険者さんも、頑張って…。」と遠い目をしながら、去っていった。
さすがに、熱遮断の結界と、火をつけて温めることぐらいは許されたけど。
そうこうして脚が痺れを切らす頃、やっとこさ、クライマックスで、人が龍に追い詰められ、別の場所で、龍が人の軍団に追い詰められ、共に死の淵に立たされたとこまで、話が進んでいる。
いや、話自体は面白いんだけど、この話終わっても、まだ説教が続くよね?
話の中で、龍玉がどういうものなのか、また、どれほどの信頼をしていないと渡せないのかは理解出来たけど…。脚、これマジでキツイ。もう、痛み通り越して、痛みがなくなってきた。
ユウリ「つまり、龍玉を渡す事は、ササメちゃんが俺を信頼してくれてるぐらい信用してくれてるって事だよね?」
ササメ「そう!なのに、相当ひどいでしょ?」
…ササメちゃんの俺に対する仕打ちも、相当ひどいと思うが、突っ込むと説教が長引くだろう。
リリックさんの方はと言うと、話が進むにつれて、「俺は、そんなに信頼を依せてくれているリチアに、攻撃を…。なんてことを…。」とワナワナ泣きだし、説教が終わると、直ぐに立ち上がり、小屋に向かおうとしたのだろう。しかし、脚が痺れていて、ベシャと顔を強かに打ち付け鼻血をだし、また、立ち上がろうとフラフラする脚で頑張っていた。小屋までつくと、さすがにササメちゃんが怪我もろともに、治してくれてたが。
そして、小奇麗な状態で小屋の中に入り、リリックさんはリチアさんに謝っていた。
リチア「…雪女ってミーハーな上に、怒りっぽいのね…。」
いやいやいや、ササメちゃんは、普通の雪女じゃないから。人間社会に馴染み過ぎ!?いや、その前に集落、飛び出してるから、元々?ちょっと?変わり者ですな~。
リチア「そうなんだ。まぁ、たしかに、雪女ってもっとおっとりしたイメージだものね。」
そういうリチアさんこそ、集落にいないから、変わり者?
リチア「どうだろう?あ、でも、集落に居ると、若い奴等に挑まれたりして鬱陶しいから逃げては来たけど。」
ああ、龍ってそんな感じなんだ…。
リチア「若いのは、空間魔法で隔離してしょっちゅう落ち着くまで戦いさせてるから。」
戦闘狂なんですね…。
リチア「千年過ぎれば落ち着くよ。そういう奴多いから。」
うん、リチアさんは、逆におっとりし過ぎだ。たぶん(笑)