冒険者ギルドにて
ササメ「もし、私の本来の姿が雪ダルマみたいなのだったらどうする?」
ユウリ 「でも、人型の時は、ササメちゃんになるんだよね?もちろん、中身もそのままで、だろ?」
ササメ「うん。」
ユウリ「だったら、問題ないよ。そもそも、生きてきた年月も違うしね。」
ササメ「そっか。よかった。」
でも、山姥みたいな見た目になったら?
ユウリ「…そりゃあ、誰でも嫌だろ…」
ササメ「か、解説のイジワル!!」
目の前で、オデコにキスしていちゃついてるからさ~。
ん?パカパカ音が?
ユウリ「フフフ…さぁ、思いっきり走っといで!アイツ、いくらでも蹴っていいぞ~」ニッコリ。
ぎゃぁぁぁあ!!なんで、馬連れてきてんだ!ユウリのバッキャロー!!!
ユウリは龍の事情を説明し、リリックさん?とあってお話の場を設けることが出来れば、この依頼を受けたいと申し出た。
ユウリ「…という訳で、リリックさん?とお話できればと思ったのですけど、可能ですか?」
というか、リリックさんを説得しないとこの依頼の達成はできない。リリックという冒険者の情報を開示してもらわないことには、始まらない。
ロイド「…何と言うか、マジかぁ…。もぅ、町の危機だとめっちゃ焦ったぞ。…とりあえず、リリックと連絡するか。」
ロイドさんは手を額にあて、ハハッと笑いそう言った。
ユウリ「いやぁ、俺も龍はさすがに討伐無理ですから、よかったですよ。」
こっちも、内心ほっとしていた。
ロイド「しっかし、あんた、こういう場合は、あらかじめ依頼を受ける事にしてから、取引と事情説明しねぇと、下手したら、契約前だから報酬減らされるぞ?」
ロイドさんは、忠告してくれた。いい人だ。
ユウリ「ああ、やっぱり?進め方が難しいと思いまして。討伐出来る対象なら、受けてから取引も考えたんですけど。」
その辺も、勉強しないとなぁ…。そう考えていると、廊下が騒がしくなる。ナリス嬢の「お待ち下さい!!今は、客人が…」の制止の声に被せるような怒鳴り声。「緊急事態なんだ!ロイド!!」
ガタン!!
ドアが勢いよく開く。
「リリックが居なくなった!アイツまだ、竜倒すとか言ってゆうこと聞かなかったから、下手したら、また、竜のとこ行ったかも!!」
ユウリ「ロイドさん。とりあえず、すぐに出ます。」
ユウリはロイドさんと視線を合わせてから、頷くのを確認する。それからドアに向かう。
ロイド「ああ、頼む。…それから、ダン!お前は、説教な!」
ダン「いや、それより、リリック!」
その声を背後に、防音結界を抜け、ギルドを出る。急いでササメと合流し、探索をすぐにかけてもらう。
ササメ「ん、とりあえず、リチアさんは向こうの森の方だし、攻撃されたらリチアさんかわいそう。」
ユウリ「うん。急ごう!」
リチア「…あの冒険者さん、ちゃんとリリック連れてきてくれるのかな?なんか、頼りないし。」
あれ、リチアさん、結構辛口?
リチア「いや、実力は、私から見てもあると思うよ?いい人だとも、思う。けど、交渉事とか粘り強さとかなさそう。」
つまり、ノータリンだと?
リチア「う''…。そこまで言ってないけど…。素 直過ぎて…。ふつう強い人って一癖もふた癖もあるから、こういう時、結構ふんだくってきたり、鱗くれって言ってきたりするもんなのに…。」
ササメ「リチアさんって苦労してきたんだね…。」
ササメちゃんが涙ぐんでリチア さんの手を握ってるよ…。
リチア「へ、え?いや、それ、ふつうだから? 」
ササメ「大丈夫!必ず、なんとかするから!だから、リリックさんと仲直り、頑張ろう?」
リチア「あ、ありがとう。」