彼女(リチア)の事情
ユウリ「リリック呼んでこいって言われても、そもそもリリック知らないしね…。」
ササメ「そこは、詳しく聞かないと、どう仕様もないよね。」
ってか、龍の名前さえ、まだ出てきてないよ~?
「あっ、私はリチアって言います。よろしくお願いしますね?」
えー、軽いです。なんかノリが…。手をシュバッて上にあげて自己紹介とか…。
「今回は、私がメインですよね~。色々あったんで、もぉ~、聞いてくださいよ!!もう、彼がね、…」
なんか、長そうなので、コソっと逃げますか…?
ユウリ、ササメ「…(サンセイ)…」
「ああ!!ちょ、ちょっと、どうしてみんな遠ざかってるの!!!もぉ~!!聴いてよ~!!」
私は、どうすればいい?どうして、彼から攻撃されたのかもわからない。
彼と出会ったのは、この先の森の中。
威圧を消して居たからか、ゴブリンが寄ってきていた。襲われれば、軽く捻ってやれば事が済む。そう思ってそのまま、前に進もうとした時、横から、飛びたして来たのだ。居るな〜って思ってたけど、人間とは思わなかった。
彼はゴブリンを2・3匹苦労しながら脚を切りつけ、私の方に来ると、私の手をとり、走り出した。良く分からないが、人間が私に恐れもなく手を取るなど珍しかったから、普通について行った。
彼は、息を切らして途中から歩きはじめる。息がある程度、落ち着いたのか、彼は話始めた。
「君、大丈夫?どうしてこんな森の中に武器も持たずに居たの?」
「私は、ここに住んでるから。」
「ここに?…悪い事は言わないから、町に住んだ方がいい。ここより安全だよ。」
彼は、冒険者っていう人達なんだと思う。でも、彼みたいに弱い人は、来なかった。
「あなたこそ、ここの森は、まだ早いと思う。そのレベルでこの山の麓の森に来る冒険者は少ない。」
だから、そう返した。
「ハハッ、君のような子に、そう言われるとキツいもんがあるな。…そうか、この森に慣れてるのか。」彼は、それからは、町に住めとは言わなかった。
そもそも、町には住めないのだが。
それから、彼はちょくちょくというか、毎日この森に訪れるようになった。彼が近づいて来ると、ある程度の魔物を排除するようにした。彼が怪我したら、訪ねてこれなくなる。小さな山小屋に招待して、お茶を飲み、話して帰っていく。もちろん、彼は薬草を採取して、帰って行ったけど。
そうして、過ごして5年ほど、たった頃、彼は質素な指輪を持って来たのだ。
「もし、良かったら、俺と一緒に町に来てくれないか。」
彼は、「稼ぎは少ないし、腕は強くない。俺と一緒にいれば、苦労がたえないかもしれない。それでも良かったら、俺と一緒にいてくれないか?」そう言ったのだ。
使い魔契約でもするのだろうか?そうすれば、一緒に居られる。彼に必要とされた事も、私は、嬉しかった。でも、彼は、私の本来の姿を恐れないだろうか?この姿の時しか会ったことがなかった。私が龍なのは知っているだろうけれど…。だから、私は
「ねぇ、お願いだから、怖がらないでついて来てくれる?」
そう言って、元の姿に戻れるくらい広い場所に出た。そして、彼に離れていてもらった。
そうして、元の姿に戻ると、しばらく、彼は呆然としていた。
そして、何故か彼は怒って涙を流しながら、攻撃してきたのだ。
「どうして!!リチアを返せ!!」
そう言って、怒鳴りながら。
意味がわからなかった。痛くはなくてもビックリしたし、動くとリリックが、小さいし纏わりついているので危なかった。そのうち、違う冒険者が慌ててリリックを怒鳴りながら引っ張って行った。
それから、リリックは小屋に、いや、森に来なくなった。1日、2日は我慢できた。でも悲しかったし、寂しくなった。今までは、平気だったのに。ずっと、此処に一人でいたのに。
3日目から、町の通り道近くを、居場所がわかるように、威圧を出して彷徨いたりした。だけど、そちらにもリリックが来ることはなかった。
そうして、リリックと会えなくなって、6日が過ぎた頃、強い冒険者が、使い魔を連れて私に会いに来たのだった。
ササメ「えっと、完全な勘違いデスヨネ?」
ユウリ「でも、5年も一緒に色々してたのに、気づかないとか、あるのかな?瞳と髪の色が同じなんだし、変身しても気づきそうなものじゃ…?」
…いや、それ、あんたたちに言われたくないと思うよ?そもそも、ユウリもリリックと同じ立場なら、同じことしてた可能性なきにしもあらず、だとワタクシ思いますよ…。
ユウリ 「…えっと、解説さん?」
リチア「んん?か、勘違いって、どういう事?リリックが怒った理由わかったの?」
おお、ぐいっと近づいてますなぁ…。
ササメ「ゆ、ユウリに詰め寄らないで!近い!!」
ササメちゃん、ササメちゃん、ユウリのほっぺにグー挿さってるから、押して、リチアさんから離してるのは判るけど、
リチア「あ、ごめん。でも大丈夫!コイツには興味まったくないから!」
うわぁ!指さして、結構容赦ねぇぇぇえ!!!
そして、何事もなかったかのように語るユウリ。
ユウリ「たぶん、だけどね。とりあえず、誤解が解けるように、話し合い出来るといいんだけどなぁ?」
ユウリ、ササメのそのほっぺのグー痛くない?それに、ビミョ~に精神的ダメージもくらってますな…。
ユウリ「…わかる?ササメちゃん一筋ダケド、まったく興味ないから!って人から言われるのは、ちょっとキツいかもね…。」
男性としての魅力ないって言われた気がするもんね…。あー…ドンマイ?(笑)
ユウリ「あー!!!ムカツク!!」