とりあえず、ギルドであった事。
ユウリがギルドでしてた事だね。
ユウリ「うん。どんな依頼か、気になるだろ?」
ササメ「下調べが必要なぐらいだもんね。ダンジョンとか、普通の依頼なら、本見て終わりだし。」
ユウリ「うん。今回は、そんなわけにもいかないから。そう言えば、今回は、路地裏とか、図書館、良かったの?」
あ、それいっちゃダメ!!
ササメ「…だって、此処にある本、すでに読んだ事ある本ばかりだし、裏路地は前回の事で、少し思う事があったし……。」
ユウリ「…ごめん…。」
ササメ「あ、ごめん。でもこの町、けが人が蹲ってるなんてなかったよ!」
ユウリ「…うん。いい町みたいだね。」
ササメ「うん。港町に近くて、南から入る果物も買ったし、開拓村思い出すくらいには、いい人ばかりだし。ほら。今の時期なのに、いっぱい。」
机の上に果物沢山。ああ、おまけしてくれたんだ。(…日持ちしねぇけど、ユウリ、ガンバ!)
ユウリ「うん。良かった。ありがとう。ササメちちゃん。(食べれる分だけ食べたら良いんだよ。後は、こっそり、誰かにやるか、捨てるさ…)」
ササメ「大丈夫、いざとなったら凍らせてシャーベットにしたら、腐らないから!」
ユウリ「お願い、それだけはやめて!まだ寒いから!」
ユウリside
ディアス師匠に会いに行くつもりだった。あちこち彷徨って、たまたまそこに向かうのであれば、師匠にそこまで迷惑もかからないだろう。そろそろササメと共に挨拶に行こう。そう思った。だから、ギルドで、情報を出してもらっていた。
ユウリ「ディアスという、冒険者が今どこのギルドで活動してるか知りたい。」
もちろん、何回か、このやりとりは彼方此方のギルドでしている。ディアスさんが師匠だというのは知られているから、問題ない。
ギルド受付嬢「…すいません。少し、情報規制がかかってまして、」
初めての、回答で少し戸惑ったけど、いくつか、理由がすぐに思いつく。
ユウリ「え、えーと、それは何故かは教えてもらえない?」
国の重要案件を受けたか、もしくは、ランクが上がったか…。どちらにしろ、教えてもらえないだろう。
ギルド受付嬢「すいません。」
うん。教えてもらえたら、それはそれで問題だもんね。
ユウリ「いや、こちらこそ、ごめんね。あ、ついでに、これ、よろしくお願い。これで届けるのを匿名依頼で。」
うーん、どうしようか。国境付近の町まで行ってみるか。ノライトス地方。前はそこに居たんだし、辿って行けばいい。
ついでに、妹への手紙をある程度の金額と共に出す。
ギルド受付嬢「はい。では、期間はどうされますか?」
ユウリ「とりあえず、3日以内に受ける人が居なければ、取り消す。受けてから、1ヶ月以内で。」
ギルド受付嬢「承りました。では早速発行させて頂きます。」
ユウリ「うん。お願い。」
いつものように、受け答え、受付嬢はサラサラと書類を書き起こす。それを見ながら、ギルドカードを出す。
ユウリ「それと、時間かからないのでいい依頼はある?」
こうやって、出すとギルドボードに出ていない依頼等も提示してくれる。何より、レベルと条件にあった依頼だけ出してくれるのだ。と、つい最近、知ったのだけど。
ギルド受付嬢「あっ、少々お待ちください。」
ギルド受付嬢は、そっと奥に引っ込むと、もう一人連れて戻ってくる。
「よお、アンタSランクだってな。ちょっと奥に来てくれ。」
ユウリ「どういう事です?依頼を受けたいだけですけど?どちら様で?」
「はぁ?あんた、流れ者でも、こんな時わかるだろ?俺は、ここのギルドマスターのロイド。部屋に来てくれ。」
ユウリ「わかりました。」
とりあえず、ついていく。部屋につき、防音結界が張られると。
ロイド「こういう事、アンタのランクじゃ、よくあることだから、おどおどしないで覚えといとくれ。表に出せない依頼もあるからな。」
ロイドは、はぁ、とため息をついて、顔を苦々しくして言う。
ユウリ「表に出せない依頼?それはどんな?」
犯罪でも、頼まれるんじゃないかと、身構えた。
ロイド「おいおい、マジで勘弁してくれよ。こういう事、マジで初めてかい?犯罪とかじゃねぇよ。」
ロイドは、慌てて、そう言ってから、話始める。
要約すると、馬鹿な冒険者が、山にいる龍に喧嘩売って逃げ、町道のかなり近くまで彷徨く様にしてしまったので、山に戻すなり手なずけるなり好きにしていいから、問題が起こらないよう町道から、引き離してくれ。とのことだった。報酬は、完全後払いで、ドンと金貨の入った袋を置かれ、金額の書いた紙が提示される。
金額もさることながら、龍だ。ユウリは少し考えてから、
ユウリ「見てから、考えてもいいですか?」
正直、クルスさんみたいなのだと、何とかする自信などないし、話せる相手なら、交渉できるかもしれない。また、話せないほどの低位の龍なら、討伐ってところだろうか。
ロイドは、笑って
ロイド「ああ、そう言ってくれた方が信頼はできるかも。出来ねぇもん受けられても迷惑だしな。ただし、他言無用でな。」
ユウリ「ええ、意味はわかりましたので。」
頬を掻きながら、冒険者が原因、しかも、龍が町道に出るなんて噂がたてば町が恐慌状態になる。と、そりゃあ、内密に、だよな~って苦笑いが浮かぶ。
ユウリ「それと、その冒険者の情報は、渡せませんか?」
交渉の余地がある場合に備えて聞いておこうとした。
ロイド「悪いが、無理だ。人を差し出すのであれば討伐だな。」
威圧感がますけれど、無視をして続ける。慣れてるもんで、すいませんねぇ。
ユウリ「竜に謝るとかで、済む感じでもないって事ですね?」
と、普通に続ける。何、その冒険者は貴族様?
ロイド「そっちか、まぁ、それも無理だな。知能があるかどうかも定かでないし、あっても、冒険者がなぁ。」
ユウリは、今の一言で自分が、人身御供も考えるような奴だと思われたのだと悟る。威圧感が無くなり、「あ~スマン。」と謝られてから、「そいつ、怯えて出れそうにない。」って言われた。
ユウリ「ああ、そういう事。いや、慣れてるんで平気でしたし。じゃあ、また後で訪ねます。」
そう言って、ギルドを後にしたのだった。
ササメ「うん。で、この後、宿に戻って来たんだね。」
ユウリ「そう。ギルドマスターなんて、滅多に関わらないから、何事かと思ったよ。」
ササメ「ああ、前はディアスさんの知り合いって事だったもんね。…しかし、あの街でも、ゴロツキ冒険者には絡まれたし、ユウリだけの方が絡まれないって事だったけど、実際はどうなの?」
ユウリ「う~ん。ササメちゃんと一緒よりは面倒事少ないけど、まだ若造って事で、絡まれるのあるよ。」
ササメ「そう。…絡まれるんだ。」
え、にっこり笑ってどこ行くの?
ササメ「うん。ちょっと、ユウリを侮ってる人達の服が、いきなり吸収されて消えたら面白そうだなって。」
いやいやいや、にっこり笑って何物騒な事を!
ササメ「冒険者って魔力素材多いから、いけると思うのよね。」
ちょっ、いくらなんでも、女の子が、男の人の服ひん剥くのどうよ!
ササメ「手は出してないわ。あくまで、遠くから食事に服を頂くだけよ?だいたい、後は見ないし。目が腐るのは嫌だもの。」
いやいやいや、笑ってても、怖いから!オーラ黒いから!ユウリ!こら、保護者!止めやがれ!!
ユウリ「ササメが楽しそうに笑ってるから、つい。」
おい!