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ユウリside
ササメちゃんと歩きながら話していると、魔法が使えるか尋ねてきた。ギルド登録の時に資質測定も受けたので、生命力を少しだけ魔力に変換できる事はわかったんだけどそれだけ、何か魔法をつかえるわけではなかった。ってか、魔力の感じ方もわからないし。でも、正直に「まったく、ダメです」って言いたくない。ササメちゃんには、もう、みっともない姿を見られてるけど。だからといって、嘘もつきたくなかったので、笑いながら言葉を濁す。魔法を使える素地はあるのだと。すると、ササメちゃんが僕に魔法を教えてくれるって言うから、思わず振り向いて返事をした。だって、願ってもないことだった。魔力が少しでもあるなら、魔法は使えるようになっておきたかったのだ。冒険者は危険と常に隣合わせだから。でも、自分では訓練のしようもなかったから、まさに渡りに船だった。なので「明日も、あの辺りで薬草採取の予定なんだ。だから魔法を教えて!!」って勢いよく頼み込んだ。