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かぷっ、むにゅ、
「!? しゅ、州っ!?」
新樹は困惑した。それもそうだ。俺は、新樹の上唇に甘噛みをしたのだから。
「ごめんな。やっぱり、キスは恋人同士でやるもんだし。新樹は、まだ純粋のままでいてほしいし。これで、勘弁してくれないか?」
新樹は呆れながらも、「州、らしいね」と天使のリラのほうを見た。しばしのお別れだ。
「じゃあ、お前さんの恋のオーラを過去に飛ばすよ」
リラは十字架を掲げて、唱える。
「厳正なる召喚を色海新樹に発動を許可する」
そう発動すると、新樹から『恋心』を現す、薄いピンクのオーラが抜かれる。それをリラが、一旦十字架に封印。さらに呪文をかけた。
「時をかける空間を作りたまえ《オーラ・タイムトンネル》」
すぐさま異変が発生し、上を見ると、天井に大きなブラックホールのような穴が展開された。リラはそれに向かって、十字架をかざす。
十字架は光りだし、封印した薄いピンクのオーラを異空間に解き放した。
一瞬の出来事にも屈さず、新樹は寂しそうにお別れを告げる。
「ばいばい。また会おうね」
そんな新樹に、リラは最後の呪文をかけた。当然、新樹の身を守るための優しい呪文だ。
(このおなごの記憶から、あたいに関してだけの記憶を消去させてもらうよ)
「対象者の記憶を消したまえ《イレイジャー・メモリー》」
リラの掌を合わせた小指らへんからレーザービームが発射され、新樹のひたいに直撃する。瞬間、新樹の身体が一度跳ねた。
「あ、あれ……? なんで州が……あれ? なんでだっけ?」
どうやらリラの記憶を抜いたことで、記憶があべこべになり、部分部分で曖昧なところが出ているようだ。
これで新樹の症状は治った。
俺は安堵の息を吐く。よかった……うぐっ。胸を撫で下ろしたところで、先ほどよりも強力な激痛が全身を襲ってきた。
(時間が来たようだね。それにしても早い。それほどまでにお前さんの疲労は、酷かったってことだね。しかし、まあよかった、間にあって。そうだろ。お前さん)
まあ、な。これからもよろしくな、リラ。まだまだいるんだろ。生きたオーラ。
(わんさかいるよ。覚悟しときな。あたいとお前さんの仕事は、まだ序の口にも達していないんだから)
リラの顔は、そりゃもう店が繁盛しているように愉快な顔を浮かべていた。
俺は、新樹の部屋であまりの疲労で意識をなくす。
最後に、あたふたした新樹の声でも聞きながら。
次回はエピローグになります。短いですが。
友城にい




