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豪商の娘と銀の力

 私達は盗賊が荷馬車を襲われている現場を発見した。ラスティーは動かない。どうするつもりなのだろうか。


「ラスティーどうするの?」


 私はラスティーに疑問を投げ掛けた。


「そうだな、中々統率のとれた盗賊達だ。報償金は欲しいが、お前らを守りながらだと、少し厳しいかな?」


「助けないの?」


「何で助ける?」


 真顔でラスティーは答えた。


「だって私達の時は助けてくれたじゃない」


「あの時はお前らを助けるつもりはなかった。盗賊にもそう言っただろ?守るものがないならどうとでもなる」


 守る対象に私達が入っているのは嬉しく思うが私は呆れた。あの言葉は盗賊を油断させるつもりの演技だと思っていたからだ。


「ちょっとラスティーは他人に厳しいというか関心が無さすぎない?」


「まぁ所詮は他人事だからな」


 そう言うとラスティーは会話をやめて、盗賊達を見ていた。

 隠れて現場を見ていると、声が聴こえて来た。


「貴方達なんですの?私の荷馬車を襲って何が目的ですの?」


「はっ!盗賊が荷馬車を襲うのなんて運んでいる金品が目的に決まってるだろ!」


「まぁ金品狙いのつもりが、こんな上玉に巡り会えるとは思わなかったがな」


「なっ!私に何をするつもりですの?」


 盗賊達は下卑た笑みを浮かべる。

 確かに彼女の容姿は優れていた。肩までの銀髪に物凄い美人だ。スタイルも出ているとこは出ている。私がいうのもなんだが主張の激しい胸だと思った。


「よし!助けよう」


 ラスティーは彼女を見ると笑顔で即答した。ちょっとイラッとしたので脇腹を指でつねった。


「痛っ!何するんだフラン!」


「ちょっと、さっきは助けるの渋ってたくせに、なんで彼女を見るなり意見を変えるのよ」


「それはだな・・・」


 私はラスティーが言い訳をする前に思っていた事を口にした。


「彼女が美人で胸が大きいからでしょ!私の事も胸が大きいから助けたんでしょ!?」


「ちがっ!違うよ、確かに胸が大きいのは良いことだが、それだけじゃ助けないよ」


 どうやらラスティーは胸の大きい娘が好きなのは確からしい。


「じゃあ何でなのよ?」


 私は睨めつけながら問い質した。


「お前らは知らないだろうが、彼女が俺達のいる街の豪商の娘だからだ。助けたら何かしらの褒美が貰えるはずだ」


「ふーん、どうやって助けるのよ?」


「とりあえず二人はここに隠れていろ俺一人で助けるから、決して出てくるなよ」


「分かったわ」


「分かりました」


 マリーと私はラスティーの指示に答えた。

 盗賊の数は十人、私達の時より少ない。ラスティーだけなら問題ない数だろう。


「じゃあ行ってくる」


 そう言うとラスティーは駆け出した。走りながら豪商の娘を捕まえようとしている盗賊に指弾を放ち、盗賊二人を無力化した。

 ラスティーが盗賊二人を倒すうちに護衛が全滅した。盗賊のお頭らしき人物がラスティーに問いただす。


「テメェ何者だ?仲間に何した!」


 ラスティーは無視して豪商の娘に言葉をかける。


「そこのお嬢さん、××家の娘だと思うが俺が盗賊から、君を助けたら何か報酬を貰えるかな?」


「貴方は・・・いいですわ、盗賊から私を守れたら私の出来る範囲で貴方に報酬を出しましょう」


「て事だ!盗賊達、死にたくなけりゃとっとと失せな!」


「ふざけるなクソ野郎!お前らアイツを殺せ!」


 ラスティーの言葉に頭にきた盗賊達は一斉にラスティーに向かってきた。指弾を両手で放ち二人を倒す。接近してきた盗賊のナイフをネギで防ぎ殴り倒す。


「テメェ何だそりゃ」


「見ての通りネギだよ」


 斬りかかってきた盗賊の攻撃をかわして、指弾で撃ち抜く。残り四人は意味の分からない武器と攻撃方法に、怯え逃げ出した。


「クソが!お前ら退くぞ」


 そう言うと盗賊達は私達のいる方の街道に駆け出した。無事盗賊から豪商の娘を助ける事に成功したと思った私達は油断していた。背後にゴブリンが一体迫って来ていた。

 驚いた私達はつい街道に出てしまった。


「きゃっ」


「馬鹿!なんで出てくるんだ!」


 ラスティーに怒られてしまった。街道に出た私達は盗賊に後ろから捕らえられた。ゴブリンはこっちの人数に気づいて引き返していった。


「こいつらはお前の仲間・・・いや奴隷か、いずれにしてもこれで、形勢逆転だな」


「二人を離せ!」


「はっ!離すわけないだろ!そうだな、まずは武器を捨てろ」


 そう言われてラスティーは持っているネギと小石を捨てた。


「本当に捨てた所を見るとこの二人はお前にとって大切らしいな、奴隷を大切にしているなんて珍しい奴だ。それともこの愛玩奴隷が余程お気に入りなのかな?」


 下卑た笑みを浮かべそう言うと盗賊は私の胸を揉みしだいた!


「いやっ!ヤメてっ!」


 私は必死に抵抗するが全く引き剥がせない。


「愛玩奴隷が何いってやがる、あの野郎に、このデカい胸を揉まれてんだろ」


「んっ、そんな事・・・」


(あったわね・・・)


「おいお前、そんな眼鏡を掛けてる所を見ると目が悪いんだろ?まだ何か隠してるかも知れねぇ、視力を奪えばこっちのものだ。眼鏡を外せ!」


 ラスティーは眼鏡を外した。そこに表れたのは、目つきの鋭い精悍な二枚目だった。


「手加減はしない」


 ラスティーは怒気を込めてそう言った。


「はっ!下手に動けばこいつらを殺す」


 盗賊がそう言って警戒するとラスティーの身体が突然に強烈な銀色に輝き消えた!

 消えたと思ったその瞬間に、ドン!という音とともに私達は解放された。何故?っと後ろを振り返ると背後には目に見えるほどの濃密な銀の魔力を纏わせたラスティーが立っていた。

 有り得ない・・・ラスティーと私達は三十メートルは離れていた。それを輝いたと思ったら背後にいるなど有り得ない。そもそも私達を捕らえていた盗賊は何処に・・・居た、四人・・・いや四体?ラスティーの遥か後方、人として有り得ない関節の向きと形をしていた。間違いなく絶命しているのが分かる。アレで生きていれば人ではない。

 私は恐る恐るラスティーに話しかける。


「ラスティー?」


「何だ?」


「何をしたの?輝いたと思っていたら終わってたわ」


「ふむ何をしたかか、単純だ俺自身に全力の強化をかけて、距離を詰めてぶん殴った」


 紡がれた言葉は単純明快だったがそれだけに理解できなかった。

 まだ幻覚魔法や転移魔法を使ったと言われた方が信じられた。


「信じられない・・・目は見えているの?」


「ああ、俺が本気で強化すれば良く見える」


「それなら眼鏡は要らないんじゃない?」


「そんな事はないさ、常にこのレベルの強化しているのは不可能だよ。まぁ目だけに強化をかければそれなりに維持は出来るがな」


「目の前で見てって言うのは見えた訳じゃないから変だけど、目の当たりにしても信じられないわね、凄すぎて」


 ラスティーは笑って答えた。


「前に言っただろう。俺は二人が想像してるより強いって」


 その笑顔に私は胸がときめいた。ラスティーはすぐに強化を解いて眼鏡をかける。ああ、と心の中で叫ぶが勿体ないとは彼には言えない。


「フランもマリーも怪我はないな?」


「ないわ」


「はい」


 私とマリーは彼に元気に答える。


「盗賊に揉まれてイヤな記憶を引きずってるなら俺が上書きするぞ」


 そう言うとラスティーは手をイヤらしくワシャワシャした。


「結構です!」


 何でこの人はこういうスケベな冗談を言うのかしら、折角カッコいいと思ってたのに台無しね。会話を終わらした私達は豪商の娘のいる方に向かった。













次回はラスティー視点に戻ります。

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