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王都で?俺が?武闘大会?なんだそりゃ?

 調査依頼のギルドへの報告は何も問題はなかった事で報告した。詳しく話すと嘘がバレるので、それだけ報告した。実際俺の中では何も問題はないのは事実だ。嬉しい出来事が2つあっただけ、他人からしたら問題なだけだ。黒霊獣と天狐の発見は色々面倒くさい事になるだろうしな。依頼達成報酬は銅板貨1枚と安い物だったが全く構わない。

 長かった依頼を終え漸く家に着いた。


「へぇ~、これがラスティーの住んでる家ですか。立派な家で暮らして居るのですね。安心しました」


 我が家を見た母さんの第一声がこれである。


「一体どんな家に住んでると思ったんだよ」


「いえ、別にそういう訳ではないんですが、母さんとしては息子の住む家がどんな物かと思いまして」


「母さんはまだ使ってない部屋が何部屋かあるから、そこを使ってくれ、クロは俺と同室な」


「ダメよっ!」


 俺が母さんとクロに部屋割りを言うとリースが待ったをかけた。


「ん?どうしたリース?何がダメなんだ?」


「リッカさんはそれで良いけど、クロは何でラスティーと同室なのよ!」


 リースが何を言ってるのか意味が分からない。


「何でって流石にクロに一部屋は広すぎるだろ」


「だからって何でラスティーと同室なのよ」


「クロの体質を考えたら俺と一緒が一番だろ。何がダメなんだよ」


「だって‥‥だって‥‥クロはメスよっ!」


「‥‥‥‥えっ?」


 俺は言葉に詰まりそれしか言えなかった。


「だからっ!クロはメスよ、女の子っ!ラスティーと同室なんて羨ま‥‥ズルいじゃなくて‥‥良くないわよ」


 いや、リースさん?君は俺をどんな性癖の人間だと思ってるのかな?つまり俺とクロがそういう関係になる事を危惧しているとそういう訳か。こんなちっちゃくて可愛い生き物を性の対象と見る変態だと言いたいのかリースさんや。


「リースさんそれは流石にラスティーさんに失礼では」


 そうだマリーもっと言ってやれ。


「だって‥‥羨ましい‥‥」


 俯きながら喋るその声は小さかったがちゃんと聞こえた。

 リースの耳が少し垂れ下がる。俺はそれを見て思わずクスリと笑ってしまった。


「可愛いやつだな」


「えっ‥‥」


「リースってさ、歳も俺より1つ上だし見た目も美人で大人びてるのに、感情がそのまま表情や耳に出るから精神的に幼く見えて面白いよな」


 そう言いながら俺はリースの頭を撫でる。すると垂れていた耳が、ピンと立つ。それを見てまたクスリと笑う。


「なっ、何よ!笑わなくたって良いじゃない!」


「あ~、ごめんそんなつもりじゃなかったんだ。ただリースが感情表現が豊かで可愛いなっと思っただけだ」


「か、可愛い!」


 リースの頬が少し赤く染まった。


「ああ、でもダメだぞリースと同室なんてしたら俺の精神が持たないからな。寝るとき、着替えるときにリースがいたら気が休まらないだろ?お前がその‥‥俺に好意を持ってるのは知ってるんだから余計にな。こればっかりはリースのお願いでも許可しないぞ」


「う~、わかったわ」


 リースを納得させて、自室に戻り着替える事にした。クロの炎でローブは燃え尽き、服は所々焦げていたからな。


「ごめんね、ご主人」


「ん?何が?」


「私のせいで服がボロボロになっちゃって‥‥」


 なんだそんなことか、別にクロが気にすることじゃないのにな。俺が無防備に炎を受けたのが悪いんだから。本来なら強化を使っている俺にクロがどんなに炎を使おうと服を焦がすことは勿論、熱いと思わすことさえ難しいのだから。


「気にするなよ、俺の過失だから」


 着替え終わるとノックする音が聞こえてきた。


「はい」


「失礼しますよ」


「どうしたんだ母さん?」


「いえ、改めて貴方と二人で話をしたかったのです」


 母さんとの話は一時間程続いた。主に俺の過去だが、復讐の事ではなくどう生きて来たかが殆どだ。母さんも俺が復讐の事を語りたくないのを接してか聞いて来なかった。


「それにしても千年かぁ、良く俺の事を覚えていたな母さん」


「当たり前です。最愛の息子の事を忘れる訳ないでしょう」


 最愛なんて聞くとちょっと恥ずかしいな。


「でも千年だぜ、俺だったら覚えてる自信ないな」


「あんな別れ方だったんです。本当に心配でした。生きててくれて良かった」


 そう言うと母さんは、俺の頬に触れ撫でるとそのまま引き寄せて抱きしめた。


「良かった‥‥本当に良かった‥‥」


 母さんの声は震えていた。その声を聞くと俺も涙ぐんでしまった。

 クロの毛並みを堪能しながら、その日は眠ってしまった。


 次の日、いつもの如くギルドに向かい扉を開けると、此方をチラチラ見てくる視線を感じた。嫌な予感がする、確か前にもこんな視線を感じた時があったような‥‥そうだっ!いらない二つ名をつけられたときだ。今感じる視線はあの時と同じ此方を羨望と驚きの様な俺にとって嫌な視線だ。


「オッサンおはよう何か嫌な視線を感じるんだが何かあったのか?」


 これまたいつもの如く朝から酒を飲んでる、ギルドの古株のオッサンに挨拶がてら聞いた。


「おう、ラスティーおはよう。良かったなお前で決まったぞ」


 俺で決まった?スゲェ嫌な気がする。


「決まったって何がだよ?」


「王都で毎年開かれる武闘大会に、うちのギルドからお前が選ばれたんだよ」


「‥‥‥」


 王都で?俺が?武闘大会?なんだそりゃ?疑問だらけのオッサンの言葉に反応に困った。


「いや、出ないぞ俺は面倒くさい」


「「「えっ!!」」」


 俺が武闘大会に出ないと言うと聞き耳を立てていた周りの冒険者から驚きの声が上がる。


「やっぱりか、お前さんならそう言うと思ったよ俺は、さてどうしたものかな」


 オッサンが頭をポリポリ掻いていた。俺が断るのを分かってたらしい。オッサンは俺が面倒くさがりなのを知ってるからな。


「ラスティー出ないの?」


「何だよフラン、俺が出ないのがそんなに不思議か?」


「不思議じゃないけど、王都の武闘大会って言ったら有名よ」


「そうなのか?」


 俺は催し物とかには疎いからな全く知らなかった。


「そうよ、私も5年前に両親に連れてってもらったけど凄い盛り上がりだったわよ、王都全体が武闘大会に力を入れてる様だったわ。武闘大会の会場の周りはお祭りみたいに沢山の出店が並んで楽しかったわ」


 祭りか、むしろそっちの方が興味があるな。大会はどうでも良いが祭りの出店を回りたいな。

 そんな事を考えていると、ギルドマスターが此方にかけて来た。










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