表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/69

変身能力

 サクラが仲間になり自己紹介をした。


「俺の名前はラスティー、この世界とは違う世界から転位してきたんだ」


『えっ!ラスティーは転位者なの?じゃあ何か能力貰ったりは・・・』


「当然そんなのはない」


『やっぱり・・・テンプレと違ってつまらないのね・・はぁ・・』


 サクラは大きく溜め息を吐いた。余程そのテンプレだか何だかに期待していたらしい。そんなご都合能力貰えたら確かに楽だろうが、この世界はそんなに甘くはない。


「じゃあ次は私ね、私はフランよ貴女と同じで、別の世界で死んでシリウスに転生したの、あとラスティーの奴隷よ」


『なっ!こんな可愛い娘が奴隷なの?ラスティーも隅に置けないのね、人畜無害そうに見えてやることやってるのね!』


 俺はサクラに拳骨を落とす。


『痛た~い!何するのよ!』


 驚いた、拳骨の感触で分かった事だがてっきり見かけだけでスライムみたいに軟らかいのかと思ったら、見事に人の感触だった。変身したい生物に完璧に変身出来るなら凄いことだ。


「お前が変なこと言うからだ!大体俺はフランに手を出していないぞ」


『えっ、嘘!奴隷なんでしょ!命令出来る立場なんでしょ、こんな可愛いくて、綺麗でスタイルの良い娘が近くに居て手を出してないの?・・・ラスティーってホモなの?』


「んな訳ないだろ、俺は健全に女の子が好きだ」


 サクラが本気で大丈夫なの?ヘタレなの?っていうような目で俺の事を見る。ちょっとイラッとしたので、意地悪をすることにした。


「そうかそうかサクラは仲間になりたくなかったのか、ではここでサヨナラだ。達者でな」


 俺は手を降り歩き出した。


『ちょっ!冗談よ!私も仲間に入れてよ、置いてかないで』


「次に俺の事をホモだの何だの言ったら置いてくぞ!」


『はい!』


 サクラはビシッと敬礼をした。


「じゃあ次は私が、私の名前はマリーです。ラスティーさんの奴隷です」


『マリーも奴隷なのね』


「最後は私ね、私はリース、ハーフのダークエルフで私もラスティーの奴隷よ」


『リースも奴隷なのね・・・結局3人共にラスティーの奴隷なんだ。皆美少女なんてハーレムでも目指してるの?』


「目指してねぇ、綺麗なのは偶々だ。奴隷と言っても奴隷商から買った訳じゃない。偶然巡り合って仲間になったんだよ」


 俺はサクラに俺達の生い立ちを話した。するとサクラは泣き出した。


『ぐすっ、そんな事があったの、皆辛い経験をしてきたのね。私なんかよりずっと大変だったのね』


「まあ、スライムに転生したお前の気持ちは分からんがな」


『スライムに転生してなんて不幸なんだと思って悲劇のヒロインみたいに考えてたのがバカみたいね、皆これから宜しくね、頑張って生きて行きましょ』


 吹っ切れた様にサクラは笑顔になった。さっきまで助けてだの、無理だの言ってたのが嘘みたいだな、スライムなのは変わらないんだが意外にポジティブな奴だ。

 全員の生い立ちやら出会いを話したらそれなりに時間が経っていた。俺達はサクラを新たに仲間に加え森を後にして、ギルドに依頼の達成報告をしにギルドに向かった。

 街に着くとサクラが感動していた。


『ああ、ここが貴方達の住んでる街なのね、転生して三日、街にも村にも行けず放浪してたのよ』


「スライムじゃ街には入れないだろうからな」


『そうなのよ、人に見つかったら最悪殺されるかもと思って森を放浪するしかなかったのよ。ラスティーに出会えて本当に良かったわ、ありがとう』


 身分を証明するものを何も持っていないサクラだが、俺の知り合いと言うと、街の入り口の検問の兵士は意外にすんなり通してくれた。

 門を通り抜けギルドに着いた。ギルドに入るといつもの如くオッサンは居た。


「おう、ラスティーお前も飲むか?」


「飲まねぇよ!依頼の達成報告にきただけだ」


「そうか、なんだその子は?また新しい奴隷か?」


 オッサンはサクラを見て勘違いする。


「違うよ、こいつは・・・」


 俺がサクラの説明をしようとするとオッサンはまた勘違いした。


「おっ、ついに彼女が出来たのか」


 オッサンは笑ってこっちを見た。


「違げぇ、こいつはサクラ、ちょっとした理由で身寄りがなくてな俺はこいつの保護者みたいなもんだ」


「何だそうなのか、嬢ちゃん良かったなラスティーは凄腕の冒険者だ。ラスティーが保護者なら安心だぞ」


『そうなの?ラスティー貴方そんなに強いの?』


「まあ、それなりにな」


 オッサンが不思議な顔してこっちを見た。多分サクラの念話の事だろう。


「オッサン、サクラは普通に話すのが苦手でな、念話を使うんだ」


「そうだったのか、念話とは珍しいな」


 まあ、念話よりサクラがメタモルスライムという事の方が珍しいけどな。

 依頼達成の報告を受付嬢にして、報酬を受け取り、ついでにサクラの冒険者登録を済まして、ギルドを後にした。


「ここが俺達の家だ」


『結構大きい家に住んでるのね』


「まあな、サクラが新しく住んでもまだ余裕があるからな」


『私はてっきり庭にテントでも張って住めと言われるのかと思ったわ』


「何でだよ!」


『だってラスティーの私の扱い雑なんだもの』


 ふむ、確かに雑な扱いをしたが、そこまで酷くないぞ俺は!


「なるほど庭は広いし、それも有りかテント買いに行くかサクラ?」


『あー嘘、ウソよごめんなさい、私も家に住みたいわよー、う~フラン、ラスティーが苛めるよ~』


 サクラがフランの後ろに隠れ泣きついた。


「ラスティー、サクラを苛めちゃダメよ。サクラは私達と同じで貴方がいないと生きてくのも大変なんだから、貴方が苛めたら可哀想でしょ!」


 サクラがコクコクと頷く。


「そうなんだが、直ぐ調子に乗るし、反応が面白いからついな」


 サクラがガーンと聞こえてくるような顔でヨロヨロと膝をついた。


「まあ、苛めないよう善処するよ」


 俺はそう言って家に入った。

 メタモルスライムの能力を詳しく本人に聞く事にした。


「じゃあ一度近くで見たものなら変身出来る訳か?」


『そうね、ラスティーに強化して貰えば忠実に姿、能力が使えるみたいね、私一人だと、姿が変わるだけで能力は使えないし』


「質感も再現出来るのは凄いな」


『それも強化すればよ、私一人だとそこまで再現出来ないわ』


「そう言えば、魔物に変身して能力が使えるなら、人に変身したら魔法は使えるのか?」


『・・・考えた事なかったわね』


「お前自身は魔法のない世界から転生したばっかだから無理だろうが、元々魔法が使える人に変身したら使えるんじゃないか?」


 サクラに強化をかけると、サクラはフランを見て、変身し出した。見た目はフランと瓜二つだな。


「凄いですね、フランと見分けがつきませんね」


 仲の良いマリーでも、フランとサクラの見分けがつかないようだ。


「俺は魔力の質で分かるけどな」


「そうなんですか?私には全く分かりません」


「魔力に敏感な奴なら近くで見れば分かると思うぞ」


『うっ、分かってたけど胸大きいわね、重いけど羨ましいわ』


 サクラが変身したフランの体で胸を揉む。


「ちょっとサクラ!人の体に変身して変なことしないでよ」


「おい、揉みたい気持ちは分かるが、今は魔法だ早くしろ」


 揉みたい気持ちは分かると言うとフランに睨まれた、つい本音が出てしまった。

 サクラはフランの使える魔法が全部使えることが分かった。強化して変身すると、元の人が使える魔法なら同じ程度の威力で使えた。

 しかし、強化して変身したサクラに更に強化をかけても魔法や能力の底上げは出来なかった。

 つまりフランに強化をかければ、初級魔法が上級魔法の威力で使う事が出来るが、サクラだと変身した本人までの能力しか使えない。何度でも強化して変身出来るから凄い能力だがな。


「本人の能力を使いこなせるなら俺に変身すれば俺の魔法が使えるのか?だとしたらかなり戦力アップだがな」


「ラスティーの能力は無理じゃない?凄すぎるもの」


 リースはそう言うがやってみないと分からない。

 サクラが俺に変身する。


「どうだ?俺の魔法はあらゆる力を強化出来る魔法だ。出来そうか?」


『凄い!変身して分かったけど、ラスティー貴方メチャクチャ強いわね、でも多分無理ね少しは強化出来ると思うけど貴方の様には強化出来ないと思うわ』


「物は試しだ、フランを全力で強化してみてくれ」


 サクラはフランの肩に手をつき、強化をかけた。


「どうだフラン?強化の具合は」


「そうね、気持ち強化された感じがするわ」


 そうか、変身して俺の魔法が使えるなら便利だったんだがな。どうやら桁違いな力はコピー出来ないらしい。

 サクラが俺に変身した状態でモゾモゾし出した。


「どうした?」


『いや、折角男の人に変身したんだから、こっちの方はどうなってるのかなと思って』


 そう言ってサクラは下腹部より下に手を伸ばす。何がしたいか分かった俺はいつもより低い声で警告する。


「知らなかったな、サクラが命を粗末にする奴だとはな」


『ご、ごめんなさい!見ません!触りません』


 俺の姿で謝られると変な気分だ。


「ったく、変身出来て面白いからって俺達の姿で下らない事をしたら、お前をもう仲間とは思わないからな」


『はい!絶対しません』


 直ぐ調子に乗るからこいつは、強めに注意しないとな。

 分かった事は強化して変身すれば変身した本人の能力が大体使えること、あまりに桁違いな能力はコピー出来ない事。後は強化して変身した後は能力の底上げは出来ないことか、それでも十分凄い能力だということが分かった。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ