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目覚めると吸血鬼少女に  作者: らーめんま
第二章 つかの間の休息・文化祭編
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第67話:カート対決

今回は久しぶりの一人称で書いております。

 


 俺の部屋にマサキを入れる。相変わらず、凛も一緒なのだが…

 部屋もリリムが掃除していてくれたみたいで安心だ。何しろ俺は掃除が苦手だしな…


「ルナ、お前任務の方は?」


 マサキが俺に聞いてきた。たしかにショッピングモールで急にあんな別れ方もしちゃったし、気になるだろう。


「それなら終わったし、一ヶ月間は疲れを癒せだってさ。」


 せっかく校長から自由に遊んでOKと許可をもらったのだから、満喫しないと!


「ゲームでもする?」


「おお、久しぶりだなぁ。 昔はよく2人でゲームやってたよな。」


 マサキが懐かしそうに言った。


 俺とマサキは中学2年生まで同じクラスで、3年で突然引っ越してしまった。小学校からクラスもずっと同じで、好きなマンガ、好きなゲームが同じで仲良くなった。


「じゃあ、下に降りよっか。みんなでゲームするならテレビゲームのほうがいいし。」




 うちはリビングにしかテレビがない。もともと貧乏というわけではないが、裕福というわけでもない。いわばフツーの家庭だ。



「みなさーん、どうぞ」

 ソファに腰掛けた俺たち3人にリリムがジュースとクッキーをだしている。リリムの女子力の高さというか、気がきく行動にはいつも感心した。



「マ○カーでいい?」


 大勢いるときの定番はやっぱりこれっしょ!


「いいぞ。」

「私もやったことある!」


「リリムもやろう!」

「えっ、私もいいんですか?」

「当たり前じゃん!」


 もともと4人でやるならということでこのゲームを選んだのだ。4人プレイなのでちょうどいい。


「ルナ先輩、この勝負で負けた人は勝った人の言うことを聞くっていうのはどうですか?」


 いいじゃん、たまには凛もいいこと言うな。


「いいんじゃないか。」

「面白そうですね。」


 マサキもリリムもOKの様子。



「へっへーん! このまま俺が一位だ!」


「ルナ先輩が相手でも本気で行きますよ! それぇ‼︎」


 凛が俺のカートに甲羅を投げてきやがった。防ぐ手もなく、被弾ッ!


 凛が一位に踊り出る!


「ルナ、先行くぞ!」


 動けない間にマサキも俺を抜いていく。


「ルナさん、頑張って!」


 慰めの言葉をかけつつも、リリムも俺を抜かしていった。

 まさかのドベ⁉︎


 ドベだけは避けようと必死の追い上げを見せようとするが、なかなかうまくいかない。


「これでも喰らえ!」


 前方にいる3人に爆弾ズドーンッ!


「く、やるなルナ」

「先輩すごい!」

「さすがルナさんです」


 マサキは悔しがってるが、残りの2人は逆に褒めてるぞ?

 なんか勝ったのに勝った気がしない。


 その後も数レース勝負し…


「よっしゃー、オッレの勝ち〜♪」


 見事なハンドルさばきで俺の勝利だ‼︎

 そして、逆に負けてしまったのは意外にもマサキ。


「くそー、負けちまった。」


 マサキは悔しそうに頭を抱えた。


 ということで、勝った俺はマサキに命令できるということだ!


「どうしよっかなぁ〜、うひひひ。」


「おい、変な笑い方するなよ。ほら、早く命令しろ」


「じゃあ、アイスでも買ってきてもらおうか」


「もう秋だけどいいのか?」


「アイスに季節なんかない!」


 そう、アイスは一年中食べられる。そういう人がほとんどのはず!


「そ、そうか…べつにそれならいいんだが…… で、みんな何がいいんだ?」


 うーん…アイスは数多くあるが、やはりおごってもらうなら!


「ダブルベリーで!」

「私も先輩のと一緒で!」

「私もルナさんと一緒で!」


「おいおい、それ一個500円もするやつじゃないのか⁉︎」


「当たり前じゃん! ほら、負けたんだからさっさと買いに行く‼︎」


「ま、俺が負けたんだし仕方ないか…」


 マサキはしぶしぶ財布を握ると、コンビニにアイスを買いに行った。

 さすがに高級アイスはやり過ぎたかな?


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「買ってきたぞ」


 15分ほどしてマサキは帰ってきた。

 レジ袋の中には確かにダブルベリーが‼︎


 マサキ、サンキュー!


 溶けないうちにさっそくいただく。


「うん、美味い!イチゴのこの甘酸っぱさがサイコーだよなぁ‼︎」


「喜んでくれたらなら良かったよ。」


 そう言いながら、マサキ1人だけ100円の安いアイスを…

 なんかすごく申し訳ない。


「マサキ、良かったら俺の食う?」


「いいよ、ルナが食いたかったんだろ?」


「いいから食えよ!」


 俺は強引にアイスをマサキの口の中に入れた。


「美味しいでしょ!」


「ホントだ、美味いな。俺のも食うか?」


「じゃあ、貰おうかな。アムッ」


 マサキがアイスののったスプーンを俺の口元に差し出してきたので、ついつい口を開いてしまい、恋人同士がよくやっている『あーん』のようになってしまった。


 それを微笑ましく見ているリリムとは対照的に、凛は怒りに震える。


「ひ、ひどい!ひどいですよルナ先輩‼︎ こんな男とイチャイチャして‼︎」


 何もそんなに怒らなくてもいいのではと俺は思うが…




 その後も凛はワーワーうるさかったが、俺的にはすごく楽しい日だった。

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