現状に対する『不満』は、生き方を変えるきっかけになる
日々の生活において、
『大きな不満』を抱くことはあまりないかもしれません。
ですが、『小さな不満』なら誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか?
「家族のちょっとした癖や行動が気に入らない」
「収入の良い仕事に就いているのに、なぜか毎日が物足りなく感じる」
「頑張っているのに、収入が上がらない」
──などなど。
こうした『小さな不満』と向き合わず、
「それは仕方がないこと」だと自分を納得させる行為は、
**未来永劫、過去の習慣をそのまま続け、ある程度先の未来が予想できる世界で生きていく**
と言っているのと同じことなのです。
——それの何が悪いのか?
もちろん、そう思う方もいらっしゃるでしょうし、その生き方を否定するつもりはまったくございません。
現状に満足しているのであれば、無理に変わる必要はないのですから。
ですが、創作においては『不満』と正面から向き合う必要があります。
なぜなら『不満』は、高くジャンプするために膝を曲げ、足に力をためて踏み切る屈伸のようなものであり、物語を動かす原動力になるからです。
物語は、沈みがあるからこそ跳躍が生まれる。
一見、『不満』がなさそうなスローライフを描く場合でも、必ず何らかの『不満』が必要になります。
よくよく読んでみれば、
主人公に直接『不満』を与えなくとも、サブキャラクターにそれを担わせることで、主人公が活躍する舞台が用意されていることに気づくはずです。
「未来永劫、過去の習慣を続け、ある程度先の未来が予想できてしまう」
──そのようなストーリーが、果たして読者に強く支持されるでしょうか。
ただし、スピンオフ作品のように、すでに人気キャラクターの属性を理解した上で読み進められる、人物主体の物語であれば、必ずしも『不満』が必要とは限りません。
それでも、これはかなり例外的なケースです。
『不満』の構造を理解し、その解像度を上げることには、大きなメリットがあるのではないでしょうか。
今回は、
「現状に対する『不満』は、生き方を変えるきっかけになる」
というメインテーマのもと、
副題として、
「毎日が物足りなく感じる」その正体とは何か
を据え、
『不満』を深掘りしていきます。
☑️『不満』には2種類ある
『不満』には、大きく分けて、「自分の現状に対する不満」と「他人に対する不満」の2種類があります。
★自分の現状に対する不満
「収入の良い仕事に就いているのに、なぜか毎日が物足りなく感じる」
「頑張っているのに、収入が上がらない」
★他人に対する不満
「家族のちょっとした癖や行動が気に入らない」
「頑張っているのに、周囲からの評価が低い」
この2種類の『不満』のうち、
生き方を変えるきっかけにならないものはどちらか。
そう断定的に問われたとき、
多くの人は「他人に対する不満」と答えるのではないでしょうか?
ただし、ここで一度立ち止まってください。
実は、この問いの立て方そのものに、
私(作者)が「正解」だと確信している価値判断が、すでに組み込まれています。
そして読者であるあなたは、
その前提を無意識のうちに受け入れたまま、選択を迫られているのです。
人は選択肢を提示された瞬間、
気づかぬうちに、作者の価値判断を通したレールの上を歩かされてしまうことがあります。
だからこそ、
本当に「他人に対する不満」は変えるきっかけにならないのか。
「自分の現状に対する不満」は、常に変えるきっかけになり得るのか。
それらの答えは、すぐに出す必要はありません。
ただし、
その言葉をあなたの信念に受け入れていいのかどうかは、
どうか一度、立ち止まって吟味してみてください。
私は皆さんを誘導するつもりも、考えを押しつけるつもりもありません。
あなたの心は、あなた自身のものです。
その心に何を残し、何を手放すのかは、あなた自身が選んでください。
それらを踏まえたうえで、
ここからは「他人に対する不満」は、なぜ人生を変えるきっかけになりにくいのか
を考えていきます。
☑️ 馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない
当然のことながら、他人は自分ではありません。
そして、人が自分以外の人間の行動を、100%思い通りに動かすことは不可能です。
たとえ馬を水辺まで連れて行けたとしても、
水を飲むかどうかを決めるのは、あくまで馬自身です。
それにもかかわらず、
私たちはなぜ「他人に対する不満」を抱いてしまうのでしょうか。
他人に対する『不満』が発火したときは、
ぜひ一度、自分の感情の流れを静かに観察してみてください。
「自分は絶対に悪くない」
「自分は一方的に被害を受けている」
「悪いのは他人であり、行動を改めるべきなのは他人である」
こうした思考が、無意識のうちに立ち上がってはいないでしょうか。
案外その奥には、
自分の立場や自尊心を守るための、強い自己正当化が潜んでいることがあります。
たとえば、
「家族のちょっとした癖や行動が気に入らない」という不満。
実際には、
本人が無意識に不機嫌な態度を取っており、
家族はただ様子をうかがうように視線を向けているだけ、
という構造も考えられます。
また、
「頑張っているのに、周囲からの評価が低い」という不満もそうです。
もしも、
「自分だけが頑張っているに違いない」
という思い込みが態度に滲み出ていれば、
たとえ実際に努力していたとしても、
周囲はその空気を敏感に感じ取ってしまいます。
——あの人は、周囲を見下しているのではないか。
——自分たちは、評価に値しない存在だと思われているのではないか。
こうして生まれる摩擦は、
「他人に対する不満」という形をとって、
本来向き合うべき自分自身の癖や欠点から、目を逸らさせます。
その結果、常に解消できない『不満』を抱えることになります。
☑️自分の現状に対する『不満』は、生き方を変えるきっかけになる
逆に、自分の現状に対する『不満』は、もった方がいいと言えるでしょう。
自分の行動は自分の意識次第でいくらでも変えられます。
そして、行動が変われば、状況が変わり、『不満』は解消に向かっていきます。
つまり、自分の現状に対する『不満』は、前を進んでいくための原動力となるのです。
★「毎日が物足りなく感じる」——その正体とは何か
世の中には、親や学校に勧められるまま、あるいは「世間体がいいから」「給料がいいから」といった理由で名の通った企業に勤め、何不自由のない暮らしを送っていながら、心のどこかに満たされない思いを抱えている人もいます。
「世間」や周りの人たち、メディアなどが「良し」とするものをそのまま受け入れるのは、自分が自分であることをやめ、他人の価値観に従って生きるということでもあります。
人は自分が本当に望むものではなく、他人が望むものばかりを手に入れても、結局は満足できないのです。
★ここまで人生の中で起こった変化を「自分が求めたもの」・「自然に起こったもの」に分けて考えてみてください。
(例)
・大学は自分の希望したところに入れたか?
・就職先は自分の第一志望だったか?
・大学を卒業して就職したとき、自分の考えや行動が変わった点はあるか?
・今、配属されている部署は自分が望んだところか?
・今、住んでいる家は自分で探してきたのか?
・結婚は考えていた年齢でできたか?
・子供は計画出産だったか?
私自身、まったく人のことを言えない立場の人間です。
周囲から「良い」とされている評価や価値観を、疑うことなく、どれほど多くそのまま受け入れてきてしまったのか——。
その結果として、
「心の底からやりたいこと」が、急に見つかるはずもないのです。
他人が「良い」としてきたものをそのまま自分のものとして取り込んできたのです。
その状態から「自分が本当に求めているもの」を見つけ出すためには、これまでとは違う視点が必要になります。
では、どうすれば
心の底からやりたいことを見つけることができるのか。
最後に、そのための視点を提示して、締めくくりたいと思います。
☑️自分の現状に対する『不満』は「現状の外」にゴール設定して行動を変えるチャンスに!!
自分の現状に対する『不満』を抱えている人は、不満を解消しようと考えるのではなく、ゴール(夢、目標)を設定してください。
ただしそのゴールは、誰かの評価や価値観に従ったものではなく、あくまでも、あなたが本当に望むものでなければなりません。
「欲しいもの」や「やりたいこと」を見つかったら、それが自分の心から出てきたものなのか、他人の言葉や情報に影響されていないか、慎重に吟味しましょう。
また、ここが一番重要なのですが、ゴールは必ず《《現状の外側》》に設定してください。現状の内側にゴールを設定している限り、現状維持の未来しかやってこないからです。
「現状」には「現在の状況の延長線上にあるもの」「現状を変えなければ、起こり得るもの」もふくまれています。
たとえば、「5年後にカクヨミで賞をとる」「30年後に今就職している会社の社長になる」といったゴールは、カクヨミで連載していたり、その会社で働いている限り、たとえ可能性が低くても起こる得るので、「現状の内側のゴール」ということになります。
しかし、料理したこともなく、農業をしたこともない会社員が「家庭・外食・コンビニまで浸透する、国民食レベルの料理を生み出す」「畑をもち、自分で作った野菜を全国に届けたい」と考えれば、それは「現状の外側のゴール」といえるでしょう。
ゴールを設定したら、たとえば
「自分は家庭・外食・コンビニまで浸透する、国民食レベルの料理を生み出し、多くの人から感謝され、充実した日々を送っている」などと紙に書いて毎日唱え、ゴールが達成された様子を、できるだけリアルにイメージします。
人間の脳には、臨場感が高いものを現実と思い込み、そこに自分の意思や行動を合わせようとする性質があります。現状の外にゴールを設定すれば、自然と行動が変わり、いつしか『不満』だらけだった状態から抜け出している自分に気が付くはずです。
もしゴール設定に興味を持たれたなら、
『新版 コンフォートゾーンの作り方』 著:苫米地英人
を手に取ってみてください。
あなたのやりたいことが見つかりますように。
私も心から願っています。
今回は以上になります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
もしよろしければ、気づいたことや感じたことなど、どんな些細なことでも構いませんので、コメント欄に残していただけたら嬉しいです。いただいたコメントにはすべて目を通し、お返事します。
あなたの作家人生を全力で応援します。
共に楽しんでいきましょう。
「感情」の解剖図鑑 苫米地英人
※本文を考える際に参照したものです。興味のある方は、ぜひあわせてご覧ください。




