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狐さん。

めっちゃ遅れました…すみません…(遅れたくせに短い(((殴)

「あ、水足りなくなった。」

穂花は清妖川へ水を汲みにいった。ズボンの裾を膝くらいまで上げて川に入る。

「つめたっ」

清妖川の水は夏でも冷たい。これも狐の妖怪のおかげなのかな。

 ざぶん。

いいおと。あっという間に桶の中は水で満たされる。

そのときだった。



 ぴちょん。



 静かな水の音が響いた。穂花はびっくりして顔を上げる。


 狐がいた。白くて尻尾の先が水色に染まっている美しい狐が。


 幻覚かと思って目を擦った瞬間、狐は何事もなかったかのように消えてしまっていた。




結局あれはなんだったのだろうか。穂花のただの幻覚なのかもしれない。

掃除する手も止まってしまい、穂花はその場に立ちすくんでいた。無理もない。

(狐の妖怪さんかなぁ。)

なぜかわからないけどそう感じる。

「とりあえず、休憩しよう。」

おじいちゃんが持たせてくれたお弁当箱を膝におく。

中身はおにぎりとサラダ、ハンバーグ。穂花の大好きなきゅうりの浅漬けときんぴらごぼうも入っている。

 そして油揚げが敷き詰められた容器がひとつ。

なんなんだこれは。まるで狐の食べ物じゃないか。

とりあえず封印しよう、なにも見ていない。

そう決めたのに。


「おい童。それをよこせ。」


どこからともなくそんな声が飛んできた。穂花は文字通り飛び上がった。誰だ。どこからだ。


「おい!どこをみておる!儂は目の前におるぞ!」

「めの、まえ…?」


穂花は叫びそうになるのをこらえるので限界だった。狐だ。狐がしゃべっている。

あの狐。さっき見たばっかりのあの狐。

「油揚げの敷き詰め方が清吉のものだったのでてっきり清吉の使いかと思ったが…」

「清吉?おじいちゃんのこと?」

清吉はおじいちゃんの名前だ。ていうか油揚げの敷き詰め方って。

穂花は油揚げをしげしげと見つめた。確かに、特徴がよく見える。一言で表すとぐちゃぐちゃ。いっぱい入ればよい、みたいな敷き詰め方だ。

「そうか、もう代替わりの時期か…」

狐が小さく呟いた。それを穂花は聞き逃さなかった。

「だいがわり?」

「そうじゃ。代替わり。」

「代々我の世話をするやつじゃ。神官や神職、巫女のことを言う。前までは清吉が神官だったんじゃ。」

狐は遠くを見つめた。また水のなる音がする。

「ていうか狐さんって神様だったんだね。」

「当たり前じゃろう!我はこの地を救った守護神ぞ!今までなんと思ってきたんじゃ!」

怒りのツボがわからないなぁ、この神様。穂花は呑気にそんなことを考える。

「と…とにかく!お主には我の神官になってもらいたいのじゃ!わかったか!この小童め…」

「わかった。」

「それ以外なんか言えんのか!普通は嬉しいーとか緊張するーとか言うもんじゃろ!」

狐が尻尾をぴーんと上げて吠えている。おもしろい。

「なんじゃその顔は!!我は見せ物ではあらぬ!おい!にやにやするのをやめろ!撫でるな!我はペットではない〜!!」

不憫な狐の声が森に響きわたった…

投稿は不定期です。できれば1週間に一度は投稿しようと思っています。読んでくださりありがとうございます!

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