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虫除けはケチったらあかん

「いやいや、拙僧あれくらいで死にはしませんぞ」


うん、息一つ乱れてないよね。

チラッと見た感じ、大きな乳牛ほどの大きさだったアラクネ2体を退けてこの余裕。

魔物よりもキミのがよっぽど恐ろしい。


このオッサン。

別に冒険者に学ぶ事なんか、なんにもないんじゃなかろうか?

さすが、A級相当のステータス。。。


錬金術師のふたりを連れて【迷いの森】を抜けた所でウーバイと合流。

鉄棍を肩に担いで、彼はのんびりと帰ってきたよ。



「それで、首尾はどうですかな?」


とりあえず【無限収納】のリストをみてみる。

このウィンドウも、近くにいる3人には全く見えてないようだな。

不思議なもんやな。


「束が、、24束だね。」


「 かなりいい品質のモノが採れましたよ」


流石に教会所属の錬金術師だけあって、アラクネの襲撃にもそんなにビビってない。

なかなかにグロかったと思うんだけど。

あと、逃げ足も速かったな。

通常の移動時の3倍は速かった。

トールさん並みだ。


「 目標の半分くらいですね」


そうかそうか。

もう一つの大きな群生地は、、地図で見るともっと西側の入り口から行ったほうが良さそうだな。

ぐるっと外周を回ってもそんな距離でもなさそうだ。


じゃあ、ここらで昼飯にでもするか。


【無限収納】(偽装中)からパンと肉串とスープを出して全員に配る。

パンはアビィのパンを焼き立てで保存してあるから、まじで美味い。

昨日の夜にも出したんだけど、錬金術師のふたりが絶賛していたな。

アイツまじで王都なんか行かんでいいんやけど。

リオレは製パン技術のレベルがかなり高いらしいのだけど、その中でもアビィのパンはかなり上位だ。

あの若さでコレだからな。スゴいもんだ。


「おお、ほういえばコレ、」


パンと肉を頬張ったウーバイくん。

懐からポンポンと出してきたのが、


☆名称 スパイダーシルク

☆等級 B++

☆LV ―――

☆アラクネが紡ぐ精錬前の生糸玉 


おー、ドロップしたんや。

異世界定番だと、この時点で既にツヤツヤのシルクみたいなのなんだろうけど、、これはどうにも。。

ゴワゴワ凸凹のソフトボールみたいや。

形も真ん丸でなく歪な球体で、色もシルクっぽい白さはない。


それが3つと、大きめの白い魔石が2つ。


凸凹ボールは、コレをちゃんと加工すれば高級品のスパイダーシルクになるんだろうけど、この世界ちょいちょい現実的なんだよなぁ。


なんていうか、思てたんと違う。


とはいえ、まあコレはパーティーの臨時収入ってヤツだ。 ありがたく【無限収納】に納めておく。



ん?

【無限収納】の奥の方でなんか言っとるな。



☆魔凰女ステリアの魔石(復活中)

☆等級 S−

☆LV ???

☆無念の最期を遂げ、呪いを発動し終え役割を果たした魔王族の魔石

質のよい魔石の薫りじゃ。 ふむアラクネか、悪くないのう。 妾の好みじゃな。



好み、ね。

はいはい。じゃ、今度お忍びで乱獲に来てやるよ。

今いれたのは、吸うんじゃないぞ?



☆魔凰女ステリアの魔石(復活中)

☆等級 S−

☆LV ???

☆無念の最期を遂げ、呪いを発動し終え役割を果たした魔王族の魔石

おおっ、言うてみるものじゃな。 さすがは我が下僕よの。



下僕になったつもりは、ないんやけどな。

ホンマにいっぺん【気化】させたろか。




結局その日はもう一回、別の群生地へトライして目標量プラスアルファを確保。

虫除け香を大量投入した結果、アラクネの襲撃はなかった。

初回の襲撃は、香を焚く量が少なかったのかな。。

ケチったらあかんてコトかい。







魔草採取の依頼をこなしてリオレに戻ってきた翌日。

朝からテンション高めのトールさんは、【鎚の響き】のクランハウス(鍛冶屋)にやってきた。


「おう、出来上がっとるぞ。」


朝から上半身裸のムキムキ角刈りマッチョのクランマスター、バッハさんが工房の受付に座ってる。

何か飲んでるけど、多分アレお酒だな。


このお方、ステータスで見ると264歳て出るんやけど、、どう見てもまだ60代前半くらいにしか見えん。

アールブといいドワルブといい、なんなのだろ?

長寿の種族特性とはいえ、生体の老化現象という物理化学の法則はどうなっとるんや。


受付裏の棚から、布に包まれた一振りの刀が取り出されて台の上に静かに置かれる。


漆のような光沢のある黒塗のシンプルな鞘に同色の下げ緒。

柄の拵えは革紐の菱巻で目貫も装飾なし。

鍔は小振りで透かしなし。

鞘の光沢がなければ、まるで忍者刀みたいだな。

全体を通して至ってシンプルなデザインだ。


うーん、注文通り!

菱巻とかよく再現できたな。


「こうやって拵えてみると、なかなかのもんじゃな」


うんうん、かっこいいよね日本刀。

鞘を手にとり、親指で鍔を押してやると少しの抵抗で(はばき)が覗いてくる。

銅製の一重鎺。これも装飾なしのシンプルなもの。


そのままゆっくりと刀身を抜き、目の前にかざす。

直刃の柾目肌。

刃は薄っすらと白く霞んで耀り、一点の翳りもない。


「 いや、もうイメージ通りですよ!」


トールさんのボワッとした説明で、よくぞここまで仕上げてくれました、って、ちょっと感動。

スキル【刀剣鍛冶】を長年磨き上げてきた長寿種族ならでは、だなー。

何の変哲もないシンプルな柄の拵えでも、しっくりと馴染んで握りに吸い付くようだ。


もーね、一刻でも早く実戦で使ってみたい。


「まあ拵えの細けえ部材はひと通り覚えたから、また何時でも造れる。 ただその本体は無理だからマメに手入れに持って来いよ? 」


いや、ホントにあざます。

次に来る時は、ちょっとイイ酒買ってきます!




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