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第62話

「何だったんでしょうね?」


「さ、さぁ……」


「調べたい事ができたって言ってましたけど……それに、何で暦さんの事を訊いてきたのか……」


 単純な答えを出すのであればカムリィの調べたい事とは暦に関する事である可能性は高い。直前にユエルに質問した事がその証拠だ。だが問題は何故気になっているのかだ。


「……まぁ私たちがいくら考えても、カムリィさんの脳内を覗きでもしない限り分からない事だと思いますので、今日はもう気にせず帰りましょうか……」


「ですね。今は取り敢えず蒼の異世界運用に集中したいと思います」


 結局カムリィは何を知ろうとしているのか、そして空久良を殺害した犯人の手掛かりは見つかるのか、様々なモヤモヤを残したまま二人は会議室を後にする。


 そして指示通り寄り道せずに帰宅したのだった。




 その頃転生協会内の某場所にある、モデルNの記録室では。


 マキナ、琴葉、その他残っている探偵署のメンバー十数人が視線をあちらこちらへと動かし、手掛かりを探していた。


 この記録室は学校の教室四個分程の広さがあり、入口以外は全てモニターで埋め尽くされている。天井・床・前後左右の壁、どこを見てもモニターだらけだ。全面鏡張りの部屋があるが、それのモニターバージョンのような状態である。


 そんなモニターに映し出されているのはモデルNの過去の様子が映し出された映像だ。


 どのモニターにどこの映像が映し出されるかはランダム。確認したい日時を設定できる事は救いだが、様々な所に目を光らせておかなければ見逃す可能性は大いにある。


 調査用に使用して欲しいと牢政からノアに送られてきた空久良の画像を頼りに探してはいるが、見つかる気配は微塵も無い。


「……ねぇ琴葉ちゃん」


「……」


「琴葉ちゃんってば~」


「うるさい、今話し掛けるな」


「うう……もう~~~やだッ! 頭痛くなってくるよ、こんなの! 無理ゲーじゃん!」


 どのモニターに注目すれば良いのかが分かればまだ楽なのだが、一つのモニターには複数の特定場所に関する映像が一定間隔で切り替わりながら映し出される。


 つまり空久良が殺害された現場を映し出しているモニターがどれなのかをまずは特定する必要がある訳だが、これがマキナの言うように無理ゲーに近い。


 切り替わる場所の数が少なければ良いのだが、彼女たちが確認している対象は一つの『世界』だ。先程から確認してはいるが、映し出されている映像の場所がループしている様子は一切無い。


 つまりそのモニターに映し出される場所の選択肢を最後まで確認できていないのだ。この膨大な量を日が跨ぐ前にやるなど一体何の冗談だろうか。


「口に出すと滅入るから敢えて言わなかったのに遂に言ったな? 大罪だぞ」


「そんな事言ったってさぁ……」


「さっきまでのやる気はどうした。司くんとユエルの期待に応えるんだろう? 特に司くんは友達を殺されたんだ。できれば自分の手で犯人を捕らえたい気持ちのはずなのに、それを押し殺して私たちに託した。弱音を吐く暇があったらモニターに集中するべきだ」


 正論パンチを放ちつつも琴葉はモニターからは決して目を逸らさない。

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