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第41話

『そう言えばマキナの奴、今回はどうやら例の男、司とか言ったか……そいつに興味津々のようで、張り切って調査してるぞ』


『あーそうらしいな。でもなかなか情報集まらなくて今日の夜辺りにでも実際に会ってみるって言ってたぞ』


「まさかと思って君たち三人を探していたら、ちょうどモデルNから戻って来たみたいでね。全てを察したよ」


 勝手に行動して司とユエルに迷惑を掛けたと思った琴葉は、マキナに鉄拳制裁を食らわせた訳だ。


「あ、あはは。ホントにお騒がせしました~」


 散々司とユエルを引っ掻き回したマキナを見て、琴葉はやれやれといった様子で更に彼女について補足説明をした。


「こいつは見ての通り、自由奔放で組織のきっちりとした決まりの元で動くのを嫌うタイプなんだ。当然、普通であればそんな奴切られそうなものだけど、マキナの場合無駄に実力が高いからな。切るのは惜しいって事で探偵署も見て見ぬふりをしているって訳さ。まぁそれだと他の人に示しがつかないから、独断で動いたもので転生協会に利益をもたらさない内容に関しては一切の報酬を払わないって条件付きだけどね」


 どうやらマキナが牢政と一緒の仕事を任せられていないのは、実力面ではなく性格面が災いしているからみたいだ。本人はその事に対して一切の不満を抱いていない様子だが、第三者視点で見るとせっかく実力があるのにもったいないと思ってしまう。


「自分でもダメな所だとは自覚してるんだけどね~。面白そうな依頼しか引き受けたくないんだよ。琴葉ちゃんから受けた依頼だって、面白そうだったから引き受けた訳だし」


「言ってたな。つまり私の依頼がつまらなかったら、今こうして君とご飯を食べてる事も無かったかも知れないな」


「えっと……要約するとマキナちゃんは社会不適合者って事で良いですか?」


「うっ……!」


 純粋無垢な瞳で刃物のような言葉を投げるユエルに、マキナは精神的ダメージを負う。大分クリティカルヒットしたようだ。


「ああ、ユエルの認識で間違いないよ」


「そこはフォローしてよ! 確かに司くんとユエルちゃんは私が興味持ったから調査と接触を試みた訳だけど、私だって普段は真面目に仕事してるよ!」


「それが普通なんだけどな」


「と言うか気になってたんだけど、君がそもそも僕たちに興味を持ったキッカケは何?」


 今回の騒ぎはマキナが司とユエルに興味を持ち、その結果起こった彼女の暴走なのは明らかになったが、これまで接点が無かったマキナが何故二人を知る事になったのか。その点は明らかになっていなかった。


「あーそれ? 一週間前に立てこもり事件あったでしょ? あの時私近くのビルに居たんだけど、その時に双眼鏡越しに司くんと目が合ってさ! こんなに距離離れてるのに気配察知されるなんてタダ者じゃないと思ってね。ついでに司くんと一緒に居たユエルちゃんも一緒に調べようと思って!」


「なるほどね。あの時誰かに見られていた気がしたけど気のせいじゃなかったのか」


「えっと……マキナちゃんは何でそんな場所に居たんですか?」


 ユエルの質問にマキナはよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに笑顔になる。


「お、気になっちゃう? ここだけの話だよ?」


 マキナは右手をくの字型にして頬に当てて内緒話をするポーズを取り、小声で話し始めた。マキナの口はとんでもなく軽そうだ。仮に探偵署の命令で何かしらの仕事をしていた最中だったのであれば、情報漏洩も甚だしい。


 だがさすがのマキナもそこまでバカでは無いだろう。ここまでは話して良いというラインをしっかりと見極めて話してくれるに違いない。

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