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第39話

 運が良い事にユエルは司の教育係で、今後も彼と一緒の時間を過ごす事が多くなるだろう。その過程で信頼関係を強固なものにし、司がユエルに対して完全に心を開いた時にでも話してくれるのを待つ事が一番な気がしてきた。


「優しいんですね、ユエル先輩は。ありがとうございます」


 会話に一区切りついたタイミングで、二人の座っているテーブルに二名の女性がやって来た。


「ごめん、待たせたな」


 声に反応して二人が横を見ると琴葉とマキナの姿が。


 四人が座るテーブルを司とユエルが決めてからまだ十分も経過していない為、到着が遅れたと言ってもほぼ同時のようなものだ。


「琴葉ちゃん! ……と、マキナちゃん。そんなに待ってないので大丈夫ですよ」


「そうか? なら良かった」


 そう言って琴葉が司の隣に、マキナがユエルの隣に座る。


「二人はもう何か注文したのかい?」


「まだです。二人が到着してからしようと思ってました」


「そっか、気を遣わせて悪いな。それじゃあ何か注文しようか。私の奢りだからって安いの選ぶ必要無いからな。自分の食べたいものを選んでくれ」


「だそうです、司くん。せっかくなので高いの選びましょう」


「あはは。これなんかどうです? めっちゃ美味しそうですよ」


「あ、良いですね。ついでにパフェも頼んじゃおうかな……」


「……太るぞ……」


 ボソリと呟いた琴葉の言葉にピクリと反応したユエルはそっとメニュー表を閉じた。


「やっぱりパフェは止めましょうか」


「え~? でもユエルちゃん……身長も胸もちっちゃいし、そんなの気にしないでもっと食べた方が良いと思うけどな~」


「~~~っ……お、大きなお世話です! 身長はともかく、つ、司くんも居るのに胸が小さいとか言わないでくださいよ……!」


 間違いなく司に聞かれたと思い、ユエルは赤面になりながら小声で捲くし立てる。


「ユエルちゃんは可愛い反応するね~」


「もう! 頭撫でないでください!」


 ユエルの頭をよしよしするマキナと何とかしてそれから逃げようとするユエル。初めて会った時はあんなにもマキナの事を警戒していたのに、今はそんな様子は微塵も無い。シスコンの姉とそんな姉を鬱陶しがる妹のようだ。


「おい。じゃれ合ってないで早く注文を確定させてくれ」


 琴葉の発言に二人はようやく戯れを止め、改めてメニュー表を見て食べたいものを決めた。その後琴葉が店員を呼んでオーダーを伝える。しばらくすると各々の料理が運ばれ、四人は雑談をしながらも食事を始めた。


「それじゃあ料理も運ばれてきた事だし、そろそろ本題に入ろうか。改めて二人に自己紹介を頼むぞ、マキナ」


「あ、うん!」


 マキナは三人の事を見ながら自分の所属部署や普段の活動について話し始めた。

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