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もしかして古典世界!?  ~転生平安姫は、元・東大志望の受験生! ガリ勉パワーで破滅エンドを回避せよ!  作者: 開かない扉
旧版(空蝉事件のあたりの旧版)⇒※23年12月8日~24年3月7日まで連載したもの。新版と展開が異なります
23/35

※【内容刷新工事中】第二十一節 頭の中将より事件の概略説明

R15指定は、一応念のために設定。

(『源氏物語』を取り扱う関係上、恋愛・性愛関係描写が出てきてしまうため)

基本、ドタバタコメディー(時々シリアスあり)です。

※この小説はあくまでフィクションであり、登場する歴史的事件、人物、企業名、大学名などは実在する同名のものとは別存在であるとお考え下さい。


【2023年11月27日連載開始】

**********現在・工事中です**********


※作品内容向上のため、現在(24年3月7日~13日まで)、大鉈振るって改良工事を行っております。空蝉事件編があまりに長期化したため、この部分の縮小・短縮化を図ることで、物語全体として流れ良く読みやすく改良したいという意図です。

(空蝉事件開始のあたりから短縮・改良版に置き換える予定です。付随して宇治・讃岐編も縮小予定)


※その結果、ここまでリアタイで読んで下さった読者様には、ご不便をおかけ致しますことをお詫び申し上げます。ご不便内容の具体例としては、大鉈振るった結果、物語の流れが変わる部分や削られたエピソードが出てくる可能性がございます。また、感想をお寄せ下さった方には非常に申し訳ないことに、一話削るとその話に寄せられた感想部分まで削られてしまう可能性があり、その点も心よりお詫び申し上げます。(感想が削られない方向を模索してみますが、その場合、掲載話と感想部分がズレるなどの現象が起こるかもしれません。)

※工事期間は3月13日までを予定しており、14日より新バージョンでの連載再開を予定しております。


※24年3月7日まで公開されていたバージョンは「旧版」としてどこかに保管する予定ですが、その中で公開されているネタは、新バージョンでの展開にて再利用される場合がございます。


**********現在・工事中です**********




【以下、旧版です】


 第二十一節 頭の中将より事件の概略説明


 で、そこから先は、一応今回の事件の事情聴取の席だというので、私も椿の介助を受けながら起き上がって姿勢を正そうとしたら「お前は/君は、休んでいろ!」と兄様と師匠の声が揃っちゃう感じで制止され、再び横にならされた。

 「話すのも基本的に俺や二の宮がやるから、お前は本当に休んで、耳でだけ聞いていろ」と、追加指示も降って来た。

 どうやら過保護にも私は本当に病人扱いらしい。爆弾の件も、もっとこっぴどく絞られるかと思いきや、割と軽く撫でられた程度で終わった。それは心より「良かったー!」なのだけれど。

 ――師匠が私の体調が悪そうだってことを盾にだいぶ庇ってくれたからだよね。ありがとう、光る君の師匠~! 少年、最近、ほんと、頼りになるようになってきたね! 大人の階段はそういう風に(以下略)。

 兄はまたガシガシと烏帽子の外側を擦り、暫し話しの出だしを考え込んでいたが、よしと一声、膝を叩き、今回の事件概要から話し出した。

「まずは、昨日の紀伊の介の屋敷での件だ。そもそも、最近、京の町中では景気の上昇とともに流民流入、強盗、かどわかし、人身売買など治安が悪化してきていた。それらは単発で起こっているというよりも賊徒という形で組織的かつ計画的な襲撃であることも分かっていた。そのため、京の市中は検非違使と六衛府、京職まで巻き込んで、合同で夜間見回りが強化されていた。――確か、弾正台にも話が行ってたはずだ。俺自身、あの日は、その夜間見回り当番に当たっていた」

 ――ああ、ハイ、兄様、これは確かにそんなこと言ってましたね。光る君の方違えに追いつこうと必死だった、あの行きの牛車の中で。私は源氏物語の空蝉の章を復習に忙しくて耳から耳へ聞き流してたけど。

 そして、ここで、光る君は、

「確かに景気動向上昇故の市中の治安悪化の話だけは来ていたな。だが、景気が上向きであるという良い報告に力点が置かれた報告で、六衛府や検非違使らが動きを揃えて夜回りまでしているとまでは知らなかった。知っていれば、あの日も悠長に方違えなどしている場合ではないと、家臣らを制したはずだ。更に言えば、厄介事を引き起こしそうな二の姫の同行なぞ許したはずもない。……そこは、我の油断であった」

 と述懐した。

 ――厄介事を……って、なんで、私の周囲の皆さん、判で押したかのようにその手のこと言うかな!? 私、そこまでお騒がせ役じゃないでしょうに!?

「ま、霜台そうだいへの報告はいつもそんな感じでおざなりな事後承諾だからな。しかも、その夜間の見回りというのも、ごく最近になっていきなり決まったことだ。で、見回りの内容としては、それまで発生していたいくつかの強盗や拐かし事件から、京の町中にあるいくつかの貴族の屋敷が賊の根城の可能性ありという目星が付けられていた。で、実は、その目星が付けられた屋敷群の中に、()()紀伊の介の館もあったんだよ。俺も、昨晩、見回り当番に招集されてからはじめて知ったんだが。それで、悪い予感がしてその地域の見回りを買ってみてみれば、火の手が出るわ、爆発はおこるわ、で、これは絶対、お前らが何かやらかしたと踏んで、最初に飛び込んでみれば案の定だった訳だ」

「そこで『お前ら』という言い方はおかしかろう。爆発騒ぎにまで至った原因は、其方の妹が作っているのだから」

「……二の宮、自覚ないようなんで言っとくが、お前も結構、面倒事巻き起こす側の人間なんだぞ! ついでに、一昨日の時点じゃお前自身認めてたろうが、なんだっけか? 『二の姫が奇妙な行動を取っていたのに放置した』だったな。おい、そうだ、ここで、その『奇妙な行動をとった姫君』とやらから話を聞かんとなるまい。紫葵子しきこ! こればかりは自分で弁明しろ!」

 と、ここで、ついに、閻魔大王の評定の場が来てしまった。

 私は、仕方なく、できる限り何でもないという風の口調を装いながら話し始めた。

「えーと、ですね、弁明も何もなく、あれは事故です。 盗難と事故が重なったのです。 そもそも、あれらを盗んだ紀伊の介が悪いのです。 火の中に投げ入れたのだって、結局、紀伊の介がやったことですし、私は何も悪くありません!」

「紫葵子、お前、それ、親父やお袋様の前でも胸張ってちゃんと言えるのか? 自分は何も悪くないだぁ?」

「その言い訳が、検非違使や弾正台の公式の取り調べにも通用すると思うのだろうか、二の姫」

 兄と夫、双方に揃って退路を塞がれた。うぐぐぐぐ。

 仕方なく、誤魔化しではなくちゃんとした事情説明をすることにする。

「分かりました、ちゃんと弁明試みます! あの『ごく軽い爆発』はですね、だいぶ前に、その、私、お母様の主催される香の道の会で『今まで誰も作ったことのない新しいお香』というのを披露しなくてはならないという課題を頂いた折に作成したお香を紀伊の介が誤って火の中に投入したから起きたものです。課題を頂いたのは、まだ宇治のお祖父様のところにいた時分のお話です。今まで誰も作ったことのないという壮大なお題を頂いてしまったことで私も当時だいぶ気合いを入れておりまして、色々な調号を試していたところ、偶然出来てしまった代物なんです。香に奥行き感を演出するために、普段は使わない硫黄なども材料に入れて練り合わせてみたのですが……。ただ、それを香炉にくべてみましたところ、少しその……軽い爆発が起きまして、それでこれは多少危険かな~と思い、それ以来、髪箱の奥底に入れて厳重に保管してあったのです。ただ、あまりに前のことなので、わたくし自身、その存在を忘れておりました。最後に見た記憶は讃岐の田舎屋敷の方にある自室の塗り籠めの中でしたが、それがまさか盗難にあっていたなど夢にも思いませんでした! ついでに、それを酔っ払って直接火の中に投げ込む人が出るなんて想像もできませんでした!」

 このあたり、嘘も言ってないが本当のところ全部も言っていない。硫黄の香りで平安人の体臭のマスキング効果を狙っていたなんて、どう説明したって分かって貰える気がしないからだ。

「おい、その偶然出来た『軽い爆発』を起こす香が、中流貴族邸宅の門をまる半分も吹き飛ばすのかよ!? それに厳重に保管だ? 厳重って言っている時点でお前自身それが危ないと思ったって証拠だろうが! ついでに、厳重に保管したつもりなら最後まで責任持て! 肌身離さずとまでは言わんが……というか、お前なんかにそんな代物歩かせたら何が起こるか分からんからそれはしなくていいが、だが、目の届くところで管理するのが普通だろうが!」

「だいたい、そうした新種の火器を製造したにも関わらず、君は、家族にそれを相談したり、国にその技術を申し出ることもしなかったわけか」

 兄と夫がまた揃って私の退路を塞ぎに来た。

「そんな! 申請とかそういう仕組みなんて知りませんし、そういうものなのですか!? 何かを偶然発明してしまったら、それはすぐにお役所に届けるものなのですか!? 発明家は悪なのですか!? それに、本当に香炉がパンッと言って爆ぜるくらいだったんですよ? 部屋の壁も天井も焼いてません! あんなの、子供の玩具おもちゃに毛が生えたくらいの物という認識でした! ええそうですよ! ちょっとは危ないと思っておりました! でも、ちょっとくらいなので、いつの間にか忘れてしまう程度の存在でした!」

 そう言いながら思わず起き上がってしまい、その結果、かなり咳き込んだ。

 ――あれ? 私、やっぱり一昨日のこと、結構、身体にきてる?

 すぐに椿と楓が寄って来て、背中を擦ってくれる。

 母娘おやこ女房二人より「少しは姫様のお体をお考えください」「二の宮様などは最初は姫様のお体庇って下さって、ちょっとは見直しておりましたのに、結局、何なんです!」と冷たい視線と言葉を投げかけられ、男性陣二人は流石に気まずそうに首を傾げた。

 その後、また、兄がいつもの癖で、烏帽子の横をガシガシと擦る音がした。

「……公に届け出るかはともかく、家の者にはちゃんと連絡して、相談しろ。どうせ、俺やお袋様に雷飛ばされるのが嫌だったんだろうがな。だいたい、何が、香炉がパンッだ。思い出したぞ、お前それ、宇治の祖父様じいさまが大切にしてた唐代の青磁のやつだろ。『いつの間にか失せていたのだが、あれはご先祖様がお持ちになったんだろうか』とか、祖父様言い出して、ついにボケが始まったかと、こっちが一瞬焦ったが。あの時のアレだな!」

「今後は、私にも必ず報告が欲しい。事後報告だけでなく、対処法の相談もして欲しいと思うが。それに、壁や天井を焼きさえしなければ問題ないというその発想が、そもそも問題だということを認識して欲しい」

 ――そう言われたって、報告出来るものと報告出来ないものがあるんですよーってば! 未来関連のものは、どうしたって報・連・相なんか出来ませんし! 

 私は、そう心の中であかんべーをしておいた。だが、兄たちに当然それは伝わることはない。

「取り敢えずそのごく軽い爆発を起こす新種の香とやらの残りは俺のところに……いや、一端はお袋様預かりとするか。そもそもお袋様の命で新しい香を作ろうとしてたって話だからな。あそこに置いておけば、変なことになりはしないだろう。いずれ検非違使側から提出を求められるだろうが、それまでは一端、皇妹こうまい大宮様預かりだ」

「盗難にあったということを主張するならば正式にそう届けた方がいいだろう。ただ、そうなると、あそこに一緒にあった品々との関連性を説明せねばならないだろうが」

「うーん、ああ、()()、な。まあ、その、なんだ、二の宮、お前も薄々気付いてるんだろうが……だから、あの時、俺にこの麻袋を渡したんだろうが……。この件、ちょっと話せば長くなるんだが、いいか? ただ、これを聞いたら、二の宮、お前、本当に降りられなくなるぜ」

 兄は懐から例の千両箱から一つだけ持ち出した麻袋を出すと、床の上にポンと置いた。

「くどい。それに、もう既に十分、降りられない情況であろう。ならば、こちらも腹をくくるしかあるまい。大量の盗品と思しき品が入った木箱が積み上げられたる中に、我が妻の個人紋である葵紋の入った髪箱も入っていたのだ。そこには一定の関連があると考えるのが普通だろう。あれらの品に、我が妻と我が婚家たる左大臣家がどう関わってくるのか。そこは詳らかにして貰おうか。これは私自身の引責問題ともなりうる話なのだから」

 ――あ、あー、そういう意味で「妻」だと認めてからでないと話が進まないって言ってたのかぁ……。ううう、ごめんなさい、師匠。でも、その件では、私、「そんなに」悪くないはずです、特にあの塗り籠めの中の品物については。

「あー、だからな、その、そこで猫の髭を弄ってる『奇妙な行動ばかり取る姫君』な、こいつは、ある意味この件の中心人物だが、同時に被害者でもあるんだよ。あの屋敷から出て来たあの木箱入りの砂糖や塩や麦な、あれ、全部、こいつのものだ。うちの、左大臣家のものっていうより、紫葵子個人のものだからな。昨晩、讃岐に早馬で問い合わせたが、確かに大量になくなってたらしい。こいつは、下の者へも分け隔てなく接するのはいいんだが行きすぎているところがあるかなら。田舎屋敷にも里人の出入りを盛んにさせてたから、そういう隙を突かれたんだろう」

「二の姫個人の? あの純度の高い砂糖や塩などが全て? ああした純度の高い製品は現状大陸からの輸入に頼らざるを得ないと思うが、まさか、左大臣家が昨今世を騒がせている瀬戸の内海での海賊騒動に加担を……? 確か、つい最近、太宰府から海賊横行の報があった筈だが」

「いやいやいや、だから、あれはくに産なんかじゃない。瀬戸内海賊か……それも今回の件の実行部隊として一部に関係してくるかも知れないが、俺たちがその海賊行為に加担をしている訳じゃない」

 兄は、ここで一度言葉を切り、桧扇をパタンと畳むとそれで私の方を指して来た。

「こいつはな、持ってるんだよ。讃岐の山奥に。甘く蕩ける蜜を出す、黄金の竹林をな」

次回更新予定:明日朝8時頃 (基本、毎日更新です)


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― 新着の感想 ―
[一言] 塩と砂糖の精製技術を、現代から持ち込んだんですね。 それが今後どう影響するのか、楽しみですね
[良い点] あ!いけないいけない。面白くて先が気になって、感想入れずに進みかけました。うーん、一気に読ませるなぁ。すごい!
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