13.異形
メポリー姫 魔法立国グリンダムヴァルドの正統後継者。赤い髪で気性が荒い
ミラ 魔導師。ギルー25世からメポリー姫のおそば付き兼監視役に任命される。青い髪でボブカット
マハ 東方隷国の邪鬼。低級邪鬼との蔑称で呼ばれる。タコのような腕を6本もち、鉄仮面の風貌。目が飛び出ている。いわゆる雑魚扱いだがシーザノゥム村の戦いでは改良型が投入されている。
早河義之 陰キャ高校生。魔法立国グリンダムヴァルドの救世主と期待?されている。
「あれってマハですよね・・?」
ミラは呆れていた。口調に怒気が感じられる。
「冒険者ども、あんな雑魚にボコられたんでしょうか?」
「いや・・たぶん普段のマハと違うわ。おそらくモデルチェンジしたタイプよ、目の可動域が以前よりかなり拡がっている。ニュータイプを投入したんだ。やるわね。」
メポリー姫は何故かウキウキした口調で話す。
マハ──卵のようなツルんとした丸い顔面が黒光りしていた。異様に鋭い吊りあがった黄色い目がクルマのドアミラーみたいに顔の真横についている。輪郭からはみ出したその目は、姫の言うとおり、360度四方八方に動く。鼻や口は見あたらない。真っ白な獅子舞風の頭髪?は、たいして風も吹いてないのにしきりに後ろになびいていた。
(TMレボルーションみたい・・)
肩口からはタコみたいなオレンジ色の腕?それとも触手か?──三本生えていて、合計6本の腕がニョロニョロ蠢いている。腕じたいに意思があり勝手に動いているようだった。脚だけは普通に人間と同じく2本。そんな奇怪な生きもの?がおよその数で200?はいた。
(オシッコちびりそうだ)
「どうやら一戦交えるつもりみたいですよ、ヤツら」
ゆらゆら動き出した異形の者たちを見てミラが呟く。
「応援呼ばないつもり?アタシらも舐められたもんね」
メポリー姫は腰に手をやってひたすら前方を視つめている。
「低級冒険者と一緒にしてもらっちゃ困るんですけど!」
ミラが左翼へスッと移動した。
彼女の動きを察知し、マハの半分が進路を変えた。グングンとミラに向かって進んでくる。
「よしよし、教科書どうりね」
ミラの動きを見てメポリー姫は右翼に動く。
「えぇ!」
ミラと早河、同時に声をあげた。
早河の場合、声というより悲鳴に近かった。彼はいま広場のど真ん中で孤立していた。
(ひ、ひとりぼっちじゃないか・・)
「坊やの護衛は!?」
ミラが大声でメポリー姫に呼びかけている。メポリー姫は黙ったままだ。
「姫っ!」
それでもメポリー姫はガン無視。
「おお・・うぅ」
(もう化け物どもが間近に迫ってるだろうが!異世界の先輩なんだから新人を助けろってば!)
先頭のマハが早河をロックオンした。
昆虫じみた顔が近づいてくる。ソイツの醜悪な姿から目を離せなかった。
マハの触手?が回転しだした。
(もうダメ・・得体の知れないモンスターに殺され、早河義之の短い一生は終わる、17歳でご臨終か・・父ちゃん母ちゃん、ポンコツ息子でずいぶん迷惑かけたな。焔サン・・どまともに口利けたことなかったけど・・先にあの世で待ってるよ・・)
早河は目をつぶり観念した。(最期の瞬間に見るもの、どうせロクなもんじゃない)
「クッ!そおっ」
ミラの怒号がすぐ傍で聞こえた。
〈ヒューン!〉
悲鳴か?
いや、タイヤから空気が抜けてくとき、こんな音がした。
恐る恐る早河は目を開けた。(あらら?化けモンたちどうしちゃったの?)
目の前に迫っていたマハの群れが少しづ下がっていく。
「なんだこりゃ?!」
炎に包まれた触手が地面を転がってるのが見えた。
「姫さまっ!」
再びミラがメポリー姫に呼びかける。
必死の形相をしていた。彼女のスカイブルーのショートヘアー、心なしか逆立ってるように見えた。
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