第19話 悪役令嬢の末路
暗い。
寒い。
カビ臭い。
どうして私はこんな牢屋に入れられているの?
どうして私は鎖に繋がれているの?
どうして私はこんな汚い服を着させられているの?
どうして私はこんな貧乏人が食べるような、ゴミみたいな食事しか出来ないの?
どうして誰も私を助けてくれないの? お父様は? お母様は? 使用人達は?
私はディアナ・ハーウェイ。優秀な魔力と美しい美貌を持ち、皆に愛されるべく生まれた、選ばれし人間……それなのに、どうして私がこんな目に合わないといけないの?
私は何も悪い事はしていない……全部あのバケモノが悪いのよ。勝手に人の心を盗み見る人間……そんな気持ちの悪い人間がいたら、駆除しようとするのは当然でしょう? だから私が幼い頃からやっていた事は正当なのよ。
だというのに……あの忌々しい男が……二人目のバケモノが来てから全てが変わった。あいつのせいで……全てが狂った。
そうよ、悪いのは全てあのバケモノ達よ! あいつらが私の人生を狂わせたのよ! いいえ違う……あいつらだけじゃない……こんな事を提案したお父様とお母様のせいよ! 誰も止めてくれなかった使用人達のせいよ!
「私は何も悪くない……だから早く出しなさい! 出しなさいよぉ!! ねぇぇぇぇ!! もうこんな所にいたくないよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「黙れ! 貴様は刑期が終わるまで外に出る事は叶わん! 諦めろ!」
「刑期っていつよ!? 明日!? 明後日!?」
「さあな。少なくとも数十年単位なのは間違いないだろう」
数十年!? そんなに長い間、こんな牢屋にいないといけないなんて……私の人生、もう終わったも同然じゃない!
なんで……そうか、わかったわ! これは私の才能と美貌に嫉妬したバケモノ共や家族達の仕組んだ罠なのよ!
あは、あはははは! あははははははははは!! そうよ!! 私は悪くないのに牢屋に入れられる理由なんて、それくらいしか思いつかない!!
そうとわかれば話は早いわ! さっさとこんな牢屋は脱出して、私を不幸にした連中を全員いたぶりにいたぶってから殺してあげないと!!
「殺さなきゃ……レックスはアイリスの前で殺して……絶望で泣き叫ぶアイリスをそのまま殺して……そのあとはお父様とお母様を……そうね、風のナイフで惨殺して、使用人は全員首を……」
――あっ。
「あぁ……あぁぁぁ……熱い……熱いよぉ!!」
身体が……燃えるように熱い! 熱いよぉ! なんで……なんでまたあのバケモノが……青い炎の龍が私の前にいるの!? いや、来ないで……来ないでよぉ!!
「死にたくない……死にたくないよぉ!! ここから出してぇ!! お父様ぁ!! お母様ぁ! アイリスぅ!! 早く助けてよぉぉぉぉぉ!!!」
あぁ、私の大切な物が燃えていく……綺麗なお洋服も、大切にしていた本も! 跡形もなく消えていく! なのに……なのにどうしてバケモノは、笑いながら私を見ているの? 笑ってないで助けてよぉ!
あぁ……あつい……許さないわ……! こんな龍なんて倒して、末代まで呪ってやるんだから……それが嫌なら! 早く助けにきてよぉぉぉぉぉ怖いよぉぉぉぉぉ!!!
「お願い助けて! ここから出して! そうじゃないと、私……あの青い炎の龍に……!? いや、やめてこないで……ぎぃぁぁぁぁぁ熱い熱いあついぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
「そろそろ見張りの交代だ。って……今日は随分と大人しいな……」
「また例の発作で幻覚を見てたみたいだぜ」
「あーいつものか。泡吹いて倒れてちゃってまあ……今日は小便まで漏らしてるじゃねーか。確か、恐怖で完全に頭がおかしくなっちまったんだよな。えーっと、青い炎の龍……だったか?」
「そうそう。あんなになっちまうくらい恐怖だったんだろ。近いうちに完全に精神がぶっ壊れて終わりだろうな。まあ……人の幸せを奪うような事をした女には、お似合いの末路って奴だろうよ」
「なんだか哀れなもんだぜ……バケモノだなんだと言っていたが、こいつが一番哀れで救いようのないバケモノじゃねーか……」
ここまで読んでいただきありがとうございました! 次回で最終回となります!
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