表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

新たな発見と自主研修内容

第一部、二部を読んでない方はぜひ先に読んでいただけると嬉しいです。


目を覚ました桜乃はまた同じ夢の世界へ。

そして着いた場所はホテルらしいがなんだか妙だ。

そこで彼は何を見つけるのだろうか。

ふわぁ…よく寝た。さて、夢の世界に来れたかな?

周りを見るとあの夢のバスの中だった。晴也と黒もいる。よし。とりあえずここに戻って来れた。ここからどうしたものかと考えていると、

「よーしお前ら着いたぞー。手荷物忘れるなよー。」

と先生がやや大きめの声で言った。

北海道にバス一本で着いたのか?まぁ夢の中だしそんなものか。

窓の外を見てみるとやたらとデカい建物が建っていた。

「うわーめっちゃでけぇ!これが俺らのホテルか!」

黒が言う。ホテルだって!?こんなゴツい建物が?

四角の塊が何個も積み重なってできたみたいなこれが?

でも他のみんなも特別おかしな反応をしてるわけでは無いし…とりあえずみんなについて行くことにした。

荷物といっても何も持って来てないよなと思いポケットを確認するとスマホが入っていた。これ俺のじゃん。中身もそのまま。寝る前にポケットに入れたのか?まぁいいか。これしか俺の荷物は無さそうだな。みんなが荷物を受け取っている列をスルーして進んでいると

「おい桜乃!お前の荷物あるぞー。」

先生がそう言う。俺の荷物?そんなのあるわけないが近くに行ってそれを見るとそこには

[白山 透華]

と書かれたキーホルダーが付いていた。

なんだこれ。このキーホルダーはかなり大きいため目立つ。だから名前も見えるはずなのに、なぜ俺の荷物だと先生は言ったのだろうか。気になるがみんなに遅れて不審がられても困るので列に戻った。


中に入ると外見とは真逆のいかにもホテルって感じのエントランスがあった。みんなで受付の前に集まって挨拶をする。クラス代表の晴也が軽く感謝の言葉を言った後にみんなで

「よろしくお願いします!」

とホテルのスタッフさんに挨拶をすると、

「こちらこそよろしくお願い致します。皆さんの旅に支障が出ないようこちらも全力でサポートさせていただきます。ご迷惑をお掛けしないよう配慮致します。素敵な時間を過ごしてください」

とスタッフさんが言った。何とも丁寧な挨拶だ。しかし少し引っかかるところがあったがみんなも移動し始めたのでスタッフには聞けなかった。階段を上がってホテル内を見回していると何か妙な感じがした。


「413号室は…ここだ!」

晴也が勢いよく開けると、大きめの窓から日光が差し込んでいた。少し眩しいな。

「おお!俺らの部屋広いな!」

晴也がテンションを上げて叫ぶ。もう少し静かにして欲しいが気持ちはわかる。中学生が泊まるにはかなり広い部屋だった。

ん?左右にドアが…。開けてみるとそこにはもう一つ同じような部屋があった。てことは逆も同じか、と振り返ってみると、

「おお!こっちもでけぇ部屋だ!ここは俺の部屋だ!」

黒がすでに開けてはしゃいでいた。各部屋同場所に窓があるのか。真ん中の部屋の窓が少し大きいかな。じゃあ俺はこの入って右側の部屋にするか。ベッドの上に座って少し考えてみる。

[過去を変える]

これが一体何を意味しているのか。俺の記憶と大切な存在がヒントだとあのメールでは言っていたが、未だに何もわからない。今分かっているのは、ゴツいホテルに泊まるということだけだ。

そういえばさっき貰った謎の荷物があったな。たかが修学旅行でこんなスーツケース使うか?デカすぎるだろ。あのキーホルダーもちゃんと付いてるし。中を開けてみると、1番上に「修学旅行のしおり」と書いてある冊子があった。あれ?1回目の夢の時に貰ったやつとはまた別なのか?とりあえず少し読んでみるか。見てみると1ページめに目次があって、その次にホテルの案内が書いてあった。ん?なんだこれは。俺はこの部屋に入る前からあった違和感の正体に気づく。

まず、このホテルは13階建てだ。ちょっと高い気もするが、それよりも注目すべきことがこのホテルが全て同じに作られているということだ。つまり全く同じ作りの部屋が全く同じ構造で並んだ階が13階まであるということ。しかも向かいの部屋がなく曲がり角もないので、廊下は一直線。全ての部屋の窓やドアのある方向も同じだ。玄関に入る方向と1番大きな窓がある方向が同じっぽいな。不気味だ。こんなホテル今まで見たことないぞ。こんなに機械的なホテルがあるのか。ちなみに3階から5階が男子で、6階から8階が女子だ。次のページにはこんなことが書いてあった。




➖自主研修について➖


皆さんには2日目からホテル近郊内で自主研修を行ってもらいます。あらかじめ決められた13カ所の中の2〜5カ所選んでもらいます。そこで現地の人と一緒にここでしか出来ない体験をしたり、話を聞いてきて下さい。後日ポスターにまとめるので、しっかりとメモ等を取ってください。また、次の条件を守って行動してください。


条件1

決められた範囲から出ないこと。範囲はホテル一帯を囲んでいる森までとします


条件2

何らかの原因で班員が動けなくなったり、はぐれてしまった場合は即自主研修を中止とします。すぐに先生に連絡して、事情のない生徒だけでホテルまで戻ってきてください。


条件3

自主研修初日にみんなに配られるキーホルダーを常にカバンもしくは自分の体に着けてください。カバンの場合は、カバンを自分から離さないでください。何らかの原因によりキーホルダーが外れたり、壊れたりした場合は音が鳴るのでその場で先生またはホテルスタッフが来るのを待っていてください。


以上の3つの条件を守られなかったり許可なく勝手な行動をとった場合は自主研修を中止させ、ホテルで課題を行ってもらいます。

➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖



これが自主研修なのか。やけに監視体制が整った中でやらされるんだな。そんなにここは危険なのか?

そう思いながら次のページをめくると次のことが書いてあった。




➖場所一覧➖


1 東側にある「サンサン牧場」

2 北側にある畑地帯

3 西側にある「北海道スタジアム」

4 ホテルからすぐ近くの「北公園」

5 南側にある海と海の家「H of S」

6 北東側にあるガランサスの花畑

7 北西側にある靴屋 「ナイスシューズ」

8 展望台「ポルックス」

9 釣り堀 「フィッシング」

10 映画館 「スペード」

11 廃校 「北海道立白谷高校」

12 プラネタリウム 「三ツ矢」

13 ホテルスタッフによる「ホテル近郊一周バスツアー」


この中から選んでください。

➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖ ➖




ページの1番下に消えかかった字で

[死を避けて]

とあった。


ご覧いただきありがとうございました。

良かったら感想など書いていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ