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知春
どうやら知春というのが俺の新たな名前らしい。意味は分からないが、前世の名前であるハロルディアも、愛称を付けるならハルとなるため不思議な縁を感じたものだ。
もっとも、そんな風に呼ばれたのは初めから壊滅させるつもりで一時的に潜入していた先でぐらいだが。
とにかく、知春として生を受けた俺であるが現在父が操作する車とやらの中にいる。母親がテレビという情報を得る機会を流しており、母と看護師たちの会話と統合して考察すると恐らく両親の家へと向かっているのだろう。
騒がしい病室とはお別れである。少しは静かになるだろうか。
ゆっくり休ませて欲しい。
そして、ゆっくり考察させて欲しい。