第一部 ニートな俺たち 第9話 意志を強く持て....、明日をはばたけ、ニート!!
お久しぶりです。いろいろとお話の構成に悩み更新が遅くなりました。久々に書いたので話数が程よく増えたらでもいいので読んで頂けたら嬉しいです。よろしくお願い致します。
...いかんせん我、就職先がないでござる.....‼‼
...気づけば、陽は沈み、公園の時計が夜中の10時であることを示していた...。
そうやって、俺は就職先を探していた......。流石に年齢も既におっさん後半ないい年であるため、もう企業にいい待遇での人材採用は正直諦めている...。
いい年こいたおっさんがリストラされて就活に困るホームレスおっさんという構図が簡単に目に浮かぶほど、後先真っ暗なのは理解できた...。
「...この先、どうしようか......。貯金も残りわずか、270円しか入っていない...。昼食うどんくらいしか食うものがない...。」
俺はハアッ...っと溜息を尽きながら、腰かけていたベンチから立ちあがり、公園の近くに隣接してあるトイレに入った。それから、再び鏡に向かい、洗面台の蛇口をひねると、ちょろちょろっと水が流れ、その水を掬い上げた俺は顔にバッシャッとかけた。
そこには、疲れ果てている老けた白髪混じりの黒髪が生え、額、口角に皺が増えた顔が見えた...。
今まで、労働基準法ギリギリ守らないスタイルで働いていた我が社との雇用関係はハッキリ言って切られているため、今の俺にはもう関係ない......。
しかし、これからの生活が問題だ.....。この生活は永遠に続けるわけにはいかない...、というか出来ないが正しいが...、これからの生活をどう過ごせばいい?“安全雇用労働法人巨大統計情報回路(あんぜんこようろうどうほうじんきょだいとうけいじょうほうかいろ)システム"が会社の適正診断に使用されるが....、今の俺の適正診断は現在の都道府県の各企業マッチングを行ったが、全部不合格だった...。
....実際、このままではどうしようもない、と思い、人材派遣案内所を受診して面接を行ってみたが....。
「....結局、面接官が前会社に所属していた同期でなければ.....、このようなことにはならなかったかもな.......。」
.....俺が勤めていた会社でも悪い意味で有名であった同期の一人で、正直言うと嫌な奴だった...。何かとこちらに喧嘩を吹っかけてきては、それを平謝りでスルーしたり、年実上司の罵倒に耐えていた俺にとっても、いつも通り、嫌な感じでからんできて、正直なところ、精神的に負担が重くなったので正直、あのころは会社に出社するのに抵抗があった記憶が長きにわたり、思い出として残っている....。
...しかし、同期は途中で会社を辞めていき、別の企業に採用された通知を彼が請け負った際に、かなりバカにされたことは今でも覚えている.....。
少なからず、キャリア内容、家族のことに関してバカにされた挙句、自身の実家の自慢や昇進で立場がいいから、お前とは住んでいる世界が違う、俺の方が格上というマウントをとってきたことは印象深く、忘れるものはいないだろう....。
「...はあっ...、俺もあのときに転職して別のキャリアを形成すれば良かったかな...?
...いや、今言っても意味がないだろう...、さてと、また職を探さねばならないな...。...それか、家に帰って土下座で仕事をもらって手伝うか...。」
俺は肩を少し落としながら、再びベンチの方に向かった。...しかし、どうやら今回は昨日とは違い、先客がいるようで、1人の20代くらいの若い黒髪長髪の青年が頭を抱えながら、ブツブツと呟きながら座っていた。
"...はて珍しい...。こんな辺鄙なところになんか近づきたくない暗めの雰囲気を持っている男がいるな...。しかも、今ではよく見ない感じのジャージを着ているし...、この区域では見ない感じの青年だ...。"
俺はそう思って回れ右して自身が来た道を戻ろうとしたが、それよりも好奇心が勝ってしまい、青年がいる方に向かい、足を進めた。そして、青年が座るベンチの横に座り話しかけた....。
「...こんばんは。こんな夜更けにどうしたんだい?」
「...っ!!」
声を掛けたら青年にギョッとした表情でにらまれた...。まあ、たしかに突然声かけられたら驚くよね、普通。そう思いながら、俺は座った姿勢のまま、その青年に話しかけようとした....その青年は一瞬だけではあるが、ギョッとした表情をした後、表情を戻し俺に話しかけてきた。
「...なんの用っすか...?今、めちゃくちゃ一人になりたい気分なんで放っておいて欲しいっすけど。」
この青年は仏超面で俺の事をにらみながらそう答えた。...やっぱりそう怪しいおっさんから話しかけられたらめちゃくちゃ警戒するよな、と俺は思いながらもこう話を切り出した...。
「忙しいところ悪いんだが、老害の愚痴に付き合っちゃくれんか。なに、あんたが忙しいとか、そういうの関係なしにあんたはこの老害の独り言をただたんに聞き流していけばいい。まあ、独り言っつても、リアクションは欲しいから、ウンとかスンとか相槌をすればいいだけの話だ。なあ、忙しくてもすぐにでも出来る簡単なことだろ?」
俺は少し口角を上げて、笑顔を作り青年にそう問いかけた。
「...はあっ..。分かったよ...。」
ただし、人生を無駄にかけてきた男の心に踏み込んでいき、今までの戯言を聞く覚悟はあるか?、と青年は俺に問いかけてきた...。
次回、ニートの過去について...