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拝啓、この終末世界のあなたへ....。元気でやっていますか?やってたら返事してもらってもいいですか?  作者: 桜兎の梅花
第一部 ニートな俺たち~家を追い出される編~
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第一部 ニートな俺たち 第6話 “お客様、今日のおススメのお酒はこちらです.....。....こちらのお酒にあうお話はいかがなさいましょうか?”

新しいキャラクター出てきます!!

また、更新が大幅に遅れてしまい、申し訳ございません!!

これからも頑張ります!!

“人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない”ーユリウス・カエサル 名言 現実

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....はあっ..。私は大きくため息を尽きながら、読んでいた本のページを閉じる....。

その本のタイトルは“あなたの視点を文字だらけにする本―――マニラ・愛羅・タイトマン 社畜講談社より”

と書かれていた...。...一日の半分がこの本で終わっていた...。正直全ページまで読んだが、軽く偉人の名言や格言が書かれていて、その中の言葉に著者の視点でシチュエーションを考え、それを紹介する、というような内容だ....


...ふと、私は意識を外に浮上させた。そろそろ先に頼んでおいたコーヒーが来てもおかしくないと思ったからである...。意識を浮上させ、いま自分が座っている椅子の周りを見てみると、....まず、最初に目がついたのが、こちらの近くまで料理の皿を運んで来ようとしているこの喫茶店の従業員である人物がこちらに向かってきてくれる........、いや...、正確にはそれは人物ではなく、ましてや人間でもない....。


...こちらに向かってくるのは一匹の金魚の形を模した形で立体的に形成されている折り紙がフヨフヨと空をまるで流れがなだらかの場所にいるかのごとく、何事もないかの如く泳いでこちらに大きな左びれでコーヒーカップが載っている皿を運んでくる.....。


......私はこの奇想天外な光景にはもう驚きはしなかった...。....正直、今の時代、一般市民区域に住んでいれば、この光景はよく見る光景であるからだ.....。


...この大和帝国では、3020年に、魔術の元となる“魔素”が科学的に証明された...。そこから魔術が研究分野として発展し、様々な技術が開発され、今や我々人類の生活には魔術や科学という技術は生活には欠かせなくなっている....。


今では、この一般市民区域に大和帝国が政府として経営している学園が数個あるほどだ...。今ではほとんどの国民が魔術を学び、私たちの脳に埋め込んである“マジックスキル・マイクロチップ”を通して、その恩恵を得ている...、と言っても、どうも皮肉なことに“身体魔術通信網・認証”、“ネットワーク・サバイバードライブ”、、“デバイス・オープン”という3種類の初級魔術だけだが...、まったくもって夢がない...。


そう私が皮肉り始めたときに、私の耳にこの店でかかっているジャズのBGMとカチャリという金属同士がぶつかったような音が私の思考を目の前の現実に引き戻した...。


....後ろにいるモヒカン頭をした大男が舌なめずりをしながら“カチャカチャカチャ”と皿に載っていたステーキをナイフで徐々に切断する音がするが、それとは関係ない音が横から聞こえた....。


“...キリマンジャロ・ババロアコーヒー、ホット一つでお待たせしました....。中がお熱いので、お気をるけてお飲みくださいクパッ...。”


目の前の金魚がパクパクと口から渋いダンディーなオヤジの声音を出しながら私の目の前にゆったりと前に向き、泳いできては右びれでコーヒーカップが載ったお皿を、私の机の上に、ゆっくりとした慣れた動作で置いてきた...。


目の前の金魚は私が本を読む手を止めてコーヒーカップが載った皿を机から受け取ると、その金魚はにこやかにダンディーなオヤジ声を出して、“ありがとうございます。”の一言を私に向けて発して、そのまま、踵をかえして空中を泳いで店にある厨房にゆったりとした動作で戻っていった...。


.......店の出口からは特徴的な呼びかけ声が店の中にいる私の耳に響いてきた...。


“......ここは、バー・フェアリーテイル。いろいろな地域に住まう方々の旅で起きた話、美談、歴史、童話等を収集しております。他にも何でも屋、広告などのお仕事にも精通したスタッフがいますのでどうかご安心ください。”


...その声は特徴のある10代前半の小学生低学年くらいの女の子が出す声質に近い声でありながらも、なぜか気分がほっこりするような声だった....。


“.....いつ聞いてもなぜ、こんなにも気分が安らぐのだろうか.....?”、と私は少し不思議に思いながらも、その宣伝声を聴きつつも、左手でコーヒーカップの取っ手をとり、カップに口をつけて一口、コーヒーを飲んでみた....。


“鼻に抜けるコーヒー独特の香ばしい香りがするが、口には少々、酸味が効いているのか、後味が少し酸っぱく、.....やっぱり苦みが濃かった...。”、と私は思いながらも、口に付けて飲んだコーヒーで喉を潤して、そのコーヒーを飲み干した後、そのコーヒーが入っていたカップをカップ皿に置いた。


ふと、天井についている液晶テレビを見た。そこでは最新速報で入った午後のニュースを紹介しているニュースキャスターと報道陣がとある女優の家に押し掛ける、との内容だった。


“よっぽど暇なんだな..."と内心思いながらも私は右手で持って読んでいた著書をもう一度読み直すことにした。だが、私はひとつのことが気がかりだった...。


“あの宣伝の声はどこできいたのだろうか?仕事を終えたら、ここのカフェ兼バーにもう一度寄ってみて、店主に聞いてみるか....。”と思考を巡らせている時だった.....。


........だが、しかし、その声の正体は、すぐに分かった。...正確には今見ていた天井に付いている液晶テレビに映っていた。...っていうか、問題の女優の部屋に突撃取材していた取材陣がたまたま隣室のテレビの映像を映してしまい、そこのテレビに大きく正体が映っていた。

...その正体は、人気バーチャルアイドル,愛羅あいら) 歌美うたみ)というバーチャルで活躍する2次元アイドルだった....。


.....私はよく仕事帰りにツイッターを開くのだが、そのよく見るツイッターのアカウントのネームがその2次元アイドルであり、彼女は歌が上手でかわいいイラストもリスナーのために書く企画も何個か行い、私もその絵を見ていつも癒されつつ、リスナーとしてコメントもたくさん送っている.....。


“ともかく彼女の書く絵が可愛い!!うん、それに尽きる!!”と、私はそう思いながら、自身が座っていた席を立ち、飲み終えたコーヒーカップをカップ皿と共にカウンター前に置いてある魔術式空間転移トレイポットに自身が持ち運んだコーヒーカップが載ったトレイを置いて、右腕についてあるデバイス魔術式ナンバーコードを扉についていた折り紙で出来た鯉型の式神に見せて、支払いをする......。


暫くしてから、鯉型の式神の目の前に四角い大きな青いパソコン画面のようなものが現れる。....これが、今までにも私達が当たり前にみるようになった“デバイス・オープン”という初等魔術だ。


その青い画面からは私が今飲んでいたコーヒーの値段が書かれている....。


“....568円か...。コーヒーの味は前に行ったメイド喫茶の方で出したのが良かったな...。”と内心思いつつも、私は店を後にした....。


これが私、犬山(いぬやま) (めぐみ)の何気ない日常の一コマである....。


“プルルルルッ!!....プルルルッッ!!” 


.....私の目の前にいきなり青緑の画面が電話機のマークと共に表示される...。私は慣れた様子でそれを見つつ、目の前にある青緑の画面に表示された電話機のマークをタッチした....。


すると、私の腕には00:00と表示され、その横にある私の手の甲部分には何かの円グラフが表示された後、電話相手である相手の名前が書かれていた....。


.....相手の名前は犬山(いぬやま) 無月(むげつ)...、私の母であり、元住職の公務員でありながらも、御年で150歳を過ぎており、見た目15~18歳の浴衣を着た婦人であり、人間としての常識を覆した魔術師である...、というのも、母は既に人間ではないのだが...。


「“....もしもし?....ちゃんと、目的地には着いた...?"」


私は、“うん、着いたよ”と相槌を打ちながら、返事をした。


「“....そう。無事について良かった.......。お母さん、心配で、心配で夜も眠れなかったんだから....、小狐(こきつね)ちゃんには案内はしてもらったの....?

.....まさか、一人でカフェに行ったの.....?"]


........はあっ...。私の母は過度な心配性である....。さすがにカフェに行くために私の数少ない友人の一人であり、現在、ある組織で働いている小狐ちゃんを連れまわしてはいけない....。それに、正直、一人で行くのには何の障害もない!!


......しかし、我が母の心配性は少々度が過ぎている....。だって、ほらすぐに....。


「“.......分かった...。小狐ちゃんを連れてないのなら、私が自ら赴きますので....、利口にして待っててね........。”」


という感じに背筋がゾクッとするようなセリフを母が呟いた後、電話が切れた....。


.....どうやら、母が電話を切ったようだ....。“.....どうしよう。ここで吐いてもいいだろうか...?”と私は思い立ち、今すぐに実家の方に急いで戻ろうと走り出した...。


一方、その頃......。

......まずい...。このまま仕事を見つけられなかったら、数分後には餓死してしまう...。そう思いながら俺は就活サポートAI“しんりゅう”に仕事先を何種類か挙げてもらったが、全部適正がなく、会社側のダメとの返事が38社来た....。


そして、俺は、街をとぼとぼと歩いていた.....。


「.....はあぁ...、現在ニート35歳の俺には、やっぱりバイトも就職も無理なのか....?」


...俺は溜息を尽きながら、小声でそう呟いた......。今現在、俺の両手にはさっき、就職相談所で書いてきた履歴書がある....が、そこには氏名、学校名、趣味以外に書かれているところがなかった.....。


「.......あかん...、もう駄目だ.....。こんな屑ゴミ出せないやん......(´;ω;`)]


そう呟きながら、俺は一応、氏名等々書かれた履歴書をゴミかごに捨てた......。そして、俺は公園の近くにあった男子便所のトイレに向かい、息を深く深く吸って........、一気に今の思いを吐き出した...。


「...約20年間引きこもっていたのにいきなりバイト・就活なんて出来るわけないだろ!!それに加えて一人暮らししろだと?!ふっざけんなっっっ!!!出来たらとっくに、そうやってるわっっ!!なのに一人暮らししろとか....、実質餓死して死んで来いって言ってるようなもんやん!?

まじでファッ〇!!ファッ〇〇グ!!クソッタレがッッッ.................!!!!!」


.........そのまま、俺は自身の目から勝手に流れてきた液体を拭うことなく、そのまま、トイレの便器でひたすら泣き続けた......。正直オレ自身みっともないと思う.....。でも、この結果が仕方ないことだと決めつけられるのは精神に堪えていた....。


.......就活AIでの結果は散々で....、両親・兄妹からは見捨てられ.....、友人たちは次々就職し、社会人となり、中には子持ちもいる事態となり.....、一人暮らしをして、バイトを始めようとしても面接で鳴かず飛ばずでダメ出しを喰らい、即刻帰らされるはめとなり.....、就職相談所の職員受付または全員含む奴らに馬鹿にされ......、さっき、ホームレスに寝るようの段ボール譲ってくれ、と土下座で頼み込んでみたら、いきなりぶん殴られ、金をとられる始末.......。もう生きている術も信頼関係も俺にはない.....。


......正直、今までの人生を振り返ると、俺の人生って.......。


「......クソみたいな人生だったな.....。」


俺はトイレの中で体育座りをしながら、そう呟いた......。今までの自身の人生を振り返ると、“まともに友人を作っとけばよかったな”とか、“親兄妹ともっとよく話し合うべきだった”とか学校での勉強、人間関係、就職、趣味など、自身がくだらないと思っていたものに後悔があったことを今更ながら俺は認め初めていた......。


今まで自分自身が目を逸らし続けていたいろんな感情、言葉、思い出のものが一気に俺の心になだれ込んできた.....。そして、俺は便器で吐瀉物をぶちまけた....。


“グッ~~~~~~~~~ウッッ!!”


..........お腹減ったな.....。でも金がない.....。どうしよう......。


そう思いながら、俺は今日の出来事を色々と思い出し、目からしょっぱい液体を流した.....。ついでに余談だが気づいたら鼻水も出ていた....。最悪だ.......。



~~~野中(のなか) (ひとみ)編 始まり?~~~


・この世界にある魔術の種類とちょっと種族について(設定)


...この世界では魔術は一応、昔の儀式としては知られていたが、2015年頃に第3次世界大戦が起こり、人工知能.vs.人類となったが、第4次世界大戦を経て、人類の技術進化の過程でも、一部の人々は呪術や魔法などを用いて、傭兵や巫女を務め、国の政治を担っていた時期もあった。ちなみにそれが超能力系統の異能であるとか、神が与えた力とも取れるものが国を維持した国もある。


しかし、3020年代以降、魔術の元となる元素らしきものである魔素が発見された...。そこから、人工的に異能力者を生み出すことに成功した記録が残っている。


3085年の異能や魔術は大きく、古代異能力、現代異能力と分別され、具体的に妖怪や幻獣生物の類が使用できる魔術・異能の類を古代異能力、3025年以降の異能力者たちの魔術や異能の類を一つにまとめたために現代異能力と呼ばれている。


また、3085年代の現在では、現代異能力を現代魔術と呼ばれている。この現代魔術では、種類が5段階に分かれていて、攻撃魔術、防御魔術、身体強化魔術、付与魔術、電脳魔術の五種類に分類されている...。ほとんどの国民が電脳魔術を使っている。


呪術は現在、陰陽師、仏法を守る法師が使用するケースが多いが、ほとんど警察組織、とある組織に所属している。


また、一部の魔術師や陰陽師が所持する式神、召喚獣などの妖、幻獣はこの世界とは別の世界線から召喚されるが、この世である人間が住まう人間界に留まっていて、人と共生するパターンは少なくなく、人間とのハーフが多い。妖も中にはいる。普段は妖界、精霊界、魔界にいるようではある。


.....だが、とある事件が起きてから、人間界ではごく少数しか見なくなった。最近では夢魔や日本古来の妖、西洋の幻獣などはこの世界によく出没することがよくあるらしく、そこでたまに他の人間とのかかわりを持った個体がいるとの報告が近年になって報告されている。


ただ、同時に人間の持つ精力である魔力を根こそぎ奪おうとする勢力も世界中にいるらしい、との報告と実際に起きた事件で、その関連がらみの事も多い。

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