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拝啓、この終末世界のあなたへ....。元気でやっていますか?やってたら返事してもらってもいいですか?  作者: 桜兎の梅花
第二部 下層地区編~下層フリーター爆誕編~
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~第二部 下層フリーター爆誕編~ 第18話 おっさんでも青春をしたいんだ、なお正論はうけつけねえ。

3ヶ月、空いてしまいましたが、更新しました。遅れてしまい、すみません。

「この歳になって瓦礫運びの肉体労働か。腰に来るな...。」


俺はそう思いながら、思考をぐるぐると巡らせる。妹どもには完全に嫌われちまうし、あんときの別れがなければあんなことにならなかったのにな...。


..下層地区にいたころの俺は、冒険者ギルドで働いていた時期もあったが、ヘルプ係だった。しかし、その周辺の会社にリクルートし、何とかそこの幹部に昇進したが、とある事情で唐突に正社員切りにあい、縁あって中層地区で働いていた次第だ。


...、と過去を懐かしみつつ、俺は歩みをギルドの受付のほうに進める...。


「..久々に婆さんに顔を出しておくか。あっちに話すことが多く有るしな...。」


...そう口に出しつつ、俺は歩みをギルドの受付まで進めていき、受付に記載されてある受付表に記載をして、その番号のカードを受付人から受け取ると、指定された場所に行く。


..まあ、あのケチで他人をこき使うのが趣味な婆さんなら、長く生き延びている節がある。また、爺さんにも久々に顔を出さないといけない。そして...。


「...おい、ボケガキ、まだ生きてやがったのか?...まあ、生きていてよかったよ...。」


色々と思案しているうちに、いつの間にか目の前に知っている知り合いの一人が現れた。現状、ここに帰ってきたときには、相も変わらず、喧嘩を売る暇な奴らが多く、その眼付が冷ややかなものでもあることは重々承知してはいたが、今、その一人が前に歩み進んで、こちらに声をかけてきた...。


...そこには白髪の短い頭に特徴のある眼帯をつけた60代くらいのアゴヒゲを生やした怖い顔つきのおっさんが一人、両腕を組みながら立っていた...。


「...おっさん、久しぶりだな..。」


「..おうよ。お前が上層地区に職を求めに行った以来だな。お前になついていたガキどもがお前に対して、ガチギレしてんのは知っているよな..?」


..まじでどの面下げてここへ戻ってきたんだ?、と言いたげな様子で死にかけの俺の目をおっさんは覗き込んだ...。


...予想はしてはいたが、こんな反応になるわな。でも...。


「まあ、色々な。こっちにも事情があってね、主に婆さんへの借金と商会のあれこれがね。」


「おいおい、婆さんの件については同情するが、商会については完璧にお前の責任だろうがよ。」


..あのときのことは忘れてねえからな、と目の前にいる禿げ頭のおっさんは俺に向かってつばを吐きかけるように上から言い放つ。確かに、あの時の俺は何も知らない世間知らずのクソガキであることには変わりがなかった...。


..だが、今は違う...。今の俺はあの中層地区での社会経験がこの体に記憶されているし、何より、あのときよりも経験がこいつらとは比較対象には..、やっぱり昔の経験思い出すと、吐きそうになるから辞めよう。今はこの会話を穏便な方向で行かないとな?


「...俺の事情もよく知らずに言えるよ。」


「あっ??」


..おっさんは俺の何が気に障ったかは分からないが、俺に対して額に青筋浮かべながら、口に怒気をまといつつ、言葉を吐こうとするが、俺はそれを遮るように言葉を続けて出す。相も変わらず、皺も白髪も増えたくせして気が短いのは変わらねえんだな..。...うん。


「...いや、未曾有の災害に見舞われた人間が取れる行動は、それを知らないやつからは理解されない、という当たり前を思い出しただけだよ。」


..俺はそんな風にやれやれ疲れたな、という感じのジェスチャーをしつつ、溜息を一つ吐くと、唐突に右にこぶしでフックを入れようとしている青筋を立てて、赤く怒りを強くした顔をしたおっさんが目に入った。どうやら、ブチ切れたようだ。


「このクソ野郎っっ!!〇んで詫びろっっ!!」


お前みたいなやつには言われたかないんだけどな...、と俺は呆れながらも、諦めたように思いながら、ゆっくりとした動作で右足の重心を外に向けて、途中で止める。...そして。


「ソイッ!!」


「っっっ!!?」


相手の左足に強く足払いを右足で行った。完全な横での蹴りが相手の左足に直撃し、ミシャッ、と人体から鳴っていい音じゃないやつが出た。


...しばらくして、受付のほうにその俯いて地面に血だまりを作りながら気絶した顔面がボコボコに殴られ、顔が変形したおっさんを運び、事前に受付の婆さんに頼まれた瓦礫を運搬する業務に戻った..。


「..はあっ~~。水がうまいな~~。ああ、でもやっぱり、このあとは荒れるんだろうな。」


...こんな空気じゃやってられないし、何よりさっきのことが次にもあると気分が滅入るな、と思いながらも、前のブラックな環境と何が違うのかと比較し、俺は考えるのを辞めた...。




...下層地区のとある寺院で、そこで紫陽花が咲く庭にその青年はいた。スポーツ刈りの黒色の髪型をした青年は庭にいる紫陽花にジョウロで水やりを行っている..。


あるとき、ニートから見習い坊主になった俺は、現在では日課となった住職に言いつけとして残された朝の行事を行う。最初に自身の布団からはい出て、井戸のほうに向かい、顔を洗う。顔を冷水で洗ったあとは、木材の桶に満タンの水を持って行き、貯水タンクに何回かに分けて入れていく...。


貯水タンクに水を入れ終わると、俺は桶を元の場所に戻し、近くにあったジョウロに井戸水を注ぎ、庭で咲いている紫陽花に撒く...。


...そんな作業が終わったら、次は同居人の一人の布団を引っぺがしに行く。もう一人の同居人はすでに起きて、ギルドの手伝いに行っているらしい。和室のちゃぶ台の上に書き留めたメモにそう書いてあったので多分そうなのだろう。


...そんなこんなでいつも通りこの時間にも惰眠をむさぼる同居人の部屋につき、襖を勢いよく開ける。

開いた瞬間に大きな音がしたというのにも関わらず、やつは起きない...。


..というか布団に完全に潜っている。


「おーい。そろそろ起きろ。もう昼の13時なんだがー。」


...だめだ。寝息しか聞こえん。やはり、ここはマニュアル通り布団を引っぺがす作戦行動をするしかないらしい。さらに大きな布団のふくらみがモゾモゾ動いたと思うと、そのまま少しして動かなくなった。


..規則性のある静かな寝息が聞こえる。...もう、やるしかないか...。


「ほい」


...ズザッ~~ッ、と俺は布団を勢いよく両手を使って引っぺがした。


「..むう...」


...彼女から、可愛くも間抜けな声が漏れる。そこから、彼女の姿が襖から入ってくる日の光が当たり、その姿が見える。


..布団の上で寝転がる同居人は幼い童顔で丸みを帯びた顔立ちではあるが、顔は整っており、眠そうだが切れ長の目に、瞳は黄色、頬は少し赤みがあり、唇もピンク色でふっくらしている...。


..また、髪の毛は金髪のロングヘアーで腰辺りまで伸びており、そこから下に視線を移すと、やたらハリとつやのある肌つきで、グラマラスな体型をしており、出ているところは出ているというスタイル抜群な感じである。要は下と上の箇所がデカい...。


..だが、しかし、巨乳で狐耳なこの女は、普段惰眠をむさぼりながら、布団から起床し、俺が起こしに着た瞬間、俺に回し蹴りをしてくるので俺はその攻撃をかわしつつ、彼女の部屋の襖を閉める...。


...しばらくして、同居人が居間に来て、あるままの姿で昼めしとなった朝食を摂取する。しかし...。


「...その恰好はどうなんすかね..」


..オ・ハ・ダ・カ、なのは、なぜ、なっ~~ぜっっっ??


「...若造、見ている暇あるなら掃除をしたら...?」


「..姉さん、まずはアンタの恰好を先にどうにかしてくれませんですかね?」


..俺は自身の視線を横に逸らしつつ、この自然体な動きをして伸びをする。その際、ふよんっ、と擬音が出てくるような胸を誇るように揺れようとも、そこに視線が誘導されようとも俺の揺るがない意思で....。


「..いや、こらえきれてないから。ガン見してるから。あと意味ねえから発言するのやめたら?」


「エスパーですか、あなたっ?...っつうか、俺..、思ってること声に出てた?」


...こうやって、俺と血のつながらない姉の一日が始まっていった。そして、今日は厄日なのか、トラブルに巻き込まれていくのだが、それはまた別の話になる...。

ヒトミ「...両腕が上がらねえ。...全身バキバキだわ。」


..一方、ニートであった俺は全身の筋肉痛に苦しめられていたのであった...。これ、次の日もあるのか。


...泣きてえ(´;ω;`)

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