~第二部 下層フリーター爆誕編~ 第17話 瓦礫を片付けるのは大変だ。by.下層地区の労働者
・野原 瞳 プロフィール現状
現在三十路のニート。この物語の主人公の一人であり、狂言回しの役割。元々は中流階級の家に住んでおり、生活には困ってなかったが、部屋に引きこもって働いてなかったため、実の家族に家を追い出された。今は働けるところと寝床を探索中。
趣味:アニメ、ゲーム動画鑑賞、アニメの歌を聴くのが好き。ツイッター
嫌いなもの:就職、現実、肥満、辛い物、批判する人間
好きなもの:甘い物、お菓子全般、オンラインゲーム、vtuberアイドル、お金、引きこもること
..とある下層地区で少女らしき2人組はギルドで今も無理やり身体を動かされ、瓦礫の撤去を手伝わされている先ほどここに着いた30後半に見えるニート青年の様子を静かに見ていた。
その青年は突如としてこの下層地区に現れたかなり前にここを去った兄にここに置いてかれた哀れな人間である....しかし、人物にあった才能も分からない実感でも分からないので、ここは一旦保留にしておこう...。
その青年はハアハアと荒い息を吐きながら両手で重い瓦礫をとある場所に運搬している。しかしながら、その足取りは頼りなく、ノロノロではあるが、弱い姿勢でがに股になりながらも重い瓦礫をひたすらに真っすぐにある場所にゆっくりと移動していた...。
...見るところ、中層地区にいたころから、ここまで生涯の中で筋肉量と体力をここまで使うことがないのだろうな、という感想を彼女はギルドに置いてあった職員用紅茶を飲みながら、一人勝手なイメージを抱いた。
しかしながら、そのイメージは正しく、まさに今、彼がよろめきながらも重い瓦礫の大きな破片を落としそうになると、彼は体勢を立て直し、両手で持ち方を変えながらも、いそいそと運んでいく...。
...その様子を二人の少女のうち、一人は興味なさげに、もう一人の方は、新しい玩具を見つけた子供のような笑顔をたたえて観察していた。
しかしながら、二人とも自分の仕事は終わったと言わんばかりか、何故か職員用の紅茶カップと紅茶を注ぐための器を出しつつ、優雅な紅茶を鼻歌を歌いながらも楽しんでいた...。
赤と桃色の髪を持つこう見えて30代の姉である""はツインテールの髪先の片方をつまみながらも彼女の妹である""である金髪の20代の少女とともに歩いている。
彼女たちは服装としてはいわゆる鍛冶屋スタイルのような黒布をサラシのように巻き、ジーンズのような短パンを履いたスタイル。ただ、ブラは一応つけている。これは...。
そんな様子を見ている二人とは打って変わって、俺は瓦礫を指定された場所に瓦礫を持って行き、目の前には60~70歳くらいに見える白髪のしわしわの老婆がギルド公認の制服と帽子を着用しながら開口一番、こんな言葉を発した...。
「おやまあ、これはこれは...、随分と見ない顔が来たもんだね。新入りかい?」
「...ぜっーーーはっっーーぁ、あっ...、はい...。..そうっす...。」
そう俺は息をととのえながら何とか答える...。重い瓦礫を運んできたので、両手が酷く痛い、普段使っていない筋肉のためか、身体強化系の魔術を使っても、疲労が早くも取れない。
..しかしながら、そんな様子を見かねてか、目の前にいる婆さんはふーん、と興味なさげなような、それとは違い値踏みするような目線でもってして、俺の目を見つめる..。
....まるで、今の俺の様子から最大限、何かしら情報をほとんど得ているかのようだ...。
いや、しかし、これは俺の妄想だ...。変な妄想を考えることはいけない...。
「...これはまた、随分な坊やが来たもんだね。」
その老婆はそうこちらを見てあざけるようにしわがれた小さい声でカカッと薄く笑いながらも、頬杖をつきながらも、俺に対して意味深な言葉を吐いた...。その笑みはまるで猫のように口が裂けるように三日月の形になり、少し不安感と怖さがあるが、今の俺はそれどころではなかった...。
「えっ?」
何の話だ...?、と俺は頭の中に疑問が出てきたものの、疲労のためか頭が上手く働かない。
「いや、あんた、ここの住民じゃないだろうし、中層階級のやつだろ?だから坊ちゃんさ。」
「...あっ。」
俺はいま、ものすごく間抜けな顔をしている。早速バレたのだ。
「今、何で分かったっていう顔しただろ?」
「うっ...。」
図星だ...。下層地区の服装は変わりないとはいえ、みんな同じような服装のはずだ。では、なぜ??
「デバイス。」
「あっ。」
...バカなのは俺のほうだったようだ。下層地区の右腕にあるデバイスの形状と中層地区のデバイスの形状はそんなに大差ないような入れ墨みたいなのがどちらかの腕に入れられるが、下層と中層の地区の人たちを見分けるには、その形状に一つの差がある。それは...。
「はあ...。まあ、中層地区の坊ちゃんは知っているのが常識だから忘れているが、こんな特徴的なマークを忘れるとは、これまたおおざっぱな新人が来たね~~??」
..そう目の前にいる老婆は俺を揶揄った後、カラカラと快活に笑うのと同時に猫のようににんまりと口角を挙げつつ、俺に対して意地悪な笑みを浮かべる。
しかし、常識を忘れてしまったことがメチャクチャ恥ずかしい...。掲示板に書いてあったことはすぐにも思い出せるが、こういう常識はすぐさま思い出せない。うう、何年か前のバイトでめちゃくちゃ叱られたことを思い出してしまった。もうだめ、はきそう...。
「..あっ~~ぁ、これはぁ~~、悪いこと思いだしちまったかね~~?」
老婆は軽くひざを曲げると、こちらに向かって歩き出した。その歩みは遅いがしっかりとしており、まるでここに大物がいるような威圧感を感じた。俺は吐き気に耐え切れず下を向いていたが、何とか上を見上げ。
「ほい。」
「冷たっっっ!!!」
..いきなり、キンキンに冷えたボトルが頬に当てられた。汗をかいた肌にとって、この冷えたボトルはいきなりすぎて反応に遅れてしまった...。
「...。」
「..まあ~。これは人生の先輩からのおごりだと思って受け取りな。あんたは中層地区の人間だが、ここに来たからには私らと大差ない階級になったわけだし、仲間はずれなんてことはしないさ。正直、ここにはそんな暇なんかないしね。」
彼女はそんなことを言いながらも、左手に握った氷水入りボトルを俺の右手に向けて差し出してきた。俺はその冷えたボトルを受け取り、蓋を開けて、その中にある液体を喉に流し込んだ。
「ありがとう、婆さん。」
「おや?お礼は言えるんだね。うんうん。基本の挨拶が出来て偉いね~~。あのかわいげのない髭面ともよりはましだよ。」
彼女は快活に笑い声をまたあげると、俺の目を向いて、しっかりと話しかけてきた。
「あたしの名は、城崎リンネだ。よろしく、新入り。リンネばあちゃんと呼びな。」
「...野原 瞳っす。よろしくお願いいたします。」
..俺はそう頭を勢いよく下げて自己紹介をすると、未だに目の前で仁王立ちしている婆さんに視線を向ける。見た目は70代くらいの優しめな表情が特徴な中年の婆さんだが、その白い割烹着を着込んでおり、ピンク色のスカートをはいている..。
..まるで昔のアニメのおばあちゃんという感じの服装だ。..しかし、それよりも特徴的なのは、腰のベルトについている四角いキューブ型の箱のような昔の資料で見たかの"アイテムボックス"である。
まあ、しかし、それにしても、"...随分と、これはまた古い遺物を出してきたな。"と俺は思っていた。
「ほう?これに興味があるのかい?」
「えっ?!」
..顔に出てたか俺?‼そう思いながら俺は自身の顔をべたべたと触る。それを目の前にいる婆さんはニヤニヤしながら特徴的な三日月のような笑みを浮かべながら、唐突に目を輝かせ、怒涛の勢いで話し始めた...。
「...ほう?目の点け所が中層地区の住人のくせにかなり良いね~~。これはね。作業用微粒子分析装置Yというこんな下層地区という場所がなかった時代の昔の人が使っていた便利な分析装置だよ。最近、また遺跡で新しいのが出たんだよね~~。全く嬉しい限りだよ~。」
ヒッヒッヒッ、と瓦礫を一つ一つ目の前で検査しているらしき受付の老婆がそう朗らかに嬉しそうに話す...。
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...一方、そのころ、ギルドの端にあるテラスにて、青年と老婆がギルドの受付で話し込んでいる最中に、女子高生二人はその様子を冷ややかな目で、もしくは何やら探りを入れているような視線を青年のほうに向けていた...。
「..アイツ、体力ないから遅いね。もう、からかってきていいかな?」
「 ....はあぁ。クズ野郎が連れてきたのが陰キャ野郎な頼りない男手ね。こりゃ、先が思いやられるわ。」
...この老婆とのやりとりを見て私がクズが連れてきた陰気な男について思ったことは、とても簡単なことだ。滑稽、因果応報、負け犬、努力もしない〇〇野郎等、現状、あまりにも戦力にもなりそうにない彼を見て思ったことがそれだ。
...もしくは、この男に対して雄一聞きたいことは...、
"アンタはこんなこと言われて悔しくないのか。このまま、ここで諦めて親や兄弟に馬鹿にされたままでいいのか?もしくは..."
"まだ逃げれるとでも思っているの?"
そうもう一人の原因になった禿げ頭の男に視線を移しながら、彼女は氷のような視線をかなたに向けた...。
「..お前にはもう逃げ道はないよ?」
(見習い坊主さんのお話。)
...一応、坊主見習いになった俺はこうやって生活しているわけではあるのだが...。
久々にギルドに寄ってみたら、何か修羅場??らしき状態な場面に巻き込まれたのだが...??何故だ...??