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拝啓、この終末世界のあなたへ....。元気でやっていますか?やってたら返事してもらってもいいですか?  作者: 桜兎の梅花
第二部 下層地区編~下層フリーター爆誕編~
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~第二部 下層フリーター爆誕編~ 第16話 ニート、仕事をもらう。

主人公の初めてのギルドの作業回でした。これから進んでいきます。

ーーー下層地区 20区3番地 釜閉ノ通り付近 ギルド名:釜焼爺ノ工房 中ーーー


...地下に近い層にある下層地区にある場所で、何らかの爆発で崩壊した建物には現在、多くの地域住民たちやギルド職員や冒険者たちが瓦礫の撤去をするために集まっていた。その中で、最近に下層地区にやってきたニートの青年はなぜか重い瓦礫を顔をこわばらせつつ、両手で踏ん張りながら運んでいた..。


「...なんで、こんなことになったんだっけ??」


「もたもたすんな...、新人!!さっさとこっち運べやっっ!!」


...崩壊した瓦礫たちの上に立ち、多くの青いタンクトップとヘルメットを被ったおっさんたちや狩人らしき恰好、なんかのロゴが入ったTシャツを着た人たちがドタバタしながら忙しそうに瓦礫の撤去をしている...。


その中でも俺は現在、動けないおっさんの代わりにその親戚である女子高生2人に腕をつかまれて、ここまで引きづられ、ここで瓦礫の撤去を手伝うはめになった..。本当にマジでなんでだ..?


「そんな~~っっ!??無理無理っ..ムッ・リ・ッッッ!!...ッスよ~~~~~っっ!!」


そんな形式でおっさんの親戚??古くからの幼馴染?である彼女たちと職員に頼まれたことでギルド周辺にある瓦礫の撤去作業の手伝いに悲鳴を上げていると、おっさんに叱られつつ、重い瓦礫を持ちながらも"ハアハア"、と呼吸を荒げながら、言い放った...。


まったく一体どんだけの瓦礫を撤去しなければならないんだ?一日中歩いてきたおかげか、ニートしていたときよりも体力と体力強化のための魔力を結構つかっているので、身体的に辛い。


そんな中でも俺を誘った2人の女子高校生らしき少女たちのうちの一人は飲み物を俺の目の前に持って行き、そこで飲み始めた。


「....。」


「なに~~?アンタにはあげないよ~~~???ほれ~~、瓦礫運び頑張って~~~。」


俺が、無言でその少女の方向をにらみつけると飲み物をこちらをあおるようにして飲みつつ、一人の金髪の少女"城嶋 有栖子(じょうやま ありす)"はその整った顔立ちで表情を歪めながら煽り口調で言い放ち、そのまま煽るように言葉を口にする。


「...大体~~、君は~~、とりあえず生存したくて、あのポンコツクズおっさんと一緒にここに来たわけだよね~~??...それで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()っていうお話だったよねっっ~~~??」


彼女は腰に片手を当てて、俺を見下すかのような体勢となり、実にニヒルな笑顔で飲んでいた水筒を俺に向けながら、無慈悲にそう言い放った。


「..それはそうだが、こんなところでいきなり瓦礫の撤去なんて重労働するとは思わなかったよ!!おかげで俺の肉体ボロボロだよ?!泣いていい?!泣いていいよね、これ?‼」


今も瓦礫を両手で運んでいる際の肉体労働特有の筋肉痛がきついのにこの仕打ちを受けて泣きそうな俺に対して、非道な言葉が投げられた...、と内心思いつつ、俺はこの批判に対して口をとがらせた。


..しかし、そんな様子を見かねてか、近くでたまたま同じく作業をしていたスキンヘッドのアゴヒゲが顔の周辺にあるいかつい体格のおっさんがやけに明るくガハハハッ、と快活にあるいはうるさく響くほどの音量で話しかけてきた...。


「おいっ!!坊主!!そんなことグチグチ言ってても、重い瓦礫の運搬という仕事はお前を放っておいてはくれないぞ?」


...快活、いや豪快に笑うスキンヘッドの明るくワイルドな笑顔で話しかけてきたおっさんは俺の目を見ながら、いや正確には見下しながらも、腰に左手を当てて、俺をたしなめるようなポーズで俺に対して、笑みを浮かべながら、コホンッと前置きを置いて話を続け始める。


「...それにお嬢ちゃんたちが言っていることはまちがいじゃあっ~~ないっっ!!!なぜならば...。」


「...なぜならば?」


..俺はそれに対して若干のいら立ちを覚えながらも視線を向けて耳を立てて聞く。こういうコミュニティにいる陽キャ系のムキムキおっさんは人当たりが良いはずだし、何かと良い情報を与えてくれる人物である可能性は高い、と掲示板にあった仕事探しサイトでの処世術を今こそ実践すべきときだ、と俺は身構えた..。


...しかし、そんな期待はむなしくも、すぐに崩されることになる。


「肉体労働は至高の産物だからだ...!」


「...はい??」


俺は耳を疑った。待て、今このムキムキのひげつらのおっさんは何て言った??肉体労働が至高の産物っっ???えっ???マジで何言ってんだ、このおっさん??


「だから、こんなほ、そっ~~~っい肉体では、この先にある依頼をこなすことができないぞ、と言っているのだっっっ!!!」


「...えっと、すみません。あんたの言っている意味が分からんのですが、どういう意味っすかね、それ???」


...俺は何かの翻訳ミスかと思い、もう一度聞きなおした。しかし、そんな行動もむなしく。


「だっ~~~っか~~~らっっっ、こんなチマチマした作業でいちいち文句はいてても何も意味がねえし、ごちゃごちゃ言うヒマがあるんなら、とっとと運べ、っっているだろがっっ!!」


...メチャクチャ大きな声で叱られた。しかも笑顔のままで。いや、これは笑みがひきつっているから違うな、と思うひまもなく、次の瞬間、俺の左の頬に鋭い衝撃が飛んできた。


「ブホッッ!!」


そのまま、左側に身体が倒れこんだ、しかも両手に持っていた瓦礫を手放した状態で。この衝撃のおかげか、両手の痛みが増した気がする。


「いったい、何するんすか」


「いいから黙って言うこと聞けや、若造。」


瞬間、何かおっさんの後ろ姿から鬼みたいなのが出現し、俺の襟首をつかみながら、強制的に立ち上がらせ、いきなり俺の両手にさっき運んでいた瓦礫よりも重いものを渡してきた。


「ぐえっ!?」


「...安心しろ、強制的に落とさないようにしてやる。」


そうニヤニヤ顔のまま、おっさんはそう言い、俺の様子を見る。俺も不思議だが、実際に足はガクガクしながらも立っており、腰がきつい体勢のまま、俺の身体はまるで俺の意思を介していないように動く。


....いや、この場合はおっさんに身体の主導権を取られたのか??というか、このおっさん、俺に何したんだっっ!!?


「..よし。そのまま、あそこのギルドの端にあるごみ置き場にその瓦礫を置いてこい。ついでにそれが終わっても20分くらい、これと同じ重さの瓦礫を探して運搬してを繰り返せ。」


「...んな、理不尽な?!、ってか、全然、身体が俺の意思で動いてないんですけど!?というか、何か腕や膝あたりからプチプチっと不穏な音がする~~!?」


...やばいっ。俺の身体のいたるところで不快な小さな音がなっている。そして俺はこの苦痛に悲鳴を上げる。しかし声に出ない。


「おう。うるさいから声帯も閉じといたぞ。」


そんな俺の反応に対しての答えか、おっさんは笑顔のまま答える。...有り得ねえ、店長にもこんな人権侵害なことやられたことはないぞ??


「~~~っっ?!!」


「おう、さっさと運搬してこい、若造。」


...こうして、黒光りで体格が良いマッスルな陽気なおっさんの理不尽な指導を受けた俺は、ヒイヒイ言いながら、瓦礫の運搬・撤去作業を行うのであった..。





「...ねえ、あれ、〇んじゃうかな??」


「さあ、でも、あの中層からきた30くらいのニートにはちょうど良い機会なんじゃない?」


....そんな様子を二人の下層地区の案内人である少女たちは見た感想を各々述べつつ、持ってきていた水筒で水分補給を行っていた。


その中でも、赤と桃色に近い髪を持つ少女である”城嶋 桃実(じょうやま ももみ)”は興味がないかのようにぶっきらぼうな態度で応じる。


それもそのはずであり、この建物の崩壊は()()()()()()()()()、ある意味、この()()()()()()()()()()だから()()()()()()()。なのでこうして適度に休憩しつつ、働くことができるのだ。無論、新人であるあのニート青年には伝えてはないが..。


こうして、なんやかんや有りながら、下層地区でのニート青年初の仕事デビューの日は過ぎ去ったのだ。

後であんなトラブルが起きるとは知らずに...。




2ヵ月、更新不定すみません...。

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