~第二部 下層フリーター爆誕編~ 第14話 すみません~。このアカウント、ログインできません~~(^^♪
「...何で帰ってきたのよ、クズ野郎。」
「..心配したのに、そのリアクションはどうなんすかね...。」
長かった...。俺はそう思いながらも久々の妹との再会にこころを踊らされ...。
「へぶっ!!??」
...目の前にいきなり鎖が飛んできたのだが...??
...しばらくして、汗だくで充血した眼のおっさんが突如、立ち止まり、"どこにいるんだ...。桃実...。"と呆けたように言いかけて...、
"ドサッ!!"
...と大きな音を立て倒れた...。
「...おっさ”っっっーーーーーーっっっんんんっっ!!!???」
...苦難な出来事が俺を襲い、俺は今この不条理に対して大きな声でリアクションするしかなかった...。
「...マジでどうすんだよ、これ...。」
...この場で途方に暮れながら、どうしようもない状況で俺は瓦礫の上にある椅子替わりのレンガの上に座りって、頭を両手で抱えてうなっていた...。おっさんを崩壊した瓦礫の山から施設らしき場所に移動していきつつ、現在、おっさんを目の前の安全な場所に置いている....。
当の倒れた本人であるおっさんは"う~~んっ"と悪夢を見ているのか、寝ながら腕をバタバタ動かしつつ、気分が悪そうな表情で顔を歪めて、汗をダラダラ、玉のように流しながら、ときおり名前らしきようなものを発している...。
"...これ、マジでどうしようか...。" 現状の大きな問題として、オーバーワークで頭をショートしたような気絶したおっさんと俺の現状を整理する...。
"...おっさんはかつて下層地区の住民だった...。しかし、何十年か企業に勤めていたおかげで久々に故郷に帰省したはいいものの、今度はトラブルで妹さんの生命、もしくはそれ以外の家族の命が突如起きた工場の爆発事故かなんかが原因の危機にさらされている...、と最悪のケースを想定して動かなければいけない状況だ...。 "
俺はそう自身のこめかみをつまみながら、表情を歪ませつつ、瞑想に入り思考をする...。
しかし、頭に浮かぶのは下層地区の情報をネットで探った結局使えもしなかったゴミ情報の数々である...。
「...一応、ここまでおっさんが案内してくれたおかげで何とか下層地区まで来れたが...、これからどうすんだよ..。まじで。」
...正直、これから先を考えると夜盗とかのそんな存在がこの付近に現れないことを祈るのみ?であるが、それ以外にも食糧もなく、なおかつ、こんな廃墟の壁にいつまでも寄りかかって寝ているわけにはいかないので、この先の道が分からないので、おっさんには早めに起きていただかなければいけない...。
..だが、どうする?これから、俺はおっさんを起こしても、おっさんが再起できるのだろうか?という不安とホームレスの安息所での人による命のやり取りの経験が俺を震えあがらせる...。
だが、俺たちの場合でも、どうにかしていかないとマズイのは理解できるのだが、どうすればいいのか、が思い浮かばないのが問題だ...。
「うっ...ウッッーーッン...。」
そんなとき、おっさんの片方の眉がピクリッと動き、少し挙動は遅かったが、濁ったような声を小さく出すと、ゆっくりとだが、上体の身体を起し始めた...。
「...オウッ!!...おっさん、大丈夫かっっ!!?ケガとかないっ?!!」
そう、大げさにオーバーなリアクションでゆっくり起床し始めているおっさんの上体の身体の方をこちらに傾けながら、左手を背においてやり、右手をおっさんの左腕に回してこちらを真っすぐに向けるように起こさせた...。
...いや、やっぱり、下層地区に行くためのスレ漁っておいて、"だれでも出来る一般人用の救助方法!!"を読んでおいて正解だったわ...。こんなところでこの使えるかどうかも分からん知識を知っておいて良かった...。
そう現状において下らない妄想をグダグダ、頭の中でかけめぐらされていると...。
「...うっ...。...お前か。」
おっさんがかすかではあるが唇を苦痛をかみしめていそうな表情で微かに動かすと、"どけ"と小さな小声で一言いいつつ、こちらの両手を払いのけ、"スクッ"と真っすぐに立ち上がった...。
「...おい、おっさん、今は激しく動くとあぶな....。」
「...おい、小僧...。あれから、どんくらい時間が流れた...?」
コチラの様子を気にも留めずにおっさんは淡々とした低い口調で、こちらに苦痛に顔をゆがめつつ、なおかつ怪訝な表情のまま、尋ねた....。
「...うん??ああ..、時間か...。おっさんがいきなり白目むいて突然倒れたあたりからデバイス確認したら、もう4時間くらい経過してるよ...。」
そう、俺が口ごもりの状態で答えると....、
「...もう、そんなに経っていたのか....。クソッ...!!」
おっさんの右こぶしが隣に立っていた廃墟の壁にめりこんだ...。
"ゴンッッッ!!"
さらにおっさんはその姿勢のまま、2発目、3発目を入れていく...。
"ゴンッッ!!ゴンッッッ!!!"
更に強くおっさんが右腕を横にやっていく瞬間が見えた。首にちょうど右腕の付け根が見える位置にだ...。これから、何しようかを察した俺はおっさんを止めようと、声をかけようとするが....。
"ヒュッ!!"
...どうやら遅かったようだ...。
"ボンッッッ!!!ドッゴーーーーーーッッッンンン!!!"
...一拍の間が遅れたが...、廃墟の壁が派手にぶっ壊された...。
"ドクドク"とおっさんの右こぶしから、血を流しつつも、おっさんの剣呑な瞳を目に秘めながらも、おっさんの唇が"ギリッ"という音と共に端から少し血が"タラーッ"と流れ落ちる...。
そのまま少しの間、時間がゆっくり流れているように感じた...。廃墟の壁が崩壊する音は聞こえるものの、俺はおっさんのその姿を唖然とした表情で口をパクパクさせながら見つめることしかできない....。
いや、だってよ。すぐに立つのもそうだが、いきなり壁壊すとはおもわないじゃん..。というか、もう半壊している廃墟なのに...??一部しか廃墟の壁が残されてねよ!?...えっーーーとーーーッッ???これから、マジでどうしよう....!??
..俺はこの下層地区特有??なのかどうかも分からない状況にあたふたしていると...。
「...よし。」
いきなりブチ切れて廃墟の壁を壊したおっさんが唐突にこっちに近づいた...。表情はさきほどとは打って変わり、唐突な柔和な笑顔に変わっている...。いわゆる爽やかスマイルというやつだ。
...何だろう...。滅茶苦茶嫌な予感しかしない...!!!
「..おい、小僧。」
「ひゃいっ!!」
唐突な対応に声が思わず、声がうわづって裏声になった...。いや、こんなときに緊張していると出るんだ...、と謎の関心を脳内でやっていると...。
「いまから、お前を担いで、とある場所に行く。拒否権はねえ。」
さわやかな笑顔のまま、似つかわしくない淡々とした口調でそうおっさんは発言した。
「...ほえっ??」
自身の口から洩れた間抜けな声とは裏腹に...。
「よしっ!!」
"ドンッ!!"
「ボぺッ!!?」
...腹辺りに重い一撃が響き、目の前がいきなり暗転した...。俺が最後に見た光景はおっさんの左こぶしと足が前に見えただけで、左こぶしは真っすぐに伸びていた...。
...そして、時はさらに進み...。
「はえっ??」
「あっ、やっと起きたみたいだね、寝坊助さん♪」
「はあ~~~っ...。」
いきなり、意識を持ち上げると目の前には二人の年若い女子高生らしき人を目にした...。両者とも美人と差し支えないほどの女性だ...。
こちらに軽い口調で声をかけてきた女性は金髪で陽気なギャルといった印象を抱き、高校生らしい姿をしている。また、さきほど、俺の方を見てか、重々しい溜息をついた赤髪ロングの背が小さめな背のある女性は、キリッとした目でまるで委員会のメンバーみたいなブレインな印象を感じた...。
...ちなみに何は言わないが、大きいものをもっていらっしゃるようだ...。...しかし...。
俺はグルリと周りを見渡して...。
「はっ??」
「...。」
...次に見たのはなぜかズタボロになって、腕や腰回りを大きな鉄製の鎖でグルグルに拘束され、顔面がひどいドロまみれ、あおたん有りになったおっさんのひど過ぎる様子だった...。
...おっさん、マジであんた何があったら、そうなるんだ...???
赤髪jk「..。」
一般通行する猫耳アンドロイド「...なにを考えているのでしょうか??」
一般通行する博士「ふむ。やめておけ。関わらん方がいい...。」