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拝啓、この終末世界のあなたへ....。元気でやっていますか?やってたら返事してもらってもいいですか?  作者: 桜兎の梅花
第一部 ニートな俺たち~家を追い出される編~
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第一部 ニートな俺たち 第2話. 吐き気がする日常

たびたび更新が作者の都合上滞ることが多いですが、

評価よろしくお願いいたします(^_^)


~~~われわれの怠惰を罰するには、自分の不成功ということ以外に他人の成功ということがある。~ルナール 「日記」より~~~

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気づいたら目がパチリと覚めていた。全くひどい悪夢を見た。特にここ最近の悪夢は酷い。2日前から見続けているが、相変わらず、こちらの精神に来るものがある悪夢である。


「っっっっっ.....!!!!」


今度は腹の底から酸っぱいものが込み上げてきた。俺は急いで部屋に隣接してあるトイレに駆け込み、思いっきりゲーッ、ゲーッ、吐いた。体感で10分くらい嘔吐していたと思う。これも最近悪夢を見た影響だろう。


いつも、この時期になると嫌な悪夢を見るようになる。かれこれ、この吐き気が込み上げて嘔吐する行為付きの悪夢が誕生日を迎える度に来るのだ。


しかも、最悪1か月間これだ。正直泣きたいにもほどがある。18年間これを繰り返してきたことになると思うと軽く眩暈がしてきそうだ。


トイレに立てかけてきたカレンダーを見てみる。そこには2345年5月10日と書かれていた。5月10日は俺の誕生日の日だった。


12歳までは家族と一緒にホールケーキを共に笑いあいながら食べていた気がするが、それはもう昔の事である。俺が引きこもりになってから、変わってしまった。


まあ、俺自身が一階に降りて家族と一緒に食べる機会を潰しているのだが。


とにかく、この温かい記憶はもう戻ってこない。俺自身が引きこもりをやめない限りは。そうして俺は再び引きこもるために自分の部屋に戻っていった。


しかし、ここ最近自分の足が部屋に向かう度に重くなっていた。理由は簡単だ。


今まで部屋に引きこもっていた俺であるが、20年間、部屋に引きこもっては一日中ゲームばかりやっていたり、ツイッターで動画の批判をしてばっかのどうしようもない人生を送ってきた。


でも、最近の幼馴染である同級生たちの姿を自室の窓からたまたま見てしまった。


その日はたまたま夜であったが、近くの街頭で照らされていた笑いながら、酒を飲んだのか、赤ら顔になって笑いながら談笑するかつての友人であり、現お隣さんのお宅に住んでいる幼馴染の姿だった...。


そのときから俺はもう窓の外には目を向けないようにしている。


今までの中で自宅に引きこもり、死にたくなるくらいの気持ちになることは何度かあったことにはあったけど、時の流れの残酷さと身近な人が自立をしたという激しい自分自身に対する劣等感が湧き上がってくる...!!!


そして、俺は自分の部屋の中の布団に転がり、毛布で全身を包んだ後にその時の光景を忘れるように願い、目を閉じた。願わくば、この状況が夢であるようにと願いながら...。


~20分後~

結局、俺は布団をかぶりながら、ネットのツイッターで最近見たアニメの批評を書き込んでいた。正直、楽しくもないし、お金をもらえるわけでもない。家族にこれ以上心配をかけまいと、就活を真面目にしていた時期もあったが、自分のコミュ障ぶりと会社のブラックさで結局、会社に辞表を出してやめた。3か月でやめた。


短い期間だ。他にも2社受けてたが、二つとも結局面接で落とされた。ニート、引きこもり歴があまりにも長すぎる。これじゃあ、君採用できないわ~、言われた。


その後、在宅バイトというものを行おうとしたが、結局、出来なかった。本当に自分はどうしようもない屑野郎だと思う。もう、社会とかかわりたくない、人間が怖い。そんな臆病な自分を見るのが情けなくなってくる。それで、ゲーム、アニメ、動画の批評で時間を潰す日々だ。


このままの生活でいいのだろうか、とは考えたことはある。というか、毎日毎日、その考えが頭の中をリフレインしている。ツイッターではニート、引きこもりは社会のごみだとか、よく言われてはいるけれど、俺だって頑張ったには頑張ったのだ。


だけど、もう疲れた、これ以上、傷つきたくない。現実なんて見たくない。そんな気持ちが心の奥底を支配するようになって、10年経過し、御年35歳である。


本当に時の流れは残酷だ。10年前は脱却しようとしていた最悪の未来になっていた。もう嫌だ。何も考えたくない。希望何て見いだせない。


今日あの光景を見たせいで、心の奥底に感じていた状況を思い返していた。最悪中の最悪である。今年に入ってこのような光景すら見る羽目になるのだら、全くもって鬱になりそうな勢いだ。ふと、頭にこんな考えがよぎる。"今の自分の姿を見たあいつはどう思うだろうか...?


"いや、正直考えたくないし、あいつの顔すら思い浮かべようとすると、胃から酸っぱいものが込み上げている。もう嫌だ。そんな思いが思考を支配する中、両親が昨日寄こした手紙を読み、溜息を吐いた。


手紙の内容は長いから省くが、まあ、もうお前との親子の縁を切るというものだった。


そして...、一人暮らしをしろ、という俺にとっては予想していた最悪の未来の一つであり、家族からの最終通告でもあった...。


どこで道を間違えたのだろう...?


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