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拝啓、この終末世界のあなたへ....。元気でやっていますか?やってたら返事してもらってもいいですか?  作者: 桜兎の梅花
第一部 ニートな俺たち~家を追い出される編~
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~第一部 ニートな俺たち~ 第18話  ニート2人の逃避行

世界観の説明を途中、追加した方がいいのか、悩みます...。

(サラリーマン 視点)


この生活に身を置いてから、いつも自身は根本にある問題に立ち向かわず、逃走劇を行い続けた...。

しかしながら、もう会社を辞めてからはそれはできない...。


マシな福利厚生である保険もやめた際に利用する権利すら取られた状態となった...。今頃、俺の口座は凍結し、なかったことにされているだろう...。


「...しかしながら、この先、どうしようか...。俺の口座はすでに凍結しているから、中央区の付近には行けないな...。西にある暗闇地区に逃げるしかないかね...?」


そう俺は荒くなった息を整えながら、一緒に逃げてきた青年に問いかける。青年のほうは、上ジャージを着ており、寝ぐせを付けていたが、荒くなった息を整え終え、今は顎に生えた無精ひげをさすりながら、俺のほうを確認し、こう言い放った。


「...さあね...。どうしようかと悩みますが、あの大和の超人口知能にあるギフトワークを使うのを躊躇われますがね...。」


ここまで青年はデバイス魔術を6回駆使して走り回ってきたが、何せ初めての経験で体がもうデバイス魔術の体力向上型に関する魔術を2、3個使い、もう使えないことが分かった...。


しかしながら、私自身の中級デバイス魔術ともう一つ会社の先輩で生きる術を学んだ際に身に着けた柘榴式呪術を使い走り続けたせいで、こちらの体力はほぼ残っていない...。体力がない中、ここから先はどうしようかと思考を巡らせる...。


昔、ボコボコに殴られまくったバイオレンスな先輩に鍛え上げられた肉体も今は老いにより体力があまりない。そして、足を強化する魔術にかける時間的コストや魔力コストも2時間でも十分な量を補充するのに足りないくらいだ...。


柘榴式呪術は使用するのがある程度難しい。ここを拠点としている闇マフィアグループである"黄泉ノ槍兵"の破壊活動が活発化している影響か...。治安が悪化している...。


しかし、いつもなら、あいつらはニートなどの金目のない奴らに目をつけず、ましてや落ちぶれた者からデバイス魔術権限や臓器などは売れないはずだ...。ましてや、あいつらはこういった黒いことにはあまり手を出してない傾向にある...。


そんな奴らが落ちぶれた階層の奴らを狙って、命を狙う?何が目的なんだ?"デバイス魔術権限"か?

それとも臓器売買による“魔術コード・α・チップ”の回収か...?


そんなこんなで自身の思考をフル回転で回していると、突然、俺の様子を見て、この状態ではまずいと判断したのか、一緒に追われていた青年がだるそうに髪をくしゃくしゃと掻き上げたのち、おずおずときまずそうに口を開いた...。


「...すみません。これからどうしましょうか...?俺たちがここまで逃げてきたのはいいんですが、この先、行けるところありますか...?」


「...ああ、この先、都市から離れた場所にある下層地区があるから、一旦、そこに向かうことにするわ...。幸い、そこまでいけば、追手も諦めるだろう...。しかし、問題は...。」


俺はそう青年にいったあと、青年のほうを一瞥(いちべつ)する...。そして、その恰好を見て、視線を前に向けた...。


「...えっと、何かまずいことがありますか...?」


彼の恰好は、上下ジャージ姿なため、正直、下層地区に行っても問題はないほど、目立たない...。それに親に追い出された際に中級階層のデバイス権限をはく奪されたんだよな?


...別段、人に目立たない恰好だからその方面ではこちらの説明で言いくるめれば問題はないだろう...。


そんなこんなで考えていると、彼のほうを見ると、少し、こちらのほうを不安そうに見ていたのが分かったので、俺はコホンッと息をひと息つくと、こう話しを切り出した...。


「いや...、まず、その恰好では下層地区に行っても問題ないだろうな、と思ってね...。実際、中流階層とそこまで恰好には大差ないし、しかも、ニートしてて、家追い出された際に中級のデバイス権限なくなったんだろう...?」


「...そうっすね...。家から追い出される前にデバイス権限をはく奪されて、少しの猶予をもらったけれども金がないので、準備できずに家から追い出されたので、実質、親から死んでくれ、と言われているもんですよ...。」


「...確かに、現在の制度とお前の現状を見ると、そうなるな...。そういえば...。」


俺は、そう彼と話したあと、一つ思い出したことがあり、いかんいかんと少し、首を横に振った後、こう彼に言い放った...。


「...俺たち、そういえば、自己紹介していなかったな...?」


そう俺が言うと、彼はあっ、と一瞬、忘れていたというような口を少し開けた表情をした後、思い出したかのように...、


「...あっ、忘れたわ...。」


と若干焦ったように言った...。


「...では改めまして、俺の名は城嶋太郎(じょうしま たろう)だ...。こんなくたびれたおっさんだで頼りないが、君の安全を多少できる場所にいくまで一緒に行動させてもらう...。」


俺は、そう言うと、彼に手を差し出した...。


「...野原瞳(のはら ひとみ)っす...。女らしい名前ですが、これは両親が女の子が欲しかった、という願いでこう名付けたそうっす...。名前変えなかったのはめんどくさかったらしいっすね...。」


そう言った青年は、過去を思い出したのか、目のハイライトがさらにかげった..。

俺は、正直、この話が苦手で正直、どう返せば分からない...。


「...そうか。」


そうつぶやいたあと、俺は、これをどう返せばいいのか、と頭を回し、これを返す策を見つけた際に、目の前にいる青年は顔を上げて、俺の顔を見てこう言い放った...。しかし、もう目のハイライトの陰りは少ない...。


「まあ、今になってはどうでもいいですが...。こんな無職ニートですが、どうかよろしくお願いします...。あと、童顔ですが、こう見えても35歳になってます...。よろしくっす...。」


青年はニヒルな笑みでそう返した...。


(野原 瞳 視点)


...今回の心配要素である現状、自宅警備員であり、家を追い出された現状ホームレスである私は公園であった髪が後退したおっさんに助けられ、逃亡しまくっていた...。


しかしながら、ニート歴が長くても命の危機感じちゃうと、こんなにも走れるんだな、と内心アウェーなことを考えながら、おっさんの話に耳を傾けつつ、逃げこむ候補を考えていた...。


そしたら、おっさんが話しかけてきて、今後、どこに逃げ込むかを話し合った...。

正直、この話は魅力的(みりょくてき)で家を追い出された俺にとっては、追いすがりたい案であるが、正直、この中の階層生まれの俺が下層地区で生きていけるかどうかが未知数だ...。


今までニートしていた分、実際に仕事を行った、勉強して学歴が充実しているわけではない...。さらに、魔術師ではないので、様々な技術を持っていることがない...。


...クソッ...。この先、どうすればいいのか、なんて特に決まってないが、いつもマウントとっている掲示板に書いてあったサバイバル術は使い物になるかは分からない...。


...そして、おっさんと逃げてから、結構な時間をかけて、俺たちがいた"大和帝国統括システム・イザナギ"が治める中層地区から離れた下層地区付近に来た際に、自身が所持している魔術デバイス・チップの様子を確認した...。


「...ふむ。デバイス魔術を起動してみると、そこはどうなるのか...。」


起動した瞬間、腕に文様に青色の光が走り、ある草の葉脈だったような形をしているそれは、そこから青色のデバイスを生成し、浮かび上がった。


その青色のデバイスのメニュー画面のようなものを操作した俺は、現在の地区のマップ情報を検索し始める。しかし、それは隣にいたおっさんによって止められた...。


俺は彼の咄嗟の行動に驚き、彼に向かって少し抑えてはいるが、大声でその行動に対して問いかけた。


「...おい!おっさん、何すんだよ...!?ただ単にどっか行くのかを調べるだけじゃないか...??!なぜ止めるんだ!!?」


すると、おっさんば勢いよく目を大きく開き、こちらに目線を向けながら、怒鳴り始めた...。


「バカ野郎...!!そのデバイスを使って今いる位置が知られたらどうする!?下層地区に住んでいる国民の魔術デバイス・チップは監視機能が厳しく、ハッキングされやすいことを知らないのか!!?」


俺はその言葉に対して、サーッと顔が青ざめていくのは感じた...。そんなこと掲示板では見なかったし、他の情報媒体にも記載していなかった...。さらにそんな状況から何の情報も得られていない。


しかし、これ以上の下層地区の情報はないし、有用な情報が書いてあるといわれる掲示板である程度の情報が書いてあった。そこには情報デバイスの調査方法に関しても同じで、内容としては"下層地区に行ったら、最初に裏コマンドでデバイス魔術を起動後、居場所を探知した方が、生存確率が高くなる確率99パーセントな件について”に関する書き込み板だ...。


その内容を実行しようとしたら、止められた挙句、その情報に対する安全性もないための不安もあったのが相まって、今更になって、この問題の重大さを理解できない自身に対する羞恥も相まってか、頭が真っ白になった...。


そんな思考が頭の中でぐるぐると巡っていると、目の前にいるおっさんが俺が反省したと思ったのか、口をつぐみ、多少、探りを入れるような疑心に満ちた顔で声をかけた...。


「...何を考えているのかは知らんが...、さっさと早くこの場所を離れないと、暗部の犬に始末させられるぞ...。そしたら、最悪、命よりも多くのものが失うのが多いぞ。だから、馬鹿みたいに考えるのを辞めて、早く歩け。」


そして、彼は前を振り向き、足早に歩いていった...。

この反応に俺は彼のあとに戸惑ったが、足早に着いていくように小走りで歩いて行った...。


(大和帝国のデータベース・システム編)


1.大和帝国統括システム・イザナギ

この大和帝国を統括・管理するシステム。このシステムの役割としては、国民の人民権の管理、国のインフラシステムに関する統括、国家の政治に関するデータベースの保管、この国家の歴史に関するデータベースの編纂を行っている。システムの人格としては厳格な声の男性であり、大和の民に関する情報の管理を重要視する方針がある。

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