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拝啓、この終末世界のあなたへ....。元気でやっていますか?やってたら返事してもらってもいいですか?  作者: 桜兎の梅花
第一部 ニートな俺たち~家を追い出される編~
1/39

序章 プロローグまたは第1話 35歳になって家を追い出されたニートの不思議な就職先

プロローグ

僕がニートな理由

「人間はときに、他人と別人であると同じほどに自分とも別人である。」~~ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」より 索引 ~~


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夢を純粋に語れなくなったのはいつくらいからだろうか?

子供の頃の夢を見た。自分は小学校の教室の教壇の上に立ち、クラスのみんなに向かって何かを言っている。両手には将来、大人になったら、なりたい職業になった自分が描かれてある絵を両手で掲げて、自信満々にこんな大人になりたい、という願望を笑顔で発表している僕がいる。そして、発表し終わった後には、いつもの通りの拍手が帰ってくるはずなのに、拍手がなかった。代わりに静寂が教室の中で渦巻いていた。

僕の前に発表した子には拍手が帰ってきたのに...。なんなんだろう。もしかして、なにか、僕が何かしてしまったんだろうか?僕がそう不安に思っていると、いきなり、クラスメイトの一人が笑い出した。それを初めに周りのみんなもつれて笑い出した。そして、不安がる僕にクラスメイトの口から出た言葉は酷い言葉だった。

それを皮切りに他のクラスメイトも僕に酷い言葉を投げてくる。

“おい、そんな夢物語、お前には無理だよ?分からない?才能がない癖に。"

"努力さえも出来ずに、ニートに成り下がったお前に出来るはずがない。"

"アルバイトすらもやったすらないお前に何が出来る?"

耳を塞ぎたい言葉がクラスメイトの口から溢れ出す。僕は絵を掲げながらも泣きながら"違う!!"と叫んだ。

そのとき、僕の隣で発表を静かに聞いていた担任の先生が笑顔で

"それじゃあ、君には何が出来るというのかね?"

"えっ......?”

"それほどまでに自信満々に笑顔で発表出来るなら、何か出来るのでしょう?ほら、さっさと答えなさい。"

このとき、僕は何か答えようとしたのだが、声が出ず、頭が真っ白になり、答えられなかった。

"結局、なにも答えられないのかい?

でも、いつからだろうか?自分の夢を諦めたのは。何もできないと思ったのはいつくらいからだろうか?

気づけば何も出来ない屑ニートになっていた。10代のころに一番成りたくない大人になった。アルバイトなんて一度もやったことがない。人の目が気になる。人の視線が痛い、怖い、他人の目が気になる。人に目を合わせて話せない。中学は不登校気味で、高校生になって学校を中退してから、自宅に引きこもり、ゲームばかりしては、食って寝ての生活を送っていた。他人と関わりたくない、学校に行きたくない、そう思っていた。


しかし、最初は違った、学校で友達を作り、中学とは違う学園生活、人間関係を普通の人達と同じように形成し、笑いあって過ごす未来を見据えていた。部活にも入り、良い生活を送りたかった。私立の高校に入り、見た感じ不良などおらず、公式のホームページではまじめそうな生徒たちが写りこみ、実際に見学させてもらった時も授業中といい、気になる部活を見に行った時と言い、真面目で不良なんて一切いなかった。いじめなんて起きてないように思えていた。実際、入学式当日でもみんなとは話せたほうだとは思っている、中学生のときは友達と呼べる人物がいなかった自分にとっては大きな進歩だった。6月になるまでは普通に友達と話せていた。部活には先輩はいなかったが同期達とも仲が良かったはずだった、...はずだったのに、どうして、このようなことになったのだろう?

いつのまにか、僕は俺となり、今の俺の姿となって俺はうずくまるしかなかった。そして、俺の視界は暗転した。

次回予告「ニート35歳の誕生日を迎える」

第1章 ニート家を追い出される編 start

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