アイリ、陛下と飲みに行く
初めて回。デートの続き、ゲロ甘回。
エリオ君のお父さんのガラス工房を出た後は、もう夕方だったのでカミュ様と飲みに来た!
外でお酒を飲むのは初めてなので楽しみ!
ここもテラスのある酒場。酒場、と言っても少し暗めなオシャレなお店。
風が気持ちいいので、防音魔法を掛けて、テラスで飲むことにした♪
「アイリは家でお酒飲む?」
「はい! お父様とお兄様と飲みますよ」
「アル……羨ましいな……」
だってお兄様ですから……! ジト目やめてください。
「カミュ様は、いつもどれくらい飲みます?」
「うーん、エミールが付き合ってくれる時はそこそこ飲むけど、1人だと2杯程度」
「今度から闇部屋で一緒に晩酌もできますね♪ お揃いのグラスで葡萄酒飲むの楽しみですね♪」
「っっっ////」
──ふふふーんっ! たまにはお返しですっ☆
「そういえば、私がこっちに来た日って12月31日、 "大晦日" って言うんですけど、神様に一年間供えていたお酒を家族で飲む日だったんです! 高くて美味しいお酒! カミュ様のせいで飲み損ねたんですよ! それに美味しいご飯も食べ損ねて、働き損ですよぉ!」
「え、すまない……そうだったのか……あれ? アイリはあちらでは飲めないんじゃあ」
「子どもは一口だけですっ! 神様の力を少し分けていただくんです」
「くくっ……アイリは呑兵衛だから強いんだな!」
──え、まさかの御神酒のおかげだったんですかね……! それなら、もっと飲んでおけば……!
「あのアイリに加護を与えた存在が飲んでいたんだろうか?」
「年に一回、家の周りを流れる小川にも酒を撒きますね。それは、水神様に美味しいお酒をプレゼントして、家を守ってもらおう、っていう儀式みたいなものです」
「そうか、神様というのは酒好きなのだな」
──精霊王様も呑兵衛だったり……するんですかね……? 今度会う機会があれば聞いてみよう。
「精霊たちはお酒飲まないでしょうから、私が定期的に浄化してあげることでプレゼントにしましょう」
「精霊たち、お酒飲むよ? ──なぁ?」
『アイリー! カミーユ! よんだー!?』
『え!? おさけ!? すきすきー!』
『果物畑からちょっともらって、おさけつくるよー!』
『アイリもお酒すき? 今度あげるー♪』
──えっ……マジか……! 可愛い顔して、この子たち呑兵衛なの……!?
「そっかぁ、じゃあ今度もらおうかな? 水路の見張りもしてもらってるし、何かあげたいんだけど……向こうの世界戻れるなら日本酒とか梅酒持ってくるんだけどなぁ……ごめんね?」
『だいじょーぶー! 王城の果物もらってるから〜』
『霊いなくなったから、みんなアイリにお礼する〜!』
──精霊たちに葡萄酒を分けてあげて、ほろ酔いになったところで解散。転移で送ってくれたのだけど、カミュ様が帰り際にガラスのスノードームをくれた! いつの間に!?
「──季節外れだけど。アイリの家は雪が降って綺麗だから、あげたくなった」
「可愛い……どこに飾ろうかなぁ! ありがとうございます……! 今日すっごく楽しかったです! またデートしましょうね!」
──ちゅ。
いつものように髪……ではなく、普通にちゅーされました……んん……ちゅー……?
「じゃあ、また明日♪」
──やっぱり、カミュ様には敵いませんっっっ(泣)
ピュアすぎて死にそう_| ̄|○、;'.・(吐血)
またひとつ大人になった……