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アイリ、結束を深める

友情回2

 

 ──昼のリーニャとエミリーとのお茶会はとっても楽しかった。

 意外とすんなり受け入れている能天気さは我ながらすごい、と思う。いや、そこは適応能力が高いということで!



 今は、部屋に戻り、アイリーン様の部屋の説明を受けている。

 アイリーンの部屋は、手前が浴室、衣装部屋、寝室になっている。

 衣装部屋には色とりどりの可愛らしいドレスが揃っていて、お嬢様になった実感が湧く。

 ベッドは憧れの天蓋付きで、枕元には可愛いテディベアがいた。


 薄手の透き通ったカーテンで軽く仕切られたリビングは、広めのバルコニーに面しており、明るい雰囲気。

 内装は白が基調で、家具は茶色で落ち着いた印象、可愛らしいピンク系のファブリックが差し色となり女の子らしさを足している。


 白い壁紙は一見シンプルな白地に細いピンクのストライプが入っているが、よく見ると白地の部分は小花のエンボス加工が施され可憐だ。

 木目の美しい艶やかな焦げ茶色の家具で統一されており、金色の取っ手や脚が高級感を醸し出している。



 「──アイリーン様のお部屋は、シンプルで可愛らしい色合いを焦茶色の家具で色を引き締めていて、甘すぎず、とっても好きなお部屋です!!」


 リーニャは嬉しそうにしっぽを振り、エミリーは嬉しそうに微笑んだ。

 二人とも、好きに変えて構わないというが、素敵なお部屋なのでこのまま使わせて頂きます!!



 歩いていると、机の下にミシンと大きくて可愛い裁縫箱が目に入る。──ソファーで刺繍をしたり、編み物をするアイリーンの生前の記憶が脳内に浮かんできた。


 「アイリーン様と趣味が一緒で嬉しいな〜! あ! リーニャ、首元にリボンを巻いたら可愛いと思うなぁ!」


 リーニャは、首に巻くリボンを選んでほしい、とカラフルなリボンをテーブルに広げた。

 

 「うーん、リーニャはふわふわのアイボリーの毛が可愛いから……やっぱり、映えるようにはっきりとした色合いかなぁ……」


 リーニャの首元に、くるっとローズピンクのリボンを巻きリボン結びをする。

 リボンの結び目の中心には、裁縫箱から拝借したガラスのようなクリスタルのお花のパーツを糸で括りつけてみた。



 「やーーーーーん♡♡♡ リーニャ! とっても可愛い〜♡」

 「あっ! そのガラスのパーツを魔道具として念話の機能を付けませんか?」


 エミリーがぱんっと手を叩きながら提案をしてくれた。

 アイリーンの記憶的には、公爵領の特産の一つにこのガラス細工があるから、手に入れやすいだろう。


 たしかに、リーニャが人前で話すわけにはいかないし、念話の機能は便利でいいかもしれない。

 決められた人だけ、ガラスの魔道具を着ければいいし、何より楽しそう。──では、そうしましょうっ!!



 リーニャとエミリーと話し合い、ガラスのパーツを身に着けやすいように、アクセサリー型の魔道具に加工してもらうことになった。


 「──お揃いのアクセサリー、しかも秘密の会話ができちゃうなんて……なんか仲間、って感じで嬉しい!」

 「アイリ様ともエミリーとも気兼ねなく話せるなんて、とっても嬉しいですわ!」

 「ええ! もうお友達だと思うから、アイリって呼んで? 堅苦しいの苦手なの! お願い!」


 リーニャは嬉しそうに 『アイリ……』 と呟き、しっぽをゆるゆると振っている。可愛いっっ!!!!



 「私はお嬢様に仕える立場ですのに、仲間だなんて、身に余る光栄……とても嬉しいです! クロヴィス様が帰ってくるまでは……時間がまだありますね! 今からジェスパーさんにお願いしに行きませんか!?」


 ──きゃっきゃっ!



 こうして、異世界に飛ばされ早三日。アイリーンとエミリーと出会って間もないのに、既に仲良くなった。

 そして、私の霊感を気持ち悪がらないでくれる貴重な子たち……これからもっと仲良くなれたらいいな……!




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