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SIDE:アディ─私の贖罪─

アドリエンヌの過去と決意の回。

読まなくても大丈夫。

 アドリエンヌ視点 小話


 

 「──アイリ様……すごい能力……」



 アイリ様や、アイリ様を守る会の方たちとのお茶会を終え、ルヴィエ家に帰ってきた。

 そして、エミール様に渡されたブローチを所有者認定し、アイリ様の能力に驚いた。


 当たり前だけど、アイリ様につけていた監視の霊は尽く浄化されていたので、全ての出来事を知っているわけではなかった。

 だから、能力と出来事を一覧として見た時に、これはたしかに知られてはならない物だと察した。



 ──何故、みなさんは、危害を加えてしまった私を信用して、このブローチを渡してくれたのかしら……?


 でも、不思議と、これを悪用しようなどとは、もう思えなかった。

 しばらく前の自分なら、確実に利用しようと考えていたと思うけれど。きっと……そんな気持ちも見抜かれていたんでしょうね?


 「──あぁ……やっぱり、アネットの言う通り、私は取り憑かれていたのね……霊たちは仲良くしてくれたんじゃない、私は利用されていただけなんだわ……」



 幼い頃から、みんなに嫌われていた。

 同じくらいの子たちの中で一番魔法が使えたし、他の子には見えない、もしくは感じたとしても弱い反応の霊たちを、私ははっきりと見ることができた。


 子どもは正直だから。気持ち悪がられたり、バカにされたりして、仲間外れにされた。


 自分が避けられるのは辛かった。だから、距離を自分から置いた。寂しくなんかないって思わないとやっていられなかった。

 強くなろうって、周りの言う事なんて気にしないようにしようって、ずっとそう思ってきた。



 父親は再婚すると、私のことは本当にどうでもよくなったようだった。妹のセリアが産まれると、私はますます空気になってひまった。

 両親は、プライドだけは高い。令嬢教育はされたし、身なりもきちんとするために服も靴もちゃんと用意してくれた。


 だけど、褒めてくれたことや抱きしめてくれたことは生まれてから一度も無かった。


 勉強だって頑張ったし、魔法だって使えるように自分なりに努力してきたつもりだ。

 外部から雇われた家庭教師たちには褒めてもらえた。賢い、優秀だ、と。


 でも、それが全て裏目に出てしまった。令嬢らしくない、と。

 男に生まれて、王城勤めの文官や騎士にでもなれたら、認めてもらえたのだろう。


 ──どうしたら、私は、私として、周りに認めてもらえるのだろう?



 儀式や催事などで数年に一度の王城に行く時には、大体アイリーン様を見かけた。


 いつもにこにこと笑顔の彼女は、誰に対しても朗らかで、どの貴族にも可愛がられていた。もちろん私の両親も褒め讃えていた。

 彼女の周りには常に人がいて、令嬢の見本だと他の令嬢からも一目置かれる存在。


 何より、ベルチェ公クロヴィス様とクロエ様のアイリーン様へ向ける愛情のこもった眼差しは、他から見ても分かるほどだった。

 年の離れたアルベール様や、カミーユ様とも仲が良さそうに見えた。


 普通の仲睦まじい家族の姿、陛下と気軽に話せる関係、他の令嬢にも認められていること……どれも私には無いもので、とても羨ましかった。



 カミーユ様は、お若いのに風格があった。もちろん、令嬢たちからは憧れの存在。

 とても稀な闇魔法の使い手で風の精霊の加護持ちという特別な存在。


 春の武術会で19歳のカミーユ様が大人たちを圧倒しているのを見た。あんなに魔法を綺麗に使いこなす者を見たことがなかった。


 ──カミーユ様に見初めてもらえたなら、私はみんなに認めてもらえるのだろうか?


 元々引き寄せる体質なのだろう、と思い、更に死霊たちを付けてみた。

 自分が使役して、カミーユ様が弱ってから死霊たちを解除したら……仲良くなる糸口になるのではないか──


 ──今思うと、そんなわけは無いのだけれど。



 「──カミーユ様のことも憧れではあったけど、今となっては何故そこまでして手に入れたかったのかも分からないなんて……

 ──なんて私は愚かなのでしょう……自分が認められること、受け入れられることしか考えてなかった」

 

 『──アディ、ごめんね。私がもっと強くて、他の霊を止められたらよかったのに……アディのことも勝手にアイリ様に見せていたの……助けられなくてごめんなさいっっ』


 「アネットはずっと側にいてくれたじゃない。今回だって、私はアイリ様や陛下の恩情が無ければ、あの場で処刑されていたっておかしくなかったのに……アネットのおかげよ」



 ──私にはアネットしかいない。

 そんな大切なアネットを救ってくれた、危害を加えたというのに私のことも救ってくれた……すごい聖女様。


 もう、私は道を間違えない。私は、私に出来ることで、私を信じてくださったみなさんのお役に立ちたい。

 それが、救ってくれたアイリ様、そして、みなさんへの贖罪。



 「──ねぇ、アネット? 私……家を出て、王城で働こうかしら? どうせセリア()が婿を取って家を継ぐでしょうし?

 アルベール様の言う通り研究者もいいけれど……王妃様付きの女官っていうのもいいわね? ──護衛もできる、エミール様のように手足となってアイリ様を支える女官!」


 『っっ! アディ……! とってもいいと思うわ! こんな理解してくれない家なんて、こちらから捨ててやりましょうよ!

 私もアイリ様のために出来ることは頑張りたいわ! アディ……私もついていっていいかな……?』


 「何言ってるの、アネット! 私にはあなたしかいないもの! もちろん、あなたも一緒よ!!!!」



 ──私、これからは、アネットと、過去を知った上で恩情を下さったアイリ様と陛下のために……生きていくの!




アドリエンヌ様のことが好きになってしまったがために救ってしまった私( ;꒳; )

本当はバリバリ悪役令嬢ルートを用意していたのに!!!!


※これは小説ではありません。

Web小説風に纏めた作者の妄想日記(メモ!)なのです!

大体の筋書きはなくはないけど、プロットなんて素敵なモノは存在しないのであーる(˙꒳˙ )!

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