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アイリ、アドリエンヌとお茶をする

アドリエンヌ回


 ───ベルチェ家 アイリーンの庭



 6/16(日)。アイリーンの庭にアドリエンヌ様とアネットさんの霊を招いてみた。エミリーとリーニャが一緒にいる。エミリーがお茶会の準備をしてくれた。


 もちろん、守る会のメンバーにも予定を共有している。カミュ様は、何かあったらすぐ転移する! と言っていたので、頼もしい♪

 お兄様とお父様も邸にいるし、エミリーとリーニャがいるからきっと大丈夫!



 アドリエンヌ様も、令嬢とのお茶会は、今日が初めてらしい! 仲間ですね〜!


 「このプルプルとしたもの……甘くてとても美味しいですわ……! これが、噂のプリン……」

 「そうです! お気に召しましたか?」

 「陛下が、殿下に自慢されているのを聞きました。あ、霊越しに……です」


 ──カミュ様とも似てるわ、このお嬢様。

 この国の人はなんだ? ストーカー気質の人が多いんですかね!?



 『聖女様、アディを助けてくれてありがとうございます……アディ、本当はいい子なんです。周りの霊を止めたかったけど、私には無理でした……』


 やはり、夢を見せていたのは、アドリエンヌ様を慕うアネットだった。

 流行病で亡くなった後も、アドリエンヌ様のことを心配するあまり、現世に残ってしまった……ってことかな。



 「ねぇ、アドリエンヌ様? きっと、私が "聖女" だって早い段階で気付いていたんですよね? でも、誰にも言わなかったのは何故? 困らせようと思ったら、誰かに言う手もあったのに」


 「──気付いておりましたが、嫌われている私の言う事なんて誰が信じるでしょう。それに、より陛下に相応しい、ということを認めたくなくて……

 今は負の感情が無くなったので、ただただ申し訳ないという気持ちです……」



 ──どうやら、やはりアドリエンヌ様は気づいていたらしい。


 アイリーンが仮死の魔法を掛けられる前日に、監視の霊越しに会話を盗み聞きして、召喚する誰かがアイリーンとして過ごすことも分かっていたらしい。

 カミュ様が私のことを覗いていたことも知っていて、執心している女の子が召喚されるのだろう、とその時点で知っていたのだそうだ。


 召喚されてから、監視の霊が消され始めたので、私が聖女様としての能力を持っている、と分かったらしい。

 治癒能力は知らなかったが、殿下の怪我が治っていたのを見て確信した、と。



 「──それに、本当は私、アイリーン様のこと羨ましかったですけれど、ずっと憧れてもおりましたの。

 死霊たちにとっては、聖女様は憎いですから、悪く言うのは当たり前のことですのに……唆されてしまった私は浅はかですわよね……」


 『アドリエンヌ様は賢い令嬢だとずっと父から聞いておりました。

 理解者に恵まれなかっただけで、自分の能力が生かせる家や場所でしたら、そんなに悲しいことにならなかったはずですのに……』



 アドリエンヌ様が喋るリーニャを見て驚いている。──そうか! リーニャがアイリーンだって知らないのか!


 「あ、アドリエンヌ様、この猫のリーニャが元のアイリーンなんです!」


 

 本人の前でアイリーンへの想いを話してしまったから、きっと気恥しいんだろうね……!

 顔を真っ赤にさせたアドリエンヌ様が……とても可愛いですっっ!!!!




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