アイリ、アドリエンヌを誘う
アドリエンヌを誘う回。
──とりあえず、アドリエンヌ様が落ち着くようにミルクティーを勧めてみる。
私は、甘くてまろやかなミルクティーとかココアを飲むと落ち着くんだよね♪
「──ねぇ、アドリエンヌ様? 明日、お時間あるかしら?
さすがに今日パーティ抜け出して、これ以上時間経つのはまずいですから……明日、改めて一緒にお茶しませんか? アネットさんも連れてきてくださいな。ベルチェ家には結界張ってませんし、浄化しませんから♪」
「──私のこと……お怒りにはなりませんの……?」
「うーん、いや、それ相応には罰が必要だとは思いますけどね? ただ、アドリエンヌ様は被害者でもありますし。とりあえず、他に気になることもあるのでお話したいな、と思うんです。
私たち似てるので、きっとお互いにいい理解者になれると思うんですよ! アドリエンヌ様さえ良ければ♪」
明日、アドリエンヌ様がベルチェ家に来てくれることになった。私は、アネットさん(霊) に会ってみたい!
──パーティに戻ると、みなさん歓談を楽しんでいた。
エミールさんのお父様であるバイヤール卿や、文官オラールさんのお父様にも挨拶ができた。2人とも父親似で似ていたので、すぐに分かった!
驚いたことは、殿下の護衛騎士のクレールさんのお父様はバリエ卿だった。クレールさんのフルネームはクレール・バリエ、バリエ家の出身だったのだ!
さりげなく、お嬢様のことを聞いてみると、やはり霊力が高いらしい。
国全体に結界が張れたら、霊を引き寄せてしまい衰弱している人も救えるんだよね……
というか、全ては北方の国のせいなんだよね!?
ルヴィエ家もバリエ家も北方の国に近いから、悪霊の影響が大きいわけで。
アングラード国さん、しっかりしてくださいよ〜!!!!
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───ベルチェ家 アイリーンの部屋
さすがに一日長かったし、色々とあって疲れたぁ〜!!!!
ミルクティー会で、エミリーとリーニャに今日の報告中。
「──まぁ……そういうことなの……」
「使用人がお嬢様に辛く当たるなど……アドリエンヌ様がベルチェ家の者でしたら、喜ばれたでしょうに……」
──まぁ、本来は令嬢が戦えること自体が異常らしいし? 嬉々として令嬢と戦ってるのは、ベルチェ家の使用人たちだけでしょうね!!!!
「──私、この世界に来てから、毎日楽しく過ごしていたけれど……
それは、ベルチェ家のみんなや、私を守る会のみんなや、カミーユ様っていう理解者がいたからなんだ、って改めて思ったの。
アドリエンヌ様にも、誰か味方がアネットさん以外にも何人かいたならば……違ったと思うのよ。そう思ったら、責めるのも違う気がして……」
「アイリがお友達になればいいと思う♪」
「お友達は勝手になれるものでもないけれど、彼女は理解者を欲しているようにみえる。理解者にはなってあげられるよね」
とりあえず、明日のアドリエンヌ様の様子を見よう♪