アイリ、陛下と婚約しました
とりあえず、婚約までで2章終わりです。
3章は謎の侯爵令嬢編です。
───バルコニー 陛下の闇部屋
──儀式の後も、結局何も無かった。
邸に帰ると、セドリックとエミリーに『絶対お嬢様は襲われると思いましたのに!』と物騒なことを言われた。お父様もお兄様も全力で頷いていた。
みんなして私が襲われるの期待するのはやめなさいっっ! 薄情だぞっっ!
で、安定の夜のミルクティー会を終えると、陛下がやっぱりバルコニーに来た。
今日は絶対来ると思ってた! ──そして、今に至る。
「──アイリ、約束通り指輪に念話の機能を付与しておいたよ。使用者認証してくれたら、念話が可能になる」
「自分の指輪に血を落とす分にはいいんですか?」
「うん。お互いの血を両方の指輪に捧げて、初めて結婚指輪になる。結婚は契約だから血を捧げるけど、婚約だけなら魔力とキスの交換でOK」
──なるほどね。使用者認証完了……っと。
『もしもーし? 陛下?』
『アイリ、せっかく婚約したから、二人の時は名前で呼んで? 母上やウェントはカミュって呼ぶから、カミュがいい。』
──うっ。その期待の眼差し……呼びづらいんですけど。
「……カミュ様……?」
ぎゅうううううううっと抱きしめられる。
カミュ様……! くっ……苦しいです!!!!
「──そうだっっ! あのドレス可愛かった! オジエ夫人によるものだろう? オジエ夫人にもお礼を言わなくては……! 白い薔薇が3輪……! 本当に? 本当に俺でいいの?」
あー。顔真っ赤で可愛いですね〜。
いや、私も普通の顔なんて忘れましたが。だって、無理だよ! こんなの!!!!
あ、本当は一人称 "俺" なんですね?
「──正直、自分でもチョロいなと思うんですよ。召喚されて1ヶ月で婚約なんて。最初は、勝手に召喚しやがって、とか、15年も一方的に見られてたなんて気持ち悪い! とか普通に思いましたし?」
「──生まれつき霊感があって、周りには分かってもらえなくて、瞳の色も見えることも全部気持ち悪がられて、いじめられたりして。……何も良いことなんて無いから、霊を見ないようにして。
ずっと霊に振り回されて、霊のせいで家族もボロボロで、自分がしっかりしなきゃって思ってて。誰にも言えなくて辛くて、霊感なんて無ければいいのに……! って思っていました」
「でも、カミュ様は、何の役にも立たない霊感を貴重な力だって言ってくれた。見えないところで、何度も助けようとしてくれた。全部知った上で受け入れてくれた。
──味方なんていないって、ずっとずっと思っていたのに……! カミュ様は、長い間見守ってくれていた……それを知った時、すごく嬉しかったんです。
何より……この世界に来てからの1ヶ月、すごく楽しかった……」
──うわーん! 泣くつもりなんかなかったのに、思い出したら涙が出てくるぅぅぅぅう!
「これからは、俺がそばにいるよ。……この世界では胸を張って生きていこう」
「私、守られるだけじゃなくて、ちゃんとお役に立てるように頑張りますっ!」
───籠原愛理、18歳。覗き趣味の変態国王陛下によって、"運命の人" 兼 "特殊能力(霊感)持ちの聖女様" として異世界に召喚され、1ヶ月。本日、6月1日、婚約しました!
なんだかんだ、ストーカー癖の王様を好きになってしまいました(白目)
あぁ、もうこうなったら無事に結婚できますように……!
初投稿。投稿から2週間。
毎日妄想を書きなぐっただけの文章を読んでくれるみなさん、ありがとうございますm(_ _)m
ある程度は読みやすいように、できればわかりやすいように、と思っていますが、文才が無いので難しいです。反省。
毎日、妄想を書き殴り続け、とりあえず完結させる!!
がんばりまーす。