アイリ、陛下と空を飛ぶ
風の精霊ウェントっす☆٩( 'ω' )و ウェイ
今日も、エミリーとリーニャと夜のミルクティー会を終えて、陛下にお手紙タイム。
リーニャは、すやすやとクッションで丸まって寝ている。可愛いっっ!
結局、プリンをあげた日から毎日お手紙交換をしている。週2日くらい夜に闇部屋で会ってますけどね……!
日本ではSNSが普通だったから、この歳で文通(?)お手紙交換なんて新鮮。地味に毎日楽しくお手紙を書いている。
返事が来ると、不覚にもきゅん♡としてしまう私。我ながらチョロいぜ(白目)
──そういえば、アイリーン的には、思い当たる令嬢はいないそうで。
でも、そうだよね。余程、目の敵にされていて、表立って『お前は嫌いじゃ!』オーラでも出されない限り、分からないよね?
誰かさんと違って、自分の生霊飛ばして監視とか……そんなこと出来たらすごいし……ってあれ? 精霊使いがいるなら、死霊使いとかいるのかな?
──でも、女の霊を見たのは2回だけだしなぁ。監視はありえないよね。きっと、無意識に生霊飛ばしちゃってるパターンだよなぁ。
───パサッ。
およ? 珍しく陛下の方から手紙が来た。
『外出出来ずに飽きただろう? 明日は日曜だし、今からこっそり遊びに行かない? カミーユより』
えっ? 今? なう?
そーっとバルコニーの方を見ると……いるし!!!! めっちゃしっぽ振ってる! 黒わんこ、行動が早いよ!!!!
───カラカラカラ
「こんばんは、陛下? えっと……さすがに部屋着でお出かけはまずいですよね? といいますか、まず、どこに行くんでしょう?」
「こんばんは、アイリ。あぁ、そろそろ2週間篭もりっきりで飽きたかなぁって。僕のお気に入りの綺麗な場所を見せたいと思って! 今日はすごくいい日なんだよね!」
『これ羽織って』 と、着る毛布みたいなものを渡された。あれ? これ、東京の部屋で着ていたものに似ている。これも見てたのか!
「暖かいでしょ? それはアイリの着る毛布見てたら良いなぁって思って、作ってもらったんだ。それに闇魔法掛けて、闇夜に紛れてバレずに外に出られる、イイものなんだ♪」
──それで、この人、こっそり城を抜け出てきてるのか……!
「──とりあえず、ちょっと失礼!」
お姫様抱っこされると、大きめの黒い布に乗って浮かぶ……! 空飛ぶ絨毯ならぬ布! ちょっと怖いんですけど!!!!
「風の精霊さんが浮かせてくれてる……? 加護の無駄遣いでは……?」
「大丈夫! ウェントは自由と遊びを愛するヤツなんだ!」
『カミュが、遊びに行こうぜって言うんで、来ちゃいました〜! 霊のヤツら飛ばすのは近寄りたくないんで、嫌々でしたけど、サボりと遊びなら全力で付き合うぜ☆』
──ノリが軽い! フットワークも軽い! なるほど、この人たち息が合うわけだ……!
エミール様、陛下のサボりの教唆犯はこいつです!
『周りの精霊たちが、アイリ様ベタ褒めなの分かりますわ〜。アイリ様の周りってイイ空気なんすよね〜! さすが聖女様っすね〜☆ カミュにまとわりつくヤツらも浄化してくれて、俺も側にいやすくなりましたし。マジ感謝っす☆』
風の精霊ウェント……! 遊びに全力! そして、チャラい!
ちょっとくらいルミナス見習ってくれっす☆
でも空を飛ぶのは、なかなか楽しいっっ! ファンタジー世界最高っす☆
ブックマークありがとうっす☆