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アイリ、雇い主について考える

雇い主は誰なのか


 ───ベルチェ家 談話室



 夜の食事中、お父様に出来たてほやほやのドレスを披露することになりました。

 そのため、一回私室に戻りドレスに着替えてきました。晩餐後のドレス……くっ……苦しいっっ!


 「とても可愛いよ。良いドレスが出来上がって良かったね。きっと陛下もお喜びになるだろう。オジエ夫人も喜んでいただろう?」

 「お父様、ありがとうございます。アルベルティーヌ様とっても優しくて良い方ですね! まさか婚約の儀に間に合うなんて思いませんでしたから、嬉しいです。新しいドレスや服もありがとうございます。パーティでも宣伝頑張りますね!」


 クロヴィス様が嬉しそうにするので、苦しいのをこらえながら着たかいがあるというものですね! にっこり微笑みながら締め上げるエミリー……鬼だったっっっ!

 

 「ドレス可愛いよ。これが、あいつのためだと思うと……惜しいな。」

 ──お兄様! そんなこと言っちゃダメですよ!



 「──そういえば、あのゴロツキども、全員、死因不明だそうだ。エミールと陛下から今日聞いた。」


 なんと……! 死んだことは聞いていたけど、死因不明とは。

 日本ほど検死が優れているとは思えないけど、それでも全員一斉に死んで、しかも全員の死因が不明なんて、そんなことってある? 雇い主なかなかヤバめなのでは……?


 「不思議なことばかりですわね。あの霊体も不思議ですし、全員の死因が不明なのも不思議ですし。雇い主……どんな人なのでしょう? おそらく女性ではないかと思うのですが……」


 「ある程度の魔法が使える傭兵を雇えるだけの財力がある、強い誓約魔法を結ぶだけの優れた魔法行使能力がある。──貴族だとは思うんだがな。

 ──ただ、他の領地で問題を起こすことは御法度。それも令嬢を魔法で襲わせるなんて、重罪は免れないだろう。それを知っていて実行に移すなど……」

 アルベール様とクロヴィス様は首を傾げる。


 「余程、自信がおありな方か、恋は盲目! 陛下に強い想いを寄せる方か。受けて差し上げますわよ〜! 気合いを入れて鍛錬頑張りますわ!」

 『うふふふふ、今度は私も参戦したいものですわ!』

 『私も更に強くなりたいです!』

 ──おおう、二人とも頼もしいけど、黒い笑みが怖いよ〜!



 この3週間で鍛錬も、ダンスレッスンも、だいぶハードになった。てか、鍛錬に至っては、2週目から完全に実戦方式だし。

 セドリックに聞いたら、普通の令嬢はやっても防御くらいで、襲われて実戦で戦える令嬢はいないだろう、と言っていた。

 ──でしょうね! 令嬢はお淑やかなイメージだもの!


 でも、外出禁止令出てるし、やること無いんだもの! 外に出れないなら、中でエンジョイするしかないじゃない!

 この2週間は、レッスンしたり、鍛錬したり、エミリーとリーニャとお庭でお茶したり、リーニャを愛でたり、読書したり、料理したり、編み物したり、たまに陛下と闇部屋でお茶したりっっ!!!!


 あれ? ──外出ていなくても、十分楽しくて刺激的なお嬢様ライフ満喫してたわ。

 でも、やっぱり外に出たーーーいっ! またベルティーユとか行きたいよ〜〜〜〜っ!!!!




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