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アイリ、断熱のジェルを生む

実践!実戦!!


 ───鍛錬場 更地



 美味しい昼食を取った後、軽くシャワーを浴び、動きやすいワンピースに着替え、鍛錬場に向かった。

 アンジェロはうきうきとした表情で、既に更地で待っていた。


 「お嬢様の魔法行使能力はすごいと聞いております!」

 「──普通ですよ?」


 「火の魔法使いは、基本的に防御よりは攻撃が得意ですので、お嬢様の防御魔法や攻撃を避ける練習になると思います!

 水魔法は火魔法に対し有効ですから、危なくはないと思います。数をこなすことが慣れへの一歩ですし "実戦" してみませんか?」


 ───実戦! 戦えるお嬢様への第一歩ね! やるやる!!!!


 「アンジェロ、ありがとう! 自分の身はなるべく自分で守れるようになりたいわ! 何かあれば、ジェスパーとエミリーに止めてもらいましょう!」



 にっ! っとアンジェロは口角を上げると走り出した。

 アンジェロもなかなか好戦的みたいね!


 「それではお嬢様、行きますよっ!」


 空中に火の玉が広範囲に複数出たかと思うと、なかなかの勢いで飛んできた。


 『とりあえず、前方に厚い氷の壁!』


 ───ジュッ!

 火の玉が当たり、壁が溶けかけ水に変わる。


 『そのまま、水よ! 適度にまとまり、氷の礫になって飛べ!』


 ───シュッ!

 ───ジュワッ!!!! シュウウウウウウ……


 アンジェロの目の前に展開された炎の壁により、氷の礫はギリギリで消えた。


 「っっっうっわ……! ギリギリ……!」

 「まさか、僕の攻撃を利用して反撃されるとは思いませんでした! なぜ、そのまま火に水を当てなかったのですか? お嬢様の行使力ならば、そのまま消火も出来たのでは?」


 「──うーん、水の玉を作って当てることや、囲むこと、火を作れないように酸素を遮断してしまうことも一瞬考えたのだけど。広範囲で複数だったから、確実性を取ったの」

 「確実性……」

 「とりあえず防御を最優先して氷の壁にしてみたの。氷なら溶けるまでに少し時間があるから、その溶けた水を攻撃材料にするイメージの時間が作れるかなって。

 水の壁なら消してしまうことが出来るけど、蒸発した湯気で視界も悪くなるだろうし、水蒸気爆発とか怖いし? そこから反撃するって……遅いと思ったのよ」


 「──お嬢様、もう昨日のカウンター攻撃を実践なされたのですね……! さすがお嬢様です!」


 エミリーは目を輝かせ、アンジェロは感嘆していた。

 アンジェロ……口が開いているわ……驚きすぎじゃない?



 「──火魔法の上位魔法は炎や爆発などが使える強い魔法ですが、もし爆発ならお嬢様はどうしますか……?」

 「アンジェロ、私を全部囲むように火の攻撃を当ててくれる? 小さい爆発をイメージしてくれていいわ」



 ───アンジェロは困惑しつつも、火を出して囲むように放つ。


 『体に断熱のジェル! かまくらの様に私の周りに防護ジェルを展開!』


 ───ジュッ! ブルブルブルっっ!!!!


 分厚いジェルで出来たかまくらが振動する。

 さすが、断熱することをイメージしたから熱くない。


 「──さすがに、断熱解除したら、あっっつい!」


 空中から雨を降らせて気温を下げ、濡れた服に生活魔法──乾燥を掛けた。


 「ね? ジェルで覆ってしまえば、ある程度は防御が出来るのよ!」

 「いや……お嬢様……規格外ですね……」



 目を見開いていたアンジェロには、夕方お菓子を作るためにキッチンの一角を借りることを頼んでみた!

 ぷるぷる震えるジェルを見て、プリンが食べたくなった。


 アンジェロは夕飯の仕込みのため一足先に帰っていったので、エミリーと自主練してから、厨房にお邪魔することに決めた。


 ───プリン♪ プリン♪




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