SIDE:ジェスパー─大忙し!─
またまた大好きジェスパー回
読まなくても大丈夫!
ジェスパー視点小話
──この所、何故かこの辺鄙な場所に"お客様"が多い。
先日のお嬢様と侍女と猫ちゃんに続き…!なんと!当主様までいらっしゃった。
そして、今日はついに若様までいらっしゃった!!!!
「ジェスパー、久しぶりだな。
"念話"の魔道具をお願いしたい。相手は、父上、アイリーン、侍女、猫だ。」
「…はぁ…かしこまりました…」
──なんでまた、この人たちは家族なのに、わざわざ"念話"だなんて面倒なことを。普通に会話すればいいじゃないか…?
いや…一魔道具師でしかない、この小屋に篭っている俺には分からないが!きっと公爵家というものは、家族同士の自由な会話もままならないものなのだろう…!
貴族様は大変だなぁ…!
「なぜ泣く…? 私のは、父上と同じくカフスボタンにしてもらいたい。」
「…っ(泣 かしこまりました!」
──カフスボタンはどの箱にしまってたかな〜…
「あ! そういえば若様。お嬢様はすごいですねぇ!
先日こちらにいらっしゃった際に、私の魔法を楽しそうに御覧になりながら、『黄土色の綺麗で繊細な魔法!』って褒めて頂いたのですよ…!
お嬢様は魔力までお分かりになるのですね…! 魔力が見られるなんて素晴らしい能力ですね…! 私、魔法、魔道具に携わる者として、お嬢様の成長に感激致しました…!」
アルベールは目を見開いた。
「…遅かったか…」
「ああ、アイリーンは養生のおかげで元気になってから、魔法の能力も上がってな?
これから、隣で魔法の鍛錬をする機会が増えると思う。衰弱して弱った筋力なども取り戻していかなければいけないしな…?
きっとこの辺りが騒がしくなるだろう。ジェスパーにも迷惑を掛ける。」
「いやいや! とんでもございません!!
もし、お嬢様の魔法の補助魔道具などご入用でしたら、何なりとお申し付け下さいませ!! 私も何か鍛錬に必要でしたら、喜んでお手伝いさせて頂きます!」
「ありがとう。優秀な土魔法の使い手にそう言ってもらえると助かる。」
──これからお嬢様の魔法鍛錬を見る機会が増える!
可愛らしいお嬢様が奮闘して魔法の練習をする…!
そんな様子を想像して、微笑ましい気持ちになるジェスパーであった。
貴族ってもんは大変だぜ…!by.ジェスパー