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アイリ、デビュタントと婚約が決まる

家族団欒回。続き。

 

 ──お兄様に質問攻めにされた後は、しばらく食事を楽しんだ。

 デザートは陛下にもらった "レッドプティボール" のゼリーだった。

 プチプチ、プルプルとして喉越しがよく、食後にぴったりだ。



 「──あぁ、そういえば、アイリ様、話は変わるけどね。

 陛下主催の、夏のガーデンパーティでデビュタントすることになった。そこで、陛下との婚約のお披露目と、療養生活からの復帰の印象付けを兼ねることにしたから、ちょっと()()が必要だよ?」


 「準備……ですか……?」


 ──お父(クロヴィス)様がさらっと貴族様らしいことを言う……! 社交界デビューですってよ……!

 さらっと言ったけど、あの婚約って本気だったの!?



 この国では年に2回、貴族の令嬢が "デビュタント" (国王陛下と国王妃殿下にお目通りをし、社交界にデビュー) する機会があるらしい。

 通常は、16歳〜18歳でのデビューが普通だそうだ。

 国王陛下主催の "秋の豊穣感謝祭の夜会" 、そして本来は王妃陛下主催の "夏の王城庭園でのガーデンパーティ" でお披露目となる。



 「アイリ様、アイリーンの記憶があるから大丈夫だとは思うけど……月曜から念の為にレッスンをしてもらおうと思っている」


 「まぁ、基本的にこの国の貴族は関係が良好だから……あまり考えたくはないが、陛下との婚約絡みで、他の令嬢からの()()()()も多少はあるかもしれない。

 セドリックに頼むから、身体作りやおさらい、自らを守るものだと思って、一通りレッスンを受けてみて欲しい」

 


 ──わお! またさらっと言ったね! やっかみ系のドロドロなんて昼ドラみたい!! ドンと来い!!


 一応、アイリーンの記憶によると、この国ベルナルディ王国は大きな川に囲まれている地形とはいえ、内陸国。

 そのため、内戦は他国の介入を許すことに繋がるため、他国に比べると比較的貴族同士の仲は良好らしい。

 


 「──お父様、御配慮ありがとうございます。勉強も体を動かすことも好きですし。ベルチェ家の恥とならないように精一杯頑張りますね!

 ──で、レッスンはいいんですけど。陛下との婚約は、もう決まりなんですね……?(白目)」


 「あっ……幼馴染みとして擁護するとね? ()()見えてもね、陛下はかなり優秀で、魔力、霊力ともに国でトップクラス!

 高度な魔法使いでもあり、精霊使いでもある。勉学もできるし、武術剣術体術も嗜み以上にできる。魔法を組み合わせたら、この国で一番強い。占術家、研究者としての一面もある」


 「何より、24歳という若さで国をまとめあげているのは、なかなかできることじゃないんだ。

 ……まぁ、覗き癖と、死霊を惹き付けてしまうことと、アイリ様の前では()()()()になることさえ除けば、すっごくいい男なのは保証するよ!」


 アルベール様が貶しつつも、陛下の良さをプレゼンしてくださった。

 ──さすが兄妹!! 陛下を上げつつ落としてまた上げていくスタイル!!!!


 「まぁ、私この二年は精霊として過ごしておりましたから、他の令嬢のことはわかりませんが、きっと陛下は()()()()ですから、年頃の令嬢たちには狙われているでしょうね?」

 「リーニャ……やっぱり、陛下はかっこいいし優しいもの! 人気なのね?」


 ニマニマとするベルチェ家の一同……え? 私、何か変なこと言った……?


 「大丈夫ですよアイリ様。陛下が14年も気にかけて好きでいたんですよ。昼間の陛下を見ていたらよく分かります」

 「一人で見たら止められないから、と神殿に見に来てましたからね。アイリ様への気持ちは本物だと思いますよ」


 お父様とお兄様は優しく微笑んでくれた。

 な……なんだか恥ずかしくなってきた……



 そして、やはり、お兄様もお父様と同じく、念話の魔道具を欲しがった。お兄様もカフスボタンにするようだ。

 ──ジェスパー、大忙しであーる!!!!




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