SIDE:アイリ様を守る会!─第一回作戦会議─
読まなくても大丈夫。
アイリ様を守る会!クロヴィスを除き、全体武闘派です。
地味に強いメンバー。クロヴィスは頭脳派なのです。
アイリ様を守る会! ここだけ三人称でお送りします〜
「えー……アイリを狙う輩を排除、いや! まずはアイリが狙われないようにすることが必要だ! アイリの能力は秘匿! このメンバーのみの重要機密とする!
アイリ様を守る会! ─第一回作戦会議─を始める。会長はもちろん私、カミーユ・バジル・ベルナルド!」
カミーユが "アイリ様を守る会!" を発足させた。
「では、私は宰相、父として参謀を担当しよう。
何もなければ一番いいが、何かあった時の作戦立案、交渉や処罰などは私が適任だろう?」
「俺は神殿長、兄としてアイリ様の魔法、霊力の分析、研究を。守るにしても、アイリ様の力を知らなければ!」
「はいはーい!
では、国王陛下側近─雷魔法の使い手─として、私は魔法議事録の書記と編集を。
紙に残すわけにはいきませんから、魔法で情報を残し、このメンバーのみが書込み、読むことの出来る情報共有網を構築します!」
※この世界には、電子、電気機器、ネットワークといったものは無い。
しかし、側近エミールは雷魔法の使い手。日本で言う、電気、情報にあたるような魔法が得意である。普段はへらへらしているが、さすがに陛下側近。戦ったら実は普通に強い。電撃での強制尋問などもお手の物である。
「では、私は一番お嬢様に近い侍女ですから、護衛としてずっとお側にいます! 対人暗殺術、攻撃や防御魔法の研鑽にこれまで以上に努めます。」
「私も、アイリ様に加護を与えた精霊として、護衛を致しますわ。この姿ですので、場所は選びますが。猫の姿ですから、敵を欺けるでしょう。」
『ふふふ……アイリ様に危害を与えようものなら……ぎっちょんぎっちょんに痛めつけて差し上げますわ……』
黒い笑みを浮かべる、護衛侍女+猫。可愛らしい姿なだけに、確かに敵を欺けそうである……
「──そうだな。一応、このメンバーの個々の戦闘能力は、すごいと思うが……やはり婚約、いずれ結婚するにあたり、王城での警護は大事になってくるな……」
カミーユは、うーん……と腕を組んで考える。
「うん。騎士団長のアルノーにも参加してもらおう。
ただし、機密情報のため、アイリの能力はアルノーのみに伝えることにする。アルノーならば、上手く機密情報は守りつつ、騎士たちを動かし警護を強化してくれるだろう!」
「ふむ。騎士全体に情報を開示するのは躊躇われるが……、アルノー殿でしたら、安心ですな。先代から直属の騎士団長で、人望も忠誠も厚い男だ。異論はない」
クロヴィスは満足そうに頷く。
「では、私は直接アルノーに事の経緯を伝える。
エミール、ここにいるメンバーとアルノー殿だけに情報開示できるような魔法を構築してくれ。
無いとは思うが……。万が一、他の者が見ようとした場合は逆探知、場合によっては情報の破棄を最優先。他者に知られないことを優先してくれ!」
「はっ。かしこまりました。陛下! ──構築が出来ましたら、みなさんに使用者認証をしていただきます。
情報網の呼び出し、また本人確認の認証のために、魔道具を一人一つ作るのがよろしいかと思います。1個1個デザインの異なる、ブローチでよろしいですか?」
「承知した!」
「かしこまりました!」
──アイリが我関せずで一人、茶をしばいている間に……
こうしてアイリ様を守る会!のメンバーは結束を強くしていたのだった。
みんなアイリ様大好き。