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アイリ、家族団欒を楽しむ①

家族団欒回。ベルチェ家の立ち位置に触れてます。


  ───ベルチェ家 食事の間(小)



 夜になり、王城から帰宅したクロヴィス様と共に初めての食事をしている。


 リーニャは、膝の上に座っている。

 執事のセドリック、エミリーが横に控えている。



 『アイリーンが養生から帰ってきたので、今日は久しぶりに親子水入らずで食事をしたい』

 こうして、クロヴィス様は会話をするために使用人たちを下げさせると、部屋に防音魔法をかけた。


 ここは立派な食事の間ではなく、食事の間の隣にある、そこまで広くない落ち着いた部屋。

 クロヴィス様は、妻と娘を亡くした後、アイリーンの兄と二人で食事を摂るようになったため、この小さめの部屋を使っていたのだと言った。

 ぽつり、ぽつり、と語るクロヴィス様の表情は家族を失ったこの二年間の寂しさを物語っていた。

 

 そんなクロヴィス様は、リーニャがアイリーンだと分かると、驚きながらも 『可愛い、可愛い!』 と満面の笑みで撫でていた。

 そのため、リーニャと私が会話がしやすいよう使用人たちを下げさせ、配慮して下さったようだ。



 「──あの、お父様、そういえばお兄様はどうしたのですか?」

 リーニャがクロヴィス様に尋ねた。


 ──兄、そういえば、アイリーンの記憶では、兄のアルベールは優秀で魔力が強く、王城で神官として働いているらしいのだが……。

 アイリーンの兄はどこへいった?


 「あぁ、アイリーンの儀式の後、今年に入ってから神殿長の代替わりがあってね? アルベールが神殿長になったんだ」


 ──え? あのノリノリで婚約を勧めてきて、黒わんこを邪魔扱いしていた黒髪の神殿長か! たしかイケメンだった!(うろ覚え)


 「あら! お兄様、出世なさったのですね! この国でもトップクラスの魔法使いですもの!」


 リーニャは嬉しそうにしっぽを緩やかに振っていた。どうやらすごいことらしい。



 ──アイリーンの記憶によると、この国は国王を筆頭に、宰相、神殿長、騎士団長、貴族……という序列である。

 

 宰相は、文官の長。政務・総務・法務それぞれの長の統括。

 神殿長は、神官と研究者の長。神殿の管理、儀式や行事のまとめ。

 そして、神殿は精霊・死霊・魔法の研究機関でもある。

 神官は魔力や霊力などの力を持つものが多く、研究者を兼ねている者が多い。

 騎士団長は、士官の長。近衛騎士、王城騎士、それ以外の軍務部に属する騎士や兵の統括。


 そして、貴族階級は、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵。

 武功や貢献により与えられる一代限りの男爵は領地は無いものの、広い敷地と邸と年金を与えられる。


 それ以外の爵位は、領地を与えられ、基本的には世襲制で治めていく。

 公爵は広大な領地、侯爵は国境に面する領地を守る辺境伯のような扱い、伯爵は内地の重要な地を治める、子爵は内地の田舎を治める狭い領地を与えられる。


 ──宰相と神殿長を輩出するベルチェ家、実は非常に優秀な公爵家らしい!!

 そして、公爵家とはいえ、元の世界で言うと、 "プリンス" ではなく "デューク" の方らしい。

 いわゆる歴史の長い、大貴族ってことですね。庭も邸も広いわけです。



 「──本当は、神殿長としてもアイリーンの兄としてもアイリ様に改めてお会いしたい、と言っていたんだが……」


 クロヴィス様は、私を見て言葉を詰まらせる。


 「……その……帰り際に陛下に捕まってな……。『僕が会えないのに、アルが先に会うなんて嫌だ! 幼馴染みでも許さない! 今日は帰らせない!』 と……」


 なるほど、きっとこの人たちは常日頃、あの黒いわんこに振り回されているのだろう。

 クロヴィス様は、非常に遠い目をしている。


 働け!!!! 黒わんこ!!!!




クロヴィス様は40歳くらいの、カッコイイおじさんのイメージ。いい人。めっちゃ仕事出来る。できるおじさん。

好きなタイプ。


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